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2009/03/27 14:25 |
卯族の棟梁 |
「ねぇ、京香。」
三多朗は京香を呼び止めた。
「何?」
「なんか、妙な感じがしない?」
「妙って、何が?」
「昨日の夜から、ちっとも会ってないよね。幹部の連中に。強い魔力は感じるけどなんであいつら現れないの?」
「そういえば・・・そうね。」
三多朗たちがこの世界の人たちを避難させて軍や警察の人たちに任せて朝まで辺りを捜索したが何も見つからず、今、避難所に戻るところだった。
「あいつらがひそひそと行動するのはどうもおかしくない?」
「たしかにそうね。彼らの最も狙うのは私達なのに・・・。とにかく、避難所に戻りましょう。そこで考えましょう。」
「そうだね。」
歩こうと前を向こうとした瞬間。
「!」 「!」
三多朗たちはに入った。三多朗たちの前に男が立っていた。
「これはこれは・・・。裏切り者の棟梁に挨拶をしましょうと思いましたが幹部のほうと会ってしまいましたか。」
「なんで、貴様がここにいる?」三多朗は男の方を睨んだ。
「いきなり、人に向かって貴様はシツレイですよ。元・辰族の幹部、飛月 三多朗さん。」
男はにやにやと笑い始めた。
「僕の質問を無視するな、卯族の棟梁、津輪葺 減萄。」
「これはシツレイ。私は質問されるのは嫌いのほうなのですけど、まあ、いいでしょう。質問とは?」
「なぜ貴様がここにいると言ったんだ。」
「それは簡単です。ただの様子見、それだけですよ。」
「様子見・・・だと?」
「ええ。
「・・・ほんとにそうなの?」京香は口を開いた。
「どういうこと、京香?」
「もし彼が本当に事を言っていたら、別に直接来る必要は無い。あの祭壇から、様子見をすればいい事よ。」
「そうか、「空間の祭壇」か!」
「そう、「空間の祭壇」はいつもそれぞれの棟梁がすべての世界の監視している。それなのにこの男は直接この世界に来た。そこには何か理由があるはずよ。」
「・・・鋭い人ですね。裏切り者の分際で。」
「・・・」
「たしかにある理由がある。しかし、その理由を話すわけにはいかないのですよ。」
「貴様っ!」
三多朗は猛スピードで減萄に突っ込んだ。
「やれやれ・・・私は戦いをするために来たわけではないのに、しょうがないですか・・・。」
「くらえ!フリーズ・ナッコ!」
三多朗の右手が青く光って、殴ろうとした。
「カウンター・・・。」 減萄はマントを振り上げた
三多朗の右手がマントに当たって、三太郎は後ろに飛ばされて壁に衝突した。
「三多朗!」京香は三多朗の所に行った。
「やれやれ・・・。愚か者ですね。あなたが私に勝てるとも思いますか?」
「くっ!」
「あなたの力では私を倒すのは不可能でしょう。私の力とあなたの力差は全く違いますからね。フフフ・・・。」
減萄は挑発しているように笑った。
「くっ・・・貴様っ!」
「おちついて、三太郎!」京香は慌てて止めた。
「私たちの力・・・十二族の棟梁には特殊の魔力があるのはわかっているのですか?」
「・・・。」
「さて、私はそろそろ帰りますね。」
「逃げるのか!」三多朗は怒鳴った。
「言ったはずですよ。私はただ様子見に来ただけです。戦いに来たわけでは無いのですよ。それに・・・」
「それに・・・何?」
「急いだほうが良いですよ。今頃、人が死んでると思いますよ・・・。」
「人が死んでるって、ま・・・まさか!?」京香は驚いた表情を見せた
「フフフ・・・。」減萄は笑いながら姿を消した。
「急ごう!避難所にいる人たちが危ない!」 京香はいそいで避難所に走った。
「待て!京香!」三多朗も急いで後を追いかけた。
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