2024/11/24 01:23 |
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2009/02/04 16:46 |
変わらない夕暮れの道 |
―TAKARA―
僕は朝、母さんに渡された買い物メモを見ながら買い物をしていた。 このスーパーは町の中じゃあ一番大きなスーパーであって、特売や半額商品が週に一度やっていて主婦達には大人気のスーパーだ。
「えーっと、あとは・・・、にんじん二つとネギと・・・、バリバリくん?」
僕は思わず声を出してしまった。
(なんだそれ?そんなものここにあったけ? たしか、母さんがたまに買ってきたものだっけ。)
でも、実際は実物を見たことも無くどんな物なのかは知らない。 というか、あったっけ? こんなの? テレビのCMにも出た記憶もないし見たこともない。 僕が深く考えてる時だった。
「あれ?もしかして、瞬ちゃん?」
「え?」
突然、後ろから女の人の声がして後ろに振り向いたら、長髪で水色の髪をした女の子がいた。 どこか見覚えがある人物だった。 だけど、僕はすぐに思い出した。
「もしかして・・・、林ちゃん!?」
僕が言ったら、女の子は微笑んだ。
「やっぱり瞬ちゃんだあ。久しぶりだねー。」
「うん、久しぶりだね。」
彼女は草原 林。僕の幼稚園の時からの幼馴染みだ。 隣近所で仲がとってもよかったけど、二年前、彼女の父親の急な転職のため引越ししていった子。
「どうして、ここにいるの?」
「また、お父さんの転職でこっちに帰ってきちゃった。 瞬ちゃんと会うの楽しみにしていたけど買い物があってここに来たのだけど、まさかここで、瞬ちゃんと会えるなんてね。」
「うん、よかったね林ちゃん。」
「うん、また瞬ちゃんや涼ちゃんや洋ちゃんに会えるんだもん。」
「そうだね。 きっと、涼たちも喜ぶよ。 あ、そうだ。バリバリくんってどこにあるの?」
「それなら、お菓子置き場にあるよ。」
と林ちゃんはお菓子置き場の方に指を指した。
「あたしも、それを買いに来たの。一緒に行こう。」
「うん。」
僕たちは、お菓子置き場の方へ行った。どうやら、バリバリくんはチョコレートだったらしい。でも僕は、このお菓子について物凄く言いたい事がある。チョコレートは、絶対にバリバリ言わない。
「ありがとうございます。」
店員に見送られた僕たちは外に出てた。 すると、林ちゃんは買い物袋からバリバリくんを取り出してその袋をあけ、食べ始めた。
バリ!バリバリバリ・・・。
「おいしいね。瞬ちゃん。」
「そ、そうだね・・・。」
僕は思わず苦笑いした。 それに対し林ちゃんはおいしそうにバリバリくんを食べていってる。
(本当バリバリ言ってるし・・・。)
僕は、少々落ち込んでしまいそうだった。 しかも、バリバリくんの札の所に「大人気!」って書いてあって正直な所、これ本当に人気あるの?て思ってしまった。
「それにしても、全然変わってないねぇ。町の様子。」
「え? ああ、そうだな、もう二年も経つのに変わってないね。」
ほんと何も変わってない。二年前も全く同じだ。 僕達が小さかった頃からこの町は殆ど変わってはいない。 昔のまんまだ。 平和で、豊かで、暖かい・・・僕はこんな町が好きだし、永遠に続いてほしいと思っている。
しばらく歩いたら、公園があった。 そこで子供達が遊んでいた。
「わあ、なつかしいねぇ、この公園。まだあったんだ。」
この公園は、小さい頃に僕や涼や洋、林ちゃんとよく遊んだ場所でもある。 みんなで鬼ごっこやままごとやいろんな思い出がつまった場所でもある。
「うん、今はあんまり子供たちは。 ほんと、懐かしいな。」
最近、新しい公園とかできたからここに来るのは近所の子しかあんまり来なくなってしまった。
「ねぇ。瞬ちゃん、覚えてる?」
と、林ちゃんが突然話してきた。
「あたしが転んで、瞬ちゃんがおんぶして、おうちまで運んでくれたの。」
「ああ、覚えてるよ。あの時は林ちゃん、ワアンワアン泣いていたからね。」
それは覚えがある。 僕と涼と洋と林ちゃんで鬼ごっこをしていて途中、林ちゃんがこけて大声で泣いちゃって、膝から血が出ていて僕が林ちゃんをおんぶして林ちゃんのおばさんの家まで行った
「ふふ、そうだね。」
僕たちは微笑みながら昔の話をして、再び歩き始めた。
それから、数分間歩いたら林ちゃんが立ち止まった。
「あ、あたしここだから。」
林ちゃんは指を指しながら行った。 家は僕の家よりちょっと小さめな二階建ての家だった。
「あれ、ここからだったら、僕の家すぐ近くだよ。」
林ちゃんの家は僕の家と歩いててニ~三分、走ったら一分程度ぐらいでかなり近いの距離だった。
「そうなの? でも残念。 また隣だったらいいな。」
「すぐ近くだから、また会えるよ。」
「うん、たまにここに来てね。 お父さんも待ってるから。」
「うん、わかった。それじゃ。」 「またねー。」
お互い、笑顔で手を振って、分かれた。 しかし、本当に懐かしかったな・・・二年前、林ちゃんがこの町を去った時、林ちゃんとはもう会えないかと思っていたけど、また会えるとは本当に嬉しい。
―桜咲宅―
日が半分以上沈んでいく中、僕は家に帰ってきた。
「ただいまー。」
「おかえり。」
「あれ?涼たちは?」
「そこよ。」
母さんが指した先は、ソファーでぐっすり寝ていた涼たちだ。
「寝ちゃったの?」
僕は買い物籠を母さんに渡して、涼たちのそばに寄りながら言った。
「瞬が帰るの遅いから寝ちゃったわ。」
「じゃあ、お父さんを呼んできて。 厨房のほうに居るから。」
「うん、分かった。」
そう言って部屋を出た。 父さんは厨房の机の上を
―五分後―
「じゃあ、みんなそろったことだし。食べようか。」
「「「「いただきます!」」」」 「ワン!」
「ねぇ、父さん。」
「何だ?」
「明日、休みだからさみんなで出かけようよ。」
と涼が言った。
「うんそうだな。 二日間、店休んでみんなとどこか出かけようか。」
「「そうしょう!!」」 「ワン!」
「じゃあ、明日のお弁当作らなきゃね。」
そのとき僕は、思わず笑っちゃいました。
(明日か・・・。楽しみだな。 明日も変わらない一日でありますようにと、願っておこっか。)
僕は幸せそうにそんなことを考えていた。 しかし、その願いは通じることは無かった。 僕はまだ知らなかった。 明日からこの世界が・・・急激な異変し始めることを・・・。
僕は朝、母さんに渡された買い物メモを見ながら買い物をしていた。 このスーパーは町の中じゃあ一番大きなスーパーであって、特売や半額商品が週に一度やっていて主婦達には大人気のスーパーだ。
「えーっと、あとは・・・、にんじん二つとネギと・・・、バリバリくん?」
僕は思わず声を出してしまった。
(なんだそれ?そんなものここにあったけ? たしか、母さんがたまに買ってきたものだっけ。)
でも、実際は実物を見たことも無くどんな物なのかは知らない。 というか、あったっけ? こんなの? テレビのCMにも出た記憶もないし見たこともない。 僕が深く考えてる時だった。
「あれ?もしかして、瞬ちゃん?」
「え?」
突然、後ろから女の人の声がして後ろに振り向いたら、長髪で水色の髪をした女の子がいた。 どこか見覚えがある人物だった。 だけど、僕はすぐに思い出した。
「もしかして・・・、林ちゃん!?」
僕が言ったら、女の子は微笑んだ。
「やっぱり瞬ちゃんだあ。久しぶりだねー。」
「うん、久しぶりだね。」
彼女は草原 林。僕の幼稚園の時からの幼馴染みだ。 隣近所で仲がとってもよかったけど、二年前、彼女の父親の急な転職のため引越ししていった子。
「どうして、ここにいるの?」
「また、お父さんの転職でこっちに帰ってきちゃった。 瞬ちゃんと会うの楽しみにしていたけど買い物があってここに来たのだけど、まさかここで、瞬ちゃんと会えるなんてね。」
「うん、よかったね林ちゃん。」
「うん、また瞬ちゃんや涼ちゃんや洋ちゃんに会えるんだもん。」
「そうだね。 きっと、涼たちも喜ぶよ。 あ、そうだ。バリバリくんってどこにあるの?」
「それなら、お菓子置き場にあるよ。」
と林ちゃんはお菓子置き場の方に指を指した。
「あたしも、それを買いに来たの。一緒に行こう。」
「うん。」
僕たちは、お菓子置き場の方へ行った。どうやら、バリバリくんはチョコレートだったらしい。でも僕は、このお菓子について物凄く言いたい事がある。チョコレートは、絶対にバリバリ言わない。
「ありがとうございます。」
店員に見送られた僕たちは外に出てた。 すると、林ちゃんは買い物袋からバリバリくんを取り出してその袋をあけ、食べ始めた。
バリ!バリバリバリ・・・。
「おいしいね。瞬ちゃん。」
「そ、そうだね・・・。」
僕は思わず苦笑いした。 それに対し林ちゃんはおいしそうにバリバリくんを食べていってる。
(本当バリバリ言ってるし・・・。)
僕は、少々落ち込んでしまいそうだった。 しかも、バリバリくんの札の所に「大人気!」って書いてあって正直な所、これ本当に人気あるの?て思ってしまった。
「それにしても、全然変わってないねぇ。町の様子。」
「え? ああ、そうだな、もう二年も経つのに変わってないね。」
ほんと何も変わってない。二年前も全く同じだ。 僕達が小さかった頃からこの町は殆ど変わってはいない。 昔のまんまだ。 平和で、豊かで、暖かい・・・僕はこんな町が好きだし、永遠に続いてほしいと思っている。
しばらく歩いたら、公園があった。 そこで子供達が遊んでいた。
「わあ、なつかしいねぇ、この公園。まだあったんだ。」
この公園は、小さい頃に僕や涼や洋、林ちゃんとよく遊んだ場所でもある。 みんなで鬼ごっこやままごとやいろんな思い出がつまった場所でもある。
「うん、今はあんまり子供たちは。 ほんと、懐かしいな。」
最近、新しい公園とかできたからここに来るのは近所の子しかあんまり来なくなってしまった。
「ねぇ。瞬ちゃん、覚えてる?」
と、林ちゃんが突然話してきた。
「あたしが転んで、瞬ちゃんがおんぶして、おうちまで運んでくれたの。」
「ああ、覚えてるよ。あの時は林ちゃん、ワアンワアン泣いていたからね。」
それは覚えがある。 僕と涼と洋と林ちゃんで鬼ごっこをしていて途中、林ちゃんがこけて大声で泣いちゃって、膝から血が出ていて僕が林ちゃんをおんぶして林ちゃんのおばさんの家まで行った
「ふふ、そうだね。」
僕たちは微笑みながら昔の話をして、再び歩き始めた。
それから、数分間歩いたら林ちゃんが立ち止まった。
「あ、あたしここだから。」
林ちゃんは指を指しながら行った。 家は僕の家よりちょっと小さめな二階建ての家だった。
「あれ、ここからだったら、僕の家すぐ近くだよ。」
林ちゃんの家は僕の家と歩いててニ~三分、走ったら一分程度ぐらいでかなり近いの距離だった。
「そうなの? でも残念。 また隣だったらいいな。」
「すぐ近くだから、また会えるよ。」
「うん、たまにここに来てね。 お父さんも待ってるから。」
「うん、わかった。それじゃ。」 「またねー。」
お互い、笑顔で手を振って、分かれた。 しかし、本当に懐かしかったな・・・二年前、林ちゃんがこの町を去った時、林ちゃんとはもう会えないかと思っていたけど、また会えるとは本当に嬉しい。
―桜咲宅―
日が半分以上沈んでいく中、僕は家に帰ってきた。
「ただいまー。」
「おかえり。」
「あれ?涼たちは?」
「そこよ。」
母さんが指した先は、ソファーでぐっすり寝ていた涼たちだ。
「寝ちゃったの?」
僕は買い物籠を母さんに渡して、涼たちのそばに寄りながら言った。
「瞬が帰るの遅いから寝ちゃったわ。」
「じゃあ、お父さんを呼んできて。 厨房のほうに居るから。」
「うん、分かった。」
そう言って部屋を出た。 父さんは厨房の机の上を
―五分後―
「じゃあ、みんなそろったことだし。食べようか。」
「「「「いただきます!」」」」 「ワン!」
「ねぇ、父さん。」
「何だ?」
「明日、休みだからさみんなで出かけようよ。」
と涼が言った。
「うんそうだな。 二日間、店休んでみんなとどこか出かけようか。」
「「そうしょう!!」」 「ワン!」
「じゃあ、明日のお弁当作らなきゃね。」
そのとき僕は、思わず笑っちゃいました。
(明日か・・・。楽しみだな。 明日も変わらない一日でありますようにと、願っておこっか。)
僕は幸せそうにそんなことを考えていた。 しかし、その願いは通じることは無かった。 僕はまだ知らなかった。 明日からこの世界が・・・急激な異変し始めることを・・・。
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