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新者の雑記置き場

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2009/12/18
23:51
滅び去った国の生き残りの戦士達(前編)

―過去 カチア王国 東門―

夜の中、町は明るく、人はにぎやかに騒いでいた。 そんな中、東門の方に一頭の馬に乗った青年の側に一人の女の子がいた。 

「それじゃあ行って来る。 私の留守の間、しっかり町のみんなをを守ってやってくれ、シオン。」

「はい、わかりました。 クレトア隊長。」

「今は、そんな風に呼ばなくてもいいよ。 今はクレアでいいよ。」

「はい、クレア。 しかし・・・ここからバルノオ王国はずいぶんかかるけど・・・大丈夫?」

シオンは少し不安そうに言った。 このカチア王国からバルノオ王国は二日はかかる。 早く行っても一日半はかかる。 それに今は夜で賊が出てきてもおかしくは無い。 だが、クレトアはハハッと声を出して笑った。

「シオン。 私を甘く見ないでね。 これでも「エグリス」の隊長なんだから、族に襲われても平気だよ。 君に心配する必要は無いよ。」

「ふふっ、そうね。」

シオンがそう微笑んだら、後ろから二頭の馬にそれぞれに乗っている二人の少女が来た。 一人はシオンの親友のナルシファ・レドン・ヴォルヴ、もう一人はシオンの双子の妹クオン・フィーグ・アルファシアである。

「クレトア隊長。 そろそろ。」

「クオン。 体には気をつけるのよ。」

「うん、わかってるよ。 姉さんは心配性なんだから。」

「それじゃ、シオン。 留守を頼んだぞ。」

「はい、クレアもナルも気をつけてね。」

「うん。」

「よし・・・出発する!」

そう言って、クレトアが言って乗っていた馬が走り出したと同時に後ろにいた二頭の馬も走り出した。 二人の門番は三人を敬礼をしながら見送った。

「・・・さて、私は町の見回りでもしてこよ。」

そう言って、彼女は体を反対に向けたら何処からか、声が聞こえた。

「シオン。」

「何でしょうか? ガーヴェルトさん。」

「何やら、西門に怪しい奴がいる。 お前、暇なんだったらこっちに来てくれないか?」

「はい、分かりました。」

そう言ってシオンは、近くに止めてあった馬に乗り西門に急いだ。


~西門~

「来たか。」

そう言ったのは、門のそばにいた渋い顔をしていて体がごつい男、ガーヴェルト・ディッシュだった。 彼は第一竜騎士隊「ドラッグ」の隊長で「鬼神の男」と呼ばれていて彼に憧れる兵も多くも無いがいる。

「ガーヴェルトさん。 怪しい奴って?」

そう言うと、ガーヴェルトは無言で指を指して、シオンはそっちの方に顔を向いた。 指した先は、門番の二人が黒い服に黒いフードをかぶった少々小柄の男と話していた。 シオンは少々怪しいと思った。

「門番が話しかけてもなにも喋らないし、少々怪しいと思ってな。三人ほど兵を呼んだんだ。」

シオンは三人の兵のほうを見た。 よほど、暇なのか壁にもたれ、二人は喋っていて、一人は大きなあくびをしていた。

「・・・ここに。」

すると、男が喋ったらシオンやガーヴェルト達は一斉に男の方を見た。 今の声はどちらかというと、子供に近い声に聞こえた。

「ここに「天使の殺人鬼」はいるか?」

男がそう言ったら、シオンの眉がピクッと動き、みんなは一斉に黙った。 「天使の殺人鬼」はシオンの事で、彼女は幼いが何十回も戦場に出て何百人の敵兵を殺していて、味方では「白銀の闘士」と呼ばれているが、敵では「天使の殺人鬼」と恐れ呼ばれていた。 もちろん、シオン自身もその名前は気に入らないし、聞いた途端機嫌が悪くなり相手を睨むことがある。

「・・・私だけど・・・何か用かしら? 用がないのなら消えて・・・私の前に二度と出てこないで。」

彼女は男を睨んだまま前に三歩出て言ったら、門番は男から下がった。

「・・・お前の腕を確かめたい。」 と、短く言った。

「私の腕を・・・?」

男は黙って頷いた。

「・・・いいわよ。 ちょうど今、怒っていた気分だったから・・・。」

そう言って、彼女は刀柄を出して握り締めたら、光の刃が出てきた。 一方、男はなにも出さずに、ただじっとしていた。

「武器は持たないの?」

「・・・今のお前では、右腕だけ十分だ。」

「私を・・・なめるなっ!」

シオンは地面を蹴り、男に突っ込んで行き剣を横に振ったが男は軽くかわしが、シオンは攻撃を止めなかった。 剣を振り続けたが、男は簡単にかわし続けた。 やがて、男は小さく息を吐いた。

「こんなものか・・・がっかりだな。」

男は呟いたら、シオンから二歩ほど距離をとった。 シオンはそれを見逃さず相手に突っ込んだが、急にシオンの体から振動が走った。 男の右手の拳がシオンの腹の真ん中に入った。

「がっ!」

シオンは物凄い勢いで、後ろに吹っ飛ばされ門柱に激突し、ちいさいクレーターができた。

「シオン!」

ガーヴェルト達は慌ててシオンのもとに行った。 幸い、頭は打ってはいないが体を強く打って背中がかなり痛む。

「・・・弱い・・・弱すぎる・・・。」

「貴様ッ!」

一人の兵が側にあった槍を手に取り、男に突っ込んだ。

「よせ!」

ガーヴェルトは慌てて止めたが、すでに遅かった。 兵の前に急に男が現れ、手を拳にし、兵の体を刺さった。 

「・・・存在しても無駄なちいさいゴミには用はない。」

男はそう呟きながら、体から拳を抜いたら刺した所からトポトポとこぼれていき、倒れた。 男の手は血まみれで、男の右手には兵の心臓を握っている。 それを見た二人の兵が口を覆った。 ふたりは血は慣れているが生の心臓を見たら流石に耐えれなかった。

「き・・・貴様っ・・・!」

ガーヴェルトもさすがに驚きは隠せず、少し震え声が出た。 しかし、男はガーヴェルト達に目もくれず両腕を広げ、空を見上げた。

「・・・やはり、この世界はゴミだな・・・闇はあるが・・・小さすぎて、ないも役には立たない・・・。」

「何を言っているのだ・・・こいつ?」

そう兵は言ったら、男は血まみれの生々しい心臓を握りつぶした。 兵達は「ひっ!」と悲鳴を上げて半歩下がった。 ガーヴェルトは無言で動じてはいなかった。 

「・・・我を止めたいのなら、止めて見せよ・・・。 これより・・・第二最終計画を・・・始める。」

そういった瞬間、男はその場から一瞬で消えて一人の兵の後ろにたっていた。 みんなは気づいたのか後ろを向いたが遅かった。 男は右足で回し蹴りをしたら、前に居た兵の上半身が剣で切られるかのように吹っ飛ばされて下半身から血が噴出した。 男の後ろにいた二人の兵は腰にあった剣を抜き、一斉に男を切ろうとしたらが、男はきえた。 兵たちは周りを見よう瞬間。

「後ろだー!!」

ガーヴェルトが叫んだがすでに遅く、男は後ろから回し蹴りをまともに頭部くらい、頭がバラバラに吹っ飛んで首から血が噴射し、その場に倒れたが血がどくどく出ていた。 ガーヴェルトは舌打ちをした。 

「すぐに王に伝えろ! 全兵をここに集まらせて、民間人は速やかにここから離れされろ! ここは俺に任せろ!」

「は・・・はい!」

「・・・必要は無い。」

「!!」

男はそう呟いた瞬間、いつの間にか兵の側にいた。 兵は驚いたのか半歩下がろうとしたら、男の後ろ回し蹴りが顔に当たり顔がバラバラに吹き飛んだ。 そしたら男の体が倒れようとしたら、胸倉をつかんで町中に思いっきり放り投げた。

「・・・。」

そして男は、無言でゆっくりとガーヴェルトに視線を向けた。

「・・・1分だ・・・1分だけ、我は攻撃をしない・・・よく当てて見せよ・・・ゴミよ・・・。」

「く、うおおおおーーーー!!!」

男はガーヴェルトの方に向いてにやっと挑発するような笑いをしたら、ガーヴェルトは腰にあった剣を抜き、地面を蹴った。

「仲間の無念、今ここで晴らす!!」

そう言って、剣を振り下ろしたが男はそれをかわした。 ガーヴェルトは剣を何度も振ったが、みんなかわされてた。 彼はついには剣を投げたが男は笑うかのように避けた。 だが、その時ガーヴェルトの右手が真っ赤に燃えていた。

「消え失せろーーーーー!!!エクス・プロト・バスター!」

ガーヴェルトは真っ赤になった右手を突き出したら、炎の太いレーザーのように放射された。 だが、男はなぜか避けようとする気配はしない。 そして、男は何もしない内に炎を食らった。

「ハァ・・・ハァ・・・。」

ガーヴェルトは、手をひざに置いて息を荒く吐いた。 さっきの技は、強力の変わりに強い反動を起こしてしまうからすこしの間は体は動けなかった。 だが、彼の顔は少し笑っていた。 男が死んだことに喜んでいたのだ。
あれをまともに受けたらふつうの奴は死んでいるっと思っている。 ゆっくりと顔を上げたら、ちょうど炎が晴れた。

「!」

そして、ガーヴェルトは驚愕した。 男は絶っていて右手を出していて、黒い炎が出ていた。 だが、彼が驚いているはそこではない。

「ば・・・バカな・・・む、無傷だと・・・!」

そう、男の体はかすり傷も一切無く無傷のままである。 それどころか男の服にも燃えても無かった。

「・・・そのまま返す・・・消え失せろ・・・。」

そう言って男は黒く燃えている右手で拳を作り、右手を思いきり突き出したらガーヴェルトと同じように黒い炎が太いレーザーのように放射された。 ガーヴェルトさっきの反動で避ける術も無く、まともに直撃した。

「ぐおおおおおおーーーーーーー・・・・・・!!!」

ガーヴェルトは絶叫していて、やがて声がどんどん小さくなっていきついには、聞こえなくなった。

「うっ・・・ガー・・・ヴェルト・・・さん。」

「・・・ほう・・・あの一撃でよく立てるな・・・。」

男はあざ笑うかのように言ったら、シオンはキッと男を睨んだ。

「あ・・・アンタは・・・一体、何者なの・・・?」

「・・・我は・・・テロリスト・・・「シグマ」のリーダー、キリアだ。」

男は名を名乗ったその数秒後、門の方に荒い音がした。 シオンは門の方を見たら、数十人の兵たちが走ってきた。 空には、この国の竜騎士隊も来た。

「怪我は無いか、シオン?」

一人の兵がシオンに駆けつけた。

「わ、私はともかく・・・ガーヴェルトさんが・・・。」

シオンは黒く燃える炎の方を見た。 しかし、すでにガーヴェルトの姿は何処にも無かった。

「・・・無駄だ、あの炎を喰らえば死ぬのは確実だ・・・。 すでにあのゴミは塵となっているだろう・・・。」

「貴様ーーー!!!」

一人の兵がキリアに突っ込んでいったら、他の兵も続いて行った。 シオンは慌てて止めようとした瞬間、空から何かが降ってきた。

「なっ・・・!」

その場にいた兵は全員驚愕した。 降ってきたのは、上空にいた竜騎士の人と竜が横真っ二つになって降ってきて、血の雨も降った。 兵のみんなは急に立ち止まった。 そして、キリアの後ろから黒い影が飛び出て、キリアの前に立った。 影の正体は、すらりとした背の高い女性だった。

「・・・どういうつもりだ? 待機命令は出したはずだぞ? お前がやっている事は命令違反だぞ、カルファ?」

「申し訳ありません。 ですが、あまりにも遅すぎですよ、隊長。 時間は止まることは無いのですから早めに終わらせてください。 この後もやることもあるので。」

「・・・わかった。 お前は本拠地に戻っておけ・・・10分・・・いや、7分で終わらせる。」

「わかりました。 7分後にはきちんと戻ってきてくださいね。」

そう言って、女性はすぐにどこか去っていった。

「・・・さて・・・これよりお前らの裁きを下す・・・。」

そう言い、右手を上げたら黒い風が現れた。 辺りは暗いがその黒い風ははっきりと見えていた。 やがてその黒い風は渦となり徐々に回転速度を上げ大きくなった。

「その命、尽きるがいい・・・デスチュルス・バーマー・・・。」

キリアは右手を下ろしたら、突如黒い風から太い黒い線が大量に出てきて、次々と兵の心臓を刺し貫いていってシオンの顔に近くの兵の血が飛び散った。 シオンは飛び散った血をさわり目で見たら、急に震えだして両手で肩を押さえた。 

そしてシオンは今になって気が付いた。 キリアの攻撃は町中にも行っていた。 そして、耳に聞こえたのは町にいたみんなの悲鳴だった。 「助けてくれ!」、「うわああ!」、「きゃあああ!」と悲鳴がシオンの耳に飛び込んでくる。

「あ・・・あああ・・・。」

シオンはみんなを助けたいといけないと体を動かそうとしたが動かなかった。 耳を押さえたいが動かなかった。 彼女はただただその場に立っていて町の方を見ていただけ。 そして彼女は初めて恐怖を感じた。

やがて、悲鳴は聞こえなくなり、さっきまでのにぎやかで明るい町は誰も居なくなったかのような静けさになった。

「・・・怖いか?」

ここでキリアが話しかけた。

「・・・怖いだろう? 人間の死ぬ光景、悲鳴・・・お前もいずれあのようになるのだ。」

「なんなの・・・。」

シオンは震えや涙を抑えて歯を食いしばって怒りの表情と敵意と殺意の目でキリアを睨んだ。

「何なのよアンタ! 何の目的でみんなを殺して、どうして私を殺さないの!? 私を苦しめるの!?」

シオンは叫んだ。  さっきまでにぎやかで明るくて笑顔の人たちがいたのに、今は一瞬で・・・誰もいなくなった廃置になった町のように静まり返った。

「・・・簡単だ・・・。 他の奴らは生きていても何も意味は無い・・・存在しても、生きているだけでも無駄だ。 だが・・・お前は違う。 お前には役目がある・・・だからお前はまだ死なす訳にはいかない・・・。」

「・・・もし・・・私に・・・役目がなかったら?」

「・・・言うまでも無かろう、あのゴミと一緒に消すのみだ・・・。」

そういった途端、キリアはシオンに何かを投げて、シオンの左腕に刺さってた。

「っ・・・!」

シオンは痛みがした左腕を見たら、緑の液体が入った注射が刺さっていた。 彼女は抜いて注射器を踏み潰した瞬間、急激な眠気が襲ってくらっと倒れそうになった。

「・・・安心しろ、回復麻酔注射だ。 十時間寝るだけだ。 体中に害は無い。」

そう言って、キリアは体を反対に向けて歩き始めた。 シオンは意識が遠くなっていく中、キリアに手を伸ばしたがやがて意識を失ってその場に倒れた・・・。

 

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