2025/04/04 11:49 |
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2009/03/04 21:31 |
可能性 |
―風呂場―
チャプ・・・。
「ふう・・・。いい湯だな。」
僕は少し熱いような気がするけど、ちょうどいいぐらいの湯加減だ。
「瞬、入るぞ。」
「うん、いいよ。」
ガラ。 ブブウゥーー!!
「ちょ、ちょっと父さん!ちゃんと隠して入ってきてよ!!」
「いいじゃないか、男同士じゃないか。」父さんはケラケラ笑った。
「もう・・・ちゃんと隠して入って来てよね。」
「そう怒るな、おまえとは久しぶりに風呂はいるのだから。」
「あれっ、そういや・・・そうだね。えーと・・・1年ぶりだったけ?」
「まあ、そのぐらいだろう。」と言いながら体を洗い始めた。
そしてしばらくして。
「なあ、瞬。」
「何、父さん?」
「今日、何かあったのか?なんか涼たちが先に帰ってきたけど。」 父さんは話にかけてきた。
「・・・うん。実は・・・。」僕は今日の出来事を父さんに話した。
「・・・そうか、そんなことがあったのか。」
「うん。ねえ、父さん。十二族の幹部に仮面をつけた女ている?」
「仮面?いや、そんな奴いないよ。 第一、十二族の幹部が仮面なんかつけても意味無いぞ。 棟梁は幹部を全員を知っているはずだ」
「じゃあ、あの仮面の女は十二族とは無関係?」
「うーん・・・。」
「可能性と言えば二つある。しかし、その可能性はかなり低い。」と真剣そうに言った。
「それは?」
「まず一つ、体・精神を操ること。しかし、棟梁にはそんな力など持たない。」
「どうして?」
「棟梁の役目はあくまでも世界の管理だ。たとえ持ってたとしてもその力は抹殺されるだろう。」
「そうなんだ・・・。」
「そして二つ目なんだが、これをやった奴は前代未聞だな。」
「それは?」
「・・・異世界の人間に俺達の暗殺を頼んだ。」
「え?異世界?」
「そうだ。他の世界じゃ争いだってあるし、戦争もある。たぶんその世界の者に頼んだろ。 しかし、こんな事をした奴は、いや族は永遠に弱者と言う汚名をきるだろう。」
「・・・」 僕はしばらく黙った。
「・・・父さんはどっちだと思う?」
「どちらかと言うと、異世界の人間のほうかな。確信は無いけどな・・・。」
「・・・」
「瞬?」
ボチャン。ブクブク・・・。
「って、瞬!のぼせているじゃないか!」
「おい、瞬!大丈夫か!?おーい!」
翌日
―陸南中等学園 下駄箱―
「それにしてもびっくりしたよ。お兄ちゃん、のぼせちゃうんなんて。」
涼はニコニコしながら言った。
「そんなニコニコ顔で言わないでくれ・・・。」
「にいにい、長風呂はいけないよ。」
「今度から、気をつけるよ。・・・ハァ」
(昨日の疲れ取れていないのかな・・・とほほ。)
と、がっくり肩を落とした時、
「おはよう、桜咲さん。」
後ろから声がして、僕は振り向いた。
「君は・・・たしか、智東さん・・・だったけ?」
「はい。 あ、私のことは真奈美て呼んでください。苗字で呼ばれるとちょっと・・・。」
「うん、わかった。」
「じゃあ、また後で。」
と言って彼女は教室に向かった。
(って、あれ?)
そして僕はあることに気づいた。
(彼女からの殺意が・・・消えている?)
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