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2009/11/04 23:58 |
ある灰色の空の日(中編) |
―陸南学園 運動場―
「・・・。」
学校の中も静かだったけど、外の方もかなりしずか・・・いや静寂だった。 そんな中、僕とエミは目の前に敵・・・仮面の女をを睨んでいた。
「堂々と登場ですか・・・。 平日なんだから来ないで欲しかったよ・・・。」
と、僕はため息と愚痴をこぼした。 久々の学校なのだから、と言いたいがそれ所でもないから心にしまった。
―お下がりください。―
エミはそう言いながら僕の目の前に立ち、人化した。 そして、両手から手のひらから黄緑に光った球が現れた。
「エミ・・・。」
―この方の狙いはおそらくあなたでしょう。 だから、あなたは下がってここは私が。―
「いや・・・ここはぼくがやるよ。」
―しかし。―
彼女が言おうしたら、僕は彼女の肩にポンと手を置いた。 しかし、僕は彼女とは目を合わせていない。 ただ、まっすぐ見ていた。
「彼女の狙いが僕なら、なおさら相手をしないといけないだろう? それに僕が逃げて、君が戦っているのは自分にとって嫌だしね。」
そう言ったら、彼女が開こうとしたら。
「たとえ・・・契約魔としても・・・彼女が僕を狙っているのなら・・・僕が相手をする。 もし、僕が逃げていて君が彼女に敗れて傷ついたら・・・それじゃあ、君がただ傷ついただけになってしまう。 僕はそんなの・・・見たくも無い。」
そう言って、エミはしばらく黙っていてその後、黄緑の光の球が消えた。
ー・・・分かりました。 ですが、あなたが危険になったら、私は何が何でもお守りします。―
そう言って彼女は僕に道を譲るように下がった。 僕はエミにゆっくりと頷いたら前に数歩、歩いた。
「・・・。」
彼女はただ無言でその場から動かなかった。 ただし、彼女からの殺意はこの前とは比べ物にもならないほどぴりぴりしているのが分かる。
「・・・その様子だと、決着をつけに来た様子だね。」
僕は歩くのをやめ立ち止まった。 これだけ肌にぴりぴりしていたら、たぶん彼女は本気で来るだろうと思っている。 そしたら、彼女は持っていた剣を一回振って、戦闘体勢になった。
「いいよ。 今日で決着をつけよう。 僕はこの世界を守る為にも・・・ここで倒れちゃあはいかないからね!」
「召喚(カオス)!」
言った瞬間、後ろから緑色の魔法陣が現れた。
「ピイイイイィィィィーーー!!」
そこから僕の召喚獣、カゲロウが出てきたら咆哮した。
「カゲロウ! 一体化!」
僕はフィードを上に向けて、カゲロウはフィードに取り込まれるかのようにフィードと一体化した。 そしたら、刀盤の所に羽が生えて、刀背はギザギザに変化した。
「行くぞ!」
そう言って、僕が前に動いたと同時に仮面の女も前に動き出した、その瞬間。 彼女はその場から急に消えた。
「なっ!」
僕は止まろうとした瞬間、急に後頭部から蹴りが入って、脳が揺れた。
「ぐっ! このっ!」
僕は倒れるのをぐっと堪えて、体を後ろにむきフィードを思いっきり横振りをしたが、彼女はそれをしゃがんでかわした。
「何ッ! ぐおっ!」
その隙に、彼女の剣を反対に向き刀首を腹にぶつけた。 後ろに数歩下がったら、今度はあごを殴られ、腹から手が離れたら、彼女は一回転をして彼女の鉄拳が腹を直撃し、吹っ飛ばされて壁に激突して、その場に倒れた。
―!―
「来るな、エミ!」
エミが動こうとしたら、僕は声をあげた。
―ですが!―
エミが言おうとしたら、僕はゆっくりと立ち上り、さっきの衝撃で離してしまったフィードを握り締めた。
「僕なら・・・まだ、大丈夫だ。 まだ戦えるから・・・来なくていい・・・。」
とは言っても、脳を蹴られて頭はふらふらするし今でも嘔吐してもおかしくは無い状態だ。 そう思っていたら、彼女が動き出して、僕の目の前に現れて、僕は咄嗟に剣を振ったがなかなか剣に当たらない。 それどころかさっきの衝撃と頭を蹴られたせいかふらふらし始めて、なかなか頭が働かない。
(駄目だ・・・は・・・速いすぎて付いていけない・・・! これが・・・。)
そう思ったらふっと気づいた。
(いや、もし本気だったら、今頃は死んでもおかしくは無いと思う・・・。)
そう。 彼女の速さなら、剣で僕の心臓を刺したら一瞬で終わるのに、なぜ彼女はさっさと殺さないんだろうか?そんな疑問が浮んだら、前に彼女の蹴りが見えて慌ててかわしたが、急に彼女が消えて背中に蹴りが入って、思わず倒れそうだったけど何とかこらえた。
(ぐっ・・・! こっちも速く反撃しないと・・・! だけど・・・あの仮面の女の速さにどうついていけば・・・。)
そう思ったらふっと彼女の足が光っているのに気づいた。 そして、そこから頭をフル回転させながら考えた。
(足・・・か。 よし、一か八かやってみよう。)
僕は頷いたら、自分の足に集中し始めた。 そうしていたら、彼女は剣を振ろうとしたら僕はそれをかわして彼女の懐に入った。
「・・・!」
慌てた彼女は咄嗟に距離をとったが、すぐに追いついた。 足に集中したら、彼女と同じ速さになっていた。 彼女は驚いたのか、剣を振ったが僕はそれをかわし、蹴りが脇腹に入った。
(す・・・すごい・・・! 足が軽いように感じる!)
「よし、これなら!」
そう言ったら、僕は後ろに下がって空中に飛んで、刀身全体に風が集まってきて螺旋状態になってきて。
「スパイラル・シュート!」
それを放った。 しかし、その風は彼女に当たらず、ギリギリ彼女の二・三歩離れた所・・・周りには何も無い所の地面に当たって辺りに砂埃が立った。 だけど、これが僕の狙いだった。 砂埃なら僕の姿は見えないし、彼女がいた場所ならわかっていた。 僕は砂埃の中に入っていき、彼女の目の前に降りた。 そしたら、彼女も気づいたのか慌てているのが分かった。
「!」
「もらった!」
剣を振り上げたら、彼女は急いで後ろに下がったがその途中、カキンっと何かに当たった。 上を見たら、彼女がつけていた仮面が勢いよく回転しながら上空に上がっていき、そのまま落下するのが見えた。 そして、徐々に砂埃が晴れてきた。 そして、その先には・・・
「! き・・・君は・・・。」
僕はその先を見た瞬間、驚愕した。 仮面の女の仮面が飛ばされて僕は彼女の顔を見た。 その顔は僕がよく知っているこの顔だ。 特に目立っている・・・白銀色をした髪、あれは間違いなく・・・。
「・・・智東・・・さん・・・?」
「・・・ばれちゃったわ・・・ね・・・。」
と、彼女はため息混じりで言った。 その時、僕の頭がグルグルし始めた。 どうして・・・。
「どうして・・・智東さんが・・・僕を殺そうとしているの・・・?」
そう言ったら、智東さんは顔を下に向いた。 それからしばらく、何も喋らなかった。 ただただ空がゴロゴロとなっていて、周りには無音、静寂が続けられ、そしたら、彼女の口が開いた。
「ごめんね・・・桜咲くん・・・。 本当は私、あなたを殺したくないの・・・。」
僕はその言葉を聞いてなぜか彼女が悲しいそう・・・いや、本当はこんな事なんかしたくない、悲しいという気持ちが僕に伝わった。
「でも・・・本当にごめんね・・・桜咲くん・・・私達のために・・・ここで、死んで・・・。」
突然、冷たい声で言われて「え?」と思った瞬間、智東さんがいた場所から一瞬消えて僕の目の前に現れら瞬間、彼女は急にしゃがんで足払いをした。
「うわッ!」
僕は見事にその場で仰向けに倒れてしまった。 すぐに起きようとしたら、目の前には智東さんが両手で剣を握り締めて僕を刺そうとした。 僕は慌ててかわそうとした瞬間。
「そこまでだ! シオン!」
何処からか聞き覚えのある男の声が響いた瞬間、彼女は驚きの表情をしながら手を止めた。 そして、ゆっくりと首を声がした方を見た。 そしたら、彼女は剣を持っていた手がゆっくりと離していき剣を落とした。 僕も声がした方を見た。 居たのは、体全体白い服を来た人が空中に浮んでこっちを睨むかのように見ていた。 その人は僕の顔にそっくりの人物、クレトア・レードだった。
「そ・・・んな・・・あ・・・あなたは・・・。」
一方の智東さんはなぜか驚きを隠せない状態で口をパクパクしていた。 そしてクレトアさんはゆっくりと降りてきてる途中、頬になにかの液体みたいなのが当たった。 空をみたら、雨がゆっくりとぽつぽつ音を立てながら降り始めてきた・・・。
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