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2009/08/13 15:16 |
来襲 |
―屋上―
「あれは・・・いけない! 二人とも、こっちに来て!」
僕は慌てて、彼女達を呼んだ。僕はあの亀裂を知っている。クレトアさんが言っていた、闇の死者(ダーク・デット)だ。 亀裂の中から黒い狼の手足が見え、徐々に出てき始めた
「ど、どうしたの? 急に大きな声を上げて・・・。」
音河さんは、びっくりした声で聞いてきた。霧咲は頭に?マークが浮んでいて首を傾げていた 二人は後ろの亀裂に全く気づいては無かった。 そして亀裂のほうは、すでに体が出始めていた。
「くっ! まずい!」
僕は咄嗟に彼女たちに向かって走り始めた。 幸い、そんなに距離は離れてはいなかった。
しかし、亀裂から完全に出てきた黒い獣はすごい速さで彼女たちに向かって走った。
(早い! 間に合え!)
そう思いながら走っている途中、足が躓き転んでしまった、瞬間。
「キャアアアアーーーーーー!!!」
二人の悲鳴が同時に聞こえた。 転んだ僕は慌てて顔を上げた。
「・・・間に合ってよかった・・・大丈夫か?」
そこにいたのは、彼女達を庇って黒い獣に左腕を噛まれた白いマントと薄水色の服を来た・・・父さんがいた。
「と、父さん!」
「くっ! いつまで、噛むなよ!」
父さんは右手に槍が現れ、その槍で黒い獣の腹を刺した。そしたら、黒い狼は黒い塵となっていき、消えていった。
僕はすぐに起き上がって、父さんのもとにいった。
「父さん、大丈夫!?」
「ああ・・・このぐらいの痛みはなんとも無い。 それに瞬、お前も武器を持て。 次が来るぞ・・・!」
父さんは険しい顔でい言った。 そしたら、急に無数の亀裂が現れ、黒い狼が次々出てきた。 僕はすぐさま、フィードを呼び出した。
「とりあえず、急いで一般人を避難させるぞ・・・いいな、瞬?」
「分かっているよ、父さん。」
僕はうなずいたら、フィードを逆さまにし切先を地面につけた同時に、父さんは持っている槍を上にあげた。
「「召喚(カオス)!!」」
僕と父さんは同時に召喚獣を呼んで、僕たちの後ろに二つの魔法陣が現れ、緑色の魔法陣からカゲロウ、黄色の魔法陣から竜が出てきた。
「カゲロウ、一体化!」 「ドラン、一体化!」
カゲロウは僕の剣と一体化して、フィードの形が変わった。
「まずは後ろに二人の避難が先だ! インパ・ショット!」
そう言って、父さんの槍の切先が黄色に光り、そして、黒い狼たちに目掛けて放ったら、その光が拡散して半分は当たって、もう半分が交わして、こっちに向かった。
「スパイラル・シュート!」
僕はその隙を逃さ無かった。刃に周りに風が集まり、それを黒い狼たちに目掛けて放った。しかし、黒い狼達はかわした。
「くっ!」
僕はかわそうとした瞬間。
「ヘビー・ブレイド!」
突然、上から人の声はして岩の杭が降って来て、黒い狼を貫通した。そして、その岩の杭は消え、上から人が降って来た。
「も、森本! お前、今まで何処に行って・・・!」
「話は後だ! そんなことよりも、ここは俺に任せろ! 桜咲は後ろの二人を早く連れて行け!」
「・・・わかった! 二人ともこっちだ! いそいで!」
「は、はい!」
森本に任せて僕たちは急いで屋上から出た。
―校庭―
「ハァ、ハァ・・・。」
「・・・どうやらそう簡単には逃げれないみたいだな・・・。」
僕たちは急いで階段を降り校庭まで来たが、すでに周りは、数十匹の黒い狼がいた。 その中には二匹の黒いケルベロスがいた。
「グオオオオーー!!」
ケルベロスが咆哮したら、狼が一斉に動き始めた。
「じゃあ、こっちも本気でいくぞ・・・!」
父さんは左手を上げた。
「怒れ、雷よ!」
左手を振り下ろしたら、空間から大きな雷が降って数十匹の黒い狼が消えていった。
「グルル・・・。」
「ほとんどは消滅したが・・・やはり数が多いな・・・。」
「どうする、父さん?」
僕は父さんの方を向いて言った。
「・・・しかたない、ここはあれでいくか・・・瞬は下がっていろ。」
「う、うん・・・。」
僕は二・三歩下がった。そしたら、父さんは槍を地面に刺して大きく深呼吸をして、手を握り締めた。
「いくぞ・・・ハアアァァァァーーーー!」
突然、父さんの周りの地面がヒビが入り、地面が両手に丸い電撃がバチバチと音を出しながら現れた。 そしたら黒い狼たちは、一斉に走り出した。
「いくぞ! ドラン!」
―任せろ、龍!―
「くらえ、双・豪・雷・竜!!」
父さんの右手から大きな黄色い竜が出てきて、黒い狼たちに突っ込んだ。狼とケルベロスは急いでかわしたが間に合わず、狼たちは飲み込まれるように大量に消えて、一頭のケルベロスは体半分が飲み込まれ、その場で倒れ黒い塵となっていった。
「もう一発だ!受け取れ!」
父さんはそう言って、今度は空いていた左手から大きな竜が出てきて残った黒い狼達ともう一頭のケルベロス当たった。そして、黒い狼達とケルベロスは完全に消えていった。
「ハァ・・・ハァ・・・。」
「父さん、大丈夫?」
「ああ・・・なんとかな・・・それよりも、急いでここを離れよう。」
「でも、何処行くの? ここからだと避難所まではかなり時間がかかるよ?」
と言ったら「いや、家だ。」 と簡潔に答えた。
「家って、あいつらは空間からくるし、家にいたって意味が無いじゃあ?」
「それぐらいわかっている。 だからクレトアにある事を頼んでいる。」
「?」
僕は頭に?マークを浮ばせながら首を傾げた。
「ともかく、今はこの二人を家に運ぼう。」
と、父さんは二人のほうに歩いた。二人は腰が抜けたのか座っている。
「瞬、お前はそっちの緑の髪のした女の子の方を運べ。」
そう言って、父さんは音河さんを負ぶって、歩き始めた。いや、彼は男だから。 とは言っても今はそんなこと言っている暇でもないか。 僕は父さんにばれないようにため息をしていやいやな思いで、彼を負ぶって父さんの後を追った。
途中、背中からへんな荒い鼻息をしたような気がしたが、気にせず家に向かった・・・。
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