2024/11/24 17:26 |
[PR] |
2009/08/06 22:52 |
告白(中編)2 |
―陸南中等学園 屋上―
現在。
二つの手紙の内容は簡単に「放課後、屋上に来て下さい。」と書かれていた。 それで放課後、僕は一足先に屋上に向かって数分後に、手紙の差出人の二人の女の子が来た。
一人は、僕の友達の一年生で図書委員の音河 逢。彼女とは図書室でよく会うし、仲もいい。 前髪で目を隠しているから、目は見たことが無い。
もう一人の子は鮮やかな深緑のショートヘアの知らない女の子。しかし、なぜか彼女を見たら背筋がゾクっと来た。
そして「「付き合ってください!」」と言われた。
「あ~・・・。」 僕は視線を逸らした。
告白される時は、一人なのに今回は二人一緒なのでどう言ったらいいか少し、戸惑った。
「じゃあ・・・音河さん。」 僕は戸惑いながら音河さんに顔を向けて言った。
「は・・・はい!」
音河さんはびっくりしたのか、頬が赤くなっていた。そして、少し間を空けて僕は言った。
「ごめんね・・・音河さん。」 僕は彼女の告白を断った。
そしたら、彼女はがっかりとした顔をして、顔を下に向けた。
「そ・・・そうですね・・・迷惑、でしたよね? 嫌いに・・・なりますよね?」
彼女は悲しそうに言った。 ちょっと可哀想だったから僕は口を開いた。
「ううん、全然迷惑じゃあないよ。 それに僕達、友達でしょ?嫌ったりなんかはしないよ。」
彼女を励ます。
そしたら、彼女は顔を上げ嬉しそうな顔をした。
(あとは、この子なんだけど・・・。) 僕は音河さんの隣を見た。
「あの~・・・君、名前は?」
と名前を尋ねたら、彼女はキョトンとした顔をした。
「もしかして・・・覚えてないの、ボクの事?」
「いや・・・覚えているって・・・君の事なんか全く知らないし。」
彼女は僕の事を知っているようだ。 だけど僕はこの子の事は知らないし、見覚えも無い。
そう言ったら、彼女はなぜか笑った。 そして、僕はその笑顔を見たらまた背筋がゾクっと来た。 そしてふと気づいた。
(・・・何故だろう・・・この感覚、前にもあったような気が・・・。)
そう考えていたら、彼女はスカートのポケットから一つの写真を取り出し、僕に渡した。
「これ見たら、絶対思い出すよ。」
と顔をニコニコしながら言ってきた。僕は首を傾げて、彼女の持っている写真を見た。
「・・・ッッ!!!」 写真を見た瞬間、僕は思わず悲鳴を上げそうだった。
隣いる音河さんは、頭に?マークを浮んでる顔をしている。
「こ・・・この、写真って・・・。」
僕は全身をガクガク震わせながら言った。 写真に写っているのは、背中まで届いているうすい水色をした髪、黒色のやけに短いスカートのゴスロリ服と頭の右側に小さな黒帽子、涙目でうるうるしている綺麗な瞳、白い肌に滑らかな唇、まさに美少女とも呼べる女の子なのだが・・・これ僕だ。
(ああ・・・いやな記憶が覚えだしてきた・・・もう、覚えだしたくもない記憶が・・・。)
僕は一人寂しいそうに、心の中で呟いた・・・。
- トラックバックURLはこちら