2024/11/24 10:17 |
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2009/10/11 00:52 |
決闘 |
―???―
「・・・」
俺は一人、石で作られた馬鹿みたいに広い闘技場にいて、一人タバコを吸っていた。
「よう、桐ちゃん。 久しぶりー元気ー?」
そんな中、いつ聞いてもうっとうしいほどの気楽そうな声が闘技場に響いた。 俺はタバコを捨てて足で潰し、扉の方を見たら、チャラ助はニヤニヤ顔をしていて、こっちに歩いてきた。
「・・・そのうざったくて今すぐお前を切り落としたい喋り方・・・どうにかならんのか?」
「そう怒るなって。 しかたないだろう、俺はこういう喋り方が結構気に入っているから。」
「・・・お前は昔から本気ではない時は、そういう喋り方しかしないだろうが。」
「まあそうだけどねー。 特に、戦闘の時の俺はほかの事は一切考えてないからね~。」
チャラ助はニヤニヤ顔で言ってきた。 今すぐこの場でコイツを斬りたいと思っている。
「・・・お前、その気楽そうな喋り方どうにかならんのか・・・。」
俺は思わずため息をした。
「無理無理。 だって俺、この喋り方気に入っているし。 それに、桐ちゃんやのぎちゃん、洞爺の旦那なんかちっとも気楽じゃあないじゃん。 それに、亥族の間の空気って痛いんじゃ、いろんな意味で。」
チャラ助はめんどくさそうな顔をして手をブラブラと振りながら言った。 じゃあどっかに行っていろよ。
「・・・それで? ここに呼び出したのは、そんなことなのかな?」
「そんなわけあるか。 これ以外に俺がお前を呼ぶわけがないだろう。」
俺は即答に答えたら、大剣の刃をチャラ助に向けた。 そしたら、チャラ助は驚いているようなわからないような顔をキョトンっとした。
「ふーん・・・桐ちゃんからそう言ってくるとは・・・明日は変なものでも振るのかね・・・。」
チャラ助は何かを呟いたら、両手から武器が現れた。 その武器は剣の形をしているが、銃にも変形ができる銃剣だ。 コイツの射撃力はマキより上ではないが、かなりの凄腕だ。 チャラ助が武器を取ったその数秒後、また扉が開いた。
「悪い、そろっているか?」
走ってきたのか真道は、少し息が荒くなっていた。
「ああ、大丈夫だ。 審判の方を頼むぞ、真道。」
「ああ。 それにしても珍しいな、お前から卓志とやるとはな・・・。 何かわけありか?」
「・・・。」
俺は無言で首を動かさず、位置に付いた。 まあ、わけありは本当だけどな。
「まあ、いいけどね。 制限時間は五分だ。 召喚獣を呼び出すのはなしだ。 致命傷はちゃんと避けることを考えてくれよ。」
そう言って、真道は突然足元に現れた魔法陣の光に包まれて消えた。 審判は基本的に別の場所で戦いをみて、時間が着たらここに戻るのだ。
「さ~てっと、早速はじめようぜ。 桐ちゃん。」
「・・・。」
俺は表情を変えず、ただディムロを握り締めて構えている。 そしたら、チャラ助が声をあげた。
「おやおや? 桐ちゃん、はじめから本気モードですか? ハァ・・・今回は最初はゆるきでいって最後に本気モードのスイッチを入れようと思ったけど・・・やれやれ、桐ちゃんが最初に本気をだすのなら・・・。」
チャラ助はふうーっとめんどくさそうに息を吐き、藍色サングラスをはずし、胸元のポケットの中にいれ、ゆっくりっと目を開けた。 その目は気楽そうな目ではなく、本気の目だった。
「・・・俺もはじめから本気で行こうか。」
急にチャラ助の声もがらりと変わった。 ふざけていた口調もさっきまでニヤニヤ顔も跡形も消えて無くなったかのように・・・いや正確には死んだかのようにがらりと変わった。 そして、何十秒かは分からないが、お互いは目を逸らさず、睨みあって構えていた。
「・・・はじめ。」
どこから、真道の声がしたら、俺とチャラ助は一瞬で前大きく前に出てお互い剣を強く、そして速く振り下ろした。 剣と剣のぶつかり合いながらも俺もチャラ助は目を離さずにらみ合っていた。 そうしていたら、チャラ助は剣を擦るかのように滑らせて体を右に動かして大きく後ろに跳んだ。 跳んでる最中、剣が形を変え銃になっていた。
「氷結弾、セット。 シュート!」
そしたら、チャラ助の周りから無数の水滴が現れ、刃の所に一秒もせず集まって氷の塊ができ発砲されたが、俺は回避した。 氷は壁に当たった瞬間、トマトを思い切りぶつけたかのように氷が広がった。 奴が使用している弾は氷結。 魔力で空間から無数の水滴を現れ、一瞬で刃の所に集まって一瞬で氷になり、いろんな物にもなれるから俺にとっては厄介だ。 チャラ助は一回転して、地面についた瞬間。
「瞬走(ハイ・プッシュ)!」
俺はその場から消えるかのように消え、チャラ助の背後をとった。
「ふっ!」
大剣を振り下ろした瞬間、チャラ助はくるっと体を回転させ、二本の銃剣で防ぎ押し返して、その場から後ろへ下がったら、右手にある銃剣を地面に刺した。
「氷結爆弾!」
チャラ助は右手を広げたら、手の周りから無数の水滴が現れ、集まっていき氷の爆弾(見た目は氷の塊)ができ、それを俺に向かって投げてきた瞬間、俺はディムロを地面に刺した。
「岩の壁(ストーン・ブロック)!」
突如、俺の前から岩の壁が現れた瞬間、爆発する音が聞こえたと同時に、岩が氷にになっていき、やがてパリーンとガラスのように割れていった。 しかし、前にはチャラ助の姿はなかった。
「氷結弾・連射!」
上空の背後からチャラ助の聞こえた瞬間。
「瞬走(ハイ・プッシュ)!」
俺は急いでその場から移動したら、チャラ助は俺を狙いながら氷結を連射をしてきたが、すでに遅かった。 俺はチャラ助の背後にいた。 チャラ助は慌てながら、体を回しながら銃剣を横振りをしたが、それを剣で防いだ。 だが、チャラ助は今度は反対回転をしてきた。 俺は慌てて、後ろに下がって、剣を振り下ろしたら、両手にもっている銃剣で防いだ。 お互いは剣と剣との押し合った。 すると、チャラ助の口が歪んだ。
「さすが、洞爺の旦那の息子だ! やっぱり、俺はアンタと戦うのが楽しいぜ! 腕が震えるほどな!」
そう笑いながら叫んだ。 やがて、剣と剣は終えて二人距離をとって地面についたら。
「氷結・集!」
チャラ助は剣を上に上げて叫んだら、周りの壁や地面の氷の小さな欠片はキラキラと光りながらチャラ助の剣の真上に集まっていきどんどん大きくなっていって、大岩のサイズまで大きくなった。
「氷結岩! かわしてみるのならかわしてみろ! 斬れるものなら斬ってみな!」
そう叫びながら、剣を振り下ろしたら大岩になった氷の塊は速くも遅くもない普通の速さで落下してきた。 あの速度だったら簡単にかわすことはできる。 しかし、俺はこれをかわす気はまったくない。
「集中・・・。」
そう・・・俺はあの大岩の氷の塊を斬ろうとしていた。 目を閉じディムロを両手で強く握り締めて、剣の刃のところに魔力を集中させた。 そしたら、刃から白いオーラが出てきた瞬間、目をくわっと開いた。
「うおおりゃあーーーー!!!」
俺は咆哮しながら、白いオーラがでた大剣を思いっきり振り上げた。 そしたら、氷はゆっくりと真っ二つになっていき、砂埃が凄い勢いであがった。
「うおッ! 本当に斬りやがったぜ、アイツ・・・。」
と、チャラ助が驚いている中、俺は瞬走(ハイ・プッシュ)で、奴の背後に入ったら。
「・・・。」
「・・・。」
いつの間にか後ろに向いていて銃剣の刃を俺の顔に向けていて、俺も同じで大剣の刃をチャラ助の顔にむけていて、お互い、その場に動かずそして睨みあっていた。 砂埃がはれたと同時にパンパンと手を叩く音がした。
「勝負は引き分けだ、お前達。 五分過ぎたぞ。 武器をしまえ。」
真道はいつの間にか戻っていた。 俺達は真道の言うとおりに武器をしまった。 正確には一瞬で消えただけ。 チャラ助は息を吐いたら、ポケットにしまっていた藍色サングラスをかけた。
「いや~すんごかったねえ。 まさか、本当に斬るとは思わなかったよ桐ちゃん。」
チャラ助はまたいつものようにニヤニヤ顔で気楽そうに喋ってきた。 さっきまでの本気は死んだかのように消えていた。
「あれって、結構固いよう? 桐ちゃんだって知っているだろう? 俺の氷結弾は特殊な物質で、できていてさらに魔力をこめているから、ダイヤモンドの三倍ぐらいの固さだよ? しかもあんなでっかくなっているからさらに固いって言うのに・・・どうやって、真っ二つにしたの?」
「・・・知るか・・・。」
俺は適当に言葉を投げ捨てた。
「まあ、ともかく二人ともお疲れさん。」
真道はそう言って、いつの間にもっていたのか両手にもっていた水のペットボトルを俺たちに投げた。
「あんがとうよ、のぎちゃん。」
チャラ助は、真道に礼を言ったらすぐにふたを開け水を飲んだ。
「・・・。」
「ん? 飲まないのか、洞豪?」
「・・・いや、飲む。」
俺はゆっくりとふたを開けた。 俺はある事を考えていた。
(このままじゃ・・・駄目だ・・・。 俺はもっと強くならないといけない・・・。 アイツを倒す為に・・・。)
俺はそう思いながら、水を飲んだ・・・。
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