2024/11/23 17:57 |
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2010/04/28 02:16 |
第一章 |
「・・・。」
俺は今、廃墟のなった町の中を歩いていた。 人間はもちろん、鳥さえもいない町。 ここは禁止地方の一つでもある関東・S玉県。 俺は単独任務でこの辺にいる憎き化物共を消滅することだ。 すると、地面から複数の黒い円の影が現れてきた。
「フーーーー・・・。」
一つの影から、人間の腰ぐらいまである黒い物体・・・化物が白い息を出しながら出てきた。 すると、他の影からも化物共が出てきた。 そして、俺はすっかり囲まれてしまった。 が、俺は特に驚きもしなかった。
「シャーー!!」
一匹の化物が突っ込んで来て、腕を振り下ろした。 俺はギリギリで上空に飛んでかわした。 俺が立っていたアスファルトは手のひらサイズのクレーターが出来た。 こいつらは見た目は小さいが力はかなりあって油断するとあっという間に殺されてしまう。
「シャ?」
化物は首を傾げた。 どうやら、俺がかわしたの気づいてないようだ。 腰にあるホルダーポケットから俺の専用武器44口経拳銃「44‐MG」を取り出して、化物に撃って銃弾が貫通した。
「グシャーーーーー!!」
化物は叫び声をあげながら、そのままどろどろと溶けていき黒い湯気となり消えて行った。 化物共は気付いたのか、俺の方に見た瞬間、化物共は手を思い切り振ったら黒い斬撃が放たれたが、俺は軽々とかわした。
「モード「ロングブレード」展開。」
俺が地面に着地した瞬間、右腕の白い機械の少し隙間の間から、光子状の刃が出てきた。 俺が動き出したと同時に化物も動いたが、化物の攻撃は当たらず俺はちゃくちゃくと化物共を斬っていった。 だが、やはり数が多くて中々終わらなかった。
「ならば・・・「ロングブレード」射出。」
俺は右腕を上に向かせて光子の刃が射出された。 その間、化物共が一斉に動き始めたがすでに遅い。
「拡散。」
射出した光子状の刃が小さな刃になって雨のように降っていき、周りにいる化物に刺さっていった。
「グシャーーーーーー!!」
化物共は荒く声をあげながらどろどろと溶けていき、消えていった。 化物共がいなくなったのを確認したら俺は耳につけているイヤホンマイクのスイッチを押した。
「こちら、瞬。 任務完了した。 これより帰還する。」
―了解。―
オペレーターの男が言った瞬間、ブツッ!っと切れた。
「固定モード「アーム&ブーツ」解除、固定モード「スライダー」移行。」
両腕と両足に装備している白い機械が一斉にバラバラになり、形を変えて縦104㎝、横48cmの先の尖ったスライダーになった。 コイツは対化物殲滅機で俺の専用武器、「GP-ARN‐O」。正式名称ガーディアンパーソナル‐アークルマインノウェイン‐オリジナル。 ARN系の最初に作られたマシンでもある。 速さは基本は65、MAXは100ほどの速さで行く。 名前が長いから俺は「アルン」って呼んでいる。 俺はアルンの上に乗ったら足が固定され、数秒したら発進し空へ飛んで、本拠地に戻っていった。
数分後、中部地方のY梨県にある中部防衛拠点基地・本部に帰還した。 アルンは格納庫で整備主任に修理を頼んだ。 格納庫から出て、俺は司令室についた。
「ごくろう様、今回の任務も早かったな。」
そう迎えて言ってくれたのが、俺の腐れ縁の森本 鉄だ。 森本はこの中部防衛隊副主任で特務隊「地空」の隊長でもある。
「今回のは雑魚だけだ。 他の部隊は?」
「G馬県から攻めに行った十~十三部隊は今だ戦闘中だ。 桐野の部隊は奴らは二分前に帰還連絡が入って帰還中だ。」
「そうか。 じゃあ、待機中の十七部隊を増援として送れ。」
「了解。」
そう言って鉄は、ヘッドホンマイクをつけて十七部隊に指令を送った。 北門にあるカメラの映像に目にやると数分もしない内に北門に十七部隊が集まっていた。
「しかし、相変らずの強さだな。 単独でよくあの化物達を倒したな。 さすが中部防衛隊最高主任と特務隊「堕天使」の隊長様だな。」
「強さや地位など興味などない。 俺の目的は・・・復讐のみだけだ。」
「・・・五年前の孤児院の事か・・・。」
鉄は暗い声で言った。 俺達は関東にあったT京の孤児院にいた。 赤ん坊の頃、孤児院の前に捨てられていたみたいだ。 もちろん、両親の顔なんて知らない。 元々、この世の人間は腐っている連中が多いから子供を捨てている親だって多いからそんなにめずらしくはない。 だが俺は孤児院にいて幸せだった。 孤児院は俺にとって大切な場所であった。 あそこにいたシスターや先生達は俺たちを息子娘のように育てていていい人ばかりだったから、よかったかもしれない。
だが、五年前、俺達が十二歳の時、あの化物共が襲い掛かってきて、多くの孤児が殺されて、支えてきてくれた人たちはみんなが殺されて、奇跡的に生き残ったのが二十六人で俺と森本はその生き残りだ。
だが、俺たちも無傷ではなかった。 二十六数名の二割が昏睡状態になっていていつ目を覚ますのかも分からず、俺は両目を失って今は人工で作られた眼で視界が見えて、森本は背中に大きな傷痕が今でも生々しく残っている。
「少し自室で休む。 北の部隊が帰ってきたら報告してくれ。」
俺は出ようと体を回そうとした途端。
「ああ、ちょっと待て。」
森本に呼び止められて、椅子の上にある書類を渡して受け取った。
「五分前にK川県を調査した第三調査部隊の報告書類が来たから見ておけ。」
「わかった。」
俺はそう言って司令室を出て行き、自分の自室に戻っていった。
自室の前に立ち、服の胸ポケットからカードを取り出して入力キーの隣にある下に向いている矢印の間にカードを挿入し、入力キーを入れ、開扉と書かれたボタンを押したら、扉が開いて挿入していたカードを取り出して部屋に入り、回転椅子に座った。
なんでこんな面倒な仕掛けになっているか、九州~中部の防衛最高主任は「本部」からいろいろな機密情報がくるから、外部の連中に漏れないようにあのように厳重になっている。 俺の部屋に侵入だけだったら殺すまでは行かないが最悪、情報を見られたら殺さないとならない。 もちろん、森本を含めて仲間も殺さなきゃならない。 そもそも、俺はそういう情報は興味はないが、一応見ているだけ。
俺はパソコンの電源をつけ、パスワードを解除して、入ってきている情報を目に通した。
「・・・。」
だが、どれもつまらないものばかりで、化物の有力情報はまったく無い。 どれも、海外のテロリストや密輸組織の情報しかない。 表では「本部」の事を知っている人間は知らないが裏ではテロリストと密輸組織の壊滅させる抹殺隊、敵組織にまぎれたスパイ、暗殺者。 俺達みたいな表向きは普通の一般人みたいで裏は極秘で動き化物を殲滅させるのが特務隊。 一見、正義の味方に見えるが連中は人を殺すの躊躇わない。 たとえ、それが民間人が人質されても連中はまとめて殺す。 俺たちは正義でも、悪でもない。 任務の遂行のためなら、民間人を殺すことを躊躇わない・・・そんな連中だ。
「はあ・・・。」
俺は少し、ため息をついた。 ベットに寝ようとパソコンの電源を落そうとしたら、さっき森本が渡した第三調査部隊の報告書類が視線に入った。 寝る前に見ようと俺は手に取り、報告書類を目に通した。
「・・・ふっ。」
報告書を見て俺は少し口を歪めて笑った。 何だよ、本部よりコッチの方がいい情報じゃあねえか。
「こうしてはおられん。」
俺はパソコンの電源を落し、椅子から立ち上がって急いで部屋から出て行って、再び司令室に戻った。
「ん? どうした?」
「鉄、悪いがしばらく留守を頼んだ。」
「はあ? 何言っているんだ? まだ、お前専用機の修理が出来てないぞ。 まあ、あと三分程度で済むが・・・。」
森本は言いかけたが、俺はすぐに司令室から出て行った。
「おい、待てよ!」
森本は呼び止めようとしたが、俺は止まることをせず格納庫に走った。
「ん? どうしたの、主任? そんなに急いで。」
と、格納庫に入ったらアルンのそばにいる女のような男が声をかけた。 男はここの格納庫の整備長の飛月 三多朗。 顔や体型が女みたいで、よく女だと間違えられるけど本人はあまり気にしてない。 腕はかなりよくって、軽い修理なら一人で一時間以内に修理できる。
「アルンの修理は終わったか?」
俺は一応聞いてみた。 もし、修理ができてなかった困るからだ。
「ああ、今丁度、終えたところ。 急ぎのようか?」
「その通りだ。」
俺は頷き簡潔に答えたら、アレンの上に乗った。
「システム、起動。」
―システム起動、確認。 ブーストエンジン、モードチェンジ、出力安定、異常なし。 発進準備オールOK―
すると、足が固定されて少し空中に浮いてキュイイーーーンっとエンジンの音がした。
「よし、行くぞアルン!」
―ラジャー―
言った瞬間、発進してあっという間に格納庫からでて本拠地から離れて、目的地・・・K奈川に向かった・・・。
「はあ・・・やれやれ、自分が主任と言うことを分かっているのか?」
「あの・・・副主任。」
「主任はいつもあんな感じなのですか?」
「いや、大抵アイツは目的がない限り、勝手な行動はしないさ。 ま、いつも単独で任務に行っているから気にしないけどな。」
「・・・。」
「そんなあきれた顔すんなよ。 慣れたら、気にしないしな。 ほら、自分の仕事に戻れ。」
(・・・瞬、いくら孤児院の仇の為でも、お前が死んでしまえばそれは無になるだけだ。 だから、あまり無茶はするなよ。)
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