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新者の雑記置き場

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2009/02/04
01:55
変わらない学園生活

「・・・ねぇ。」

「なあに、にいにい?」

「いや、洋じゃないんだ。」

そうため息と同時に言って、視線を右側のほうを見た。

「涼・・・。腕に抱きつきながら歩くのやめろよ、恥ずかしいから。」

涼が右腕に抱き付いていて、非常に歩きにくい。

「いいじゃない。これも兄妹愛って言うでしょう?」

こっち向いて、無邪気みたいな顔をして言った。 というかそれ何年も同じこと言っているような気がする。

「いや・・・。洋みたいに手をつなぐみたいな事をしてよ・・・。」

「そうだよ涼ちゃん。にいにいが困ってるよ?」

「やーだ!」

そう顔をにっこりして言って、強く腕を抱いた。 全く・・・困った妹だ。 洋の方はまだ大人しいほうがいいが、涼の方は大胆すぎる。 

本当に恥ずかしいのに・・・。 なぜなら学園の人たちや、おばさんやおじさんがじろじろ見ているし。 まあ、僕達のことを知っている人ばかりだけど何か・・・ものすごくイヤだ」。 というか、もう小学校のやっているのにどうしてもなれないな・・・。


―陸南中等学園 2-B―

「つ・・・疲れた・・・。」

朝の僕は机に突っ伏ししながら呟いた。 あの二人は昔からそう。 幼稚園の時はまだ大人しいかったけど、小学生の時なんかは、全学年同じクラスですでにべったりな状態だった。 中学に入っても相変らずのままで、クラスの人達もクスクス笑ったりするから恥ずかしい。 一方の二人は他の女子と楽しく話していた。

「お疲れさんだな、桜咲。」

すると、後ろの席の方から男の声が聞こえて僕は、だるそうに体をあげて後ろを向いた。 体が引き締って少し目が鋭くって僕より背の高い男、森本 鉄だった。

「森本、来ていたの?」 

「まあな、さっき屋上で寝ていたけど。 ふあ~・・・。」

森本は、一年からの付き合いで教室にはあまり来ずいつも屋上にいる子。 彼は、不良・・・といってもどちらかと言ったら問題児の方に近い。 彼は勉強嫌いだからほとんど授業は出ていない。 だけど実際の所、頭はいいしとてもいい奴だ。 僕にとっては、まあ親友かな。 彼もそう思ってるだろう。

「お前も大変だな、ブラコン妹がいて・・・。」

「まあね。 でも、これでも楽しい方だよ。」

確かに大変な所もあるが、楽しい所もある。 ・・・まあ、強いて言うと、疲れる所が多いけど。 これだけは断言できる。 本当に。

「ふうーん。」

森本はそっけなく頷いたら、授業のチャイムがなった。

「おっと、チャイムか。 最初は・・・、英語か。 じゃあ俺、屋上に行くわ。」

「また? ちゃんと授業受けたら?」

「俺は、数国以外は、嫌いなんだ。」

彼は笑いながらそう言った。 たしかに彼は国語と数学は出ているが、そんなには真面目ではなく、余所見するか寝るかだから他のとほとんど変わらない。 ちなみに森本は一年から英語の授業には一回も出ていない。
そのおかげで英語の教師は頭をかかえているそうだ。

「じゃあな。」

そう言って彼は、先生が来る前にいそいで教室から出て行った。 


―昼休み―

四時間目の授業が終わり、昼休みに入った。 みんなは自分のかばんの中にあるお弁当を取り出した。 普通はどこの中学校も給食は出るが、この学園は給食はない。 理由は知らない。

「お兄ちゃーん!いつもの場所でお弁当食べよう!」

涼たちが母さんが作ったお弁当もって寄ってきた。

「うん、わかった。」

僕は頷き、鞄からお弁当を取り出し、立ち上がった。

「それなら、私もご一緒にいいですか?」

そう言ったのは、僕の学年で一番怖い人で有名な、佐倉塚 菜々だった。 一年の頃も同じクラスで話した事はあるけど、彼女自身から誘うことはあんまりないのにめずらしい。

「うん、べつにいいよ。いいよね、二人とも?」

僕は二人の方に首を回していった。

「いいですよ。」

「別にいいけど、佐倉塚さん。」

「なに?」

「お兄ちゃんには手、ださないでね。」

僕は一瞬思った。 どういうこと? すると、彼女の頬がゆでだこみたいに真っ赤になっていた。

「なっ・・・、だ、ださないわよ!!」

佐倉塚さんの声が、教室中に響いた。 僕は咄嗟に耳を塞いで目をつぶった。 一瞬、窓ガラスにヒビが入る音がしたがあえて気にしないことにした。




「ご・・・、ゴメンナサイ・・・。」

「あ、ああ・・・。少々耳鳴りするけど、大丈夫だから。」

佐倉塚さんの声は耳を塞いでいても、かなり響いていまだ耳鳴りが治まらなかった。

(ものすごい声だな・・・。佐倉塚さんの声・・・。声のコンテストだったら間違いなく一位だ。)

そんなことをのんきに考えていてたら、佐倉塚さんが話しかけた。

「所で、どこで食べるの? さっきいつもの場所って言ってたけど。」

彼女は言ったが、僕はあえて微笑みながら黙っておいた。 そして、いつもの場所の扉を開けたら風が吹いた。
僕が言っていた場所は屋上であった。 

「「早く早く!」」

一足早く行った涼たちが手を振っていた。

「今行く!」

僕たちも歩き出した。 涼たちの方に行ったら佐倉塚さんはフェンスの向こう側、町の景色を見ていた。

「へえー。屋上って人来ると思ったけど、全然居ないねぇ。 思っていたほど、屋上から見る景色っていいね。」

「いいでしょう。青い空に、緑の山、それに町の光景、いい場所でしょ?」

ここ、陸南中等学園は町や山がよく見えていて風が気持ちよく拭いている。 一年の頃、初めて屋上に言った以来、僕のお気に入りの場所であってよくここでお弁当を食べていた。 ちなみに森本と出会ったのもそのときである。

「それより、早く弁当食べよう!」

涼が腕に抱きついてきて言ってきた。

「そうだね、それじゃ食べようか。」

僕たちはベンチに座ってそれぞれ持っていたお弁当をあけた。 僕らのお弁当の中には野菜類と肉類がバランス分けられていておいしそうだった。

―食事後―

「「「「ごちそう様でした。」」」」

僕たちは同時に挨拶してお弁当のふたをして、布で包んだ。

「君のお母さんの料理おいしかったよ。」

「佐倉塚さんの作った料理だって、おいしかったよ。」

佐倉塚さんのお弁当で美味しかったのは手作りミートボールでソースの味がよく滲みこんでいてとても美味しかった。

「ほんとう? ありがとう、桜咲くん。」

佐倉塚さんは嬉しそうに微笑んだら、自然と僕も微笑んでしまった。

「「じいいぃぃーーー・・・。」」

すると、二人は何故か目を細めて、僕の方に睨んでいた。 僕が何かしたのかな? すると、佐倉塚さんが立ち上がった。 

「それじゃ、私先に戻っとくね。 今日は楽しかったよ。」

そう言って、佐倉塚さんは少し走る感じで歩き始め、屋上から出た。 佐倉塚さんが出た後もなぜか二人は睨んでいた。

「どうしたの、二人とも? 僕の顔に何かついてる?」

一応、口や頬を触ってみたが特に何もついてはなかった。

「別に~・・・。」 「ありません。」

涼と洋はぷいっと視線をそらした。 僕が女の子と仲良く話していたらなぜか二人はいつも少し怒ってしまうのが僕はいまだに分からない。 いったい、僕が一体何をしたのかな?


その後、僕たちは教室に戻ったちょうどチャイムが鳴って授業が始まった。 そして、最後の授業は終わり帰会が始まった。

「えーもう二週間後にテストがありますから、きっちり勉強してきてくださいね。」

「「「はーい」」」

「では、以上解散。」

そう言って、先生は教室から出て行って、みんなもそれぞれ友達と一緒に帰ったりしていた。

(ふう、疲れた・・・。)

そんな中、僕はひっそりと息を吐いた。

「お兄ちゃーん。帰ろう!」

涼と洋が寄ってきた。 昼休みの機嫌はもうなおったみたいだ。

「ああ、ゴメン。母さんから買い物頼まれているんだ。 だから今日は二人で先に帰っていて。」

朝食が終わった後、母さんから買い物メモを渡されて「帰りに買ってきて。」っと頼まれていた。

「うーん・・・、まあ、しょがないか。行こうか、洋ちゃん。」

「うん、にいにい、早く帰ってきてね。」

「わかった。 おとなしく待っておくんだぞ。」

「うん!」

そう言うって洋は可愛らしい笑顔を見せて、涼の後を追った。

「さてと、行くか。」

僕は息を吐いて机にかけている鞄を取って、教室を出ていつもと変わらない道でスーパーへ向かった・・・。
 

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