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新者の雑記置き場

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2009/05/21
00:25
好機

―樵神社 裏山―

「準備が出来たわ、あなた!」

突然、後ろから淳の声がした。 俺は慌てて目を開け、顔を後ろに向いた。淳の顔を見たらニッ、っと笑っていた。

「よし頼むぞ、淳!」

「任せて!」

そしたら、淳は腕を交差したら目を瞑って、小さく呟く。

「光よ・・・。敵をすべて光に包み・・・我の前に現せ。」

そう呟いたら、淳の手足が水色に輝きだし、黒いケルベロス達の足元に水色の魔法陣が現れ、光に包み込まれ、上空に浮び始めた。 そしたら、奥にいた黒い狼達が続々と出てきた。

「こんなにいたんだ・・・。凄い数だよこれ・・・。」

三多朗は、ポカンと見ていた。

「ポカンと見てないで、離れなさいよ三太郎。吹き飛ばされるわよ?」

佐波がぐったりと座っていったで言った。

「そんなことより、淳。 これで全部か?」

俺は淳に確認した。 もしこれ以上いたら面倒だから。

「ええ、これで全部よ。」

「よしじゃあ、派手に行って来いよ。」

俺は少し笑い顔で言ってやった。

「もちろんそのつもりよ。 お返しはさせてもらうわよ。」

淳も少し笑った顔で言った。

「行くわよ。 魔力、全開方!」 ブウゥン!

淳の足元から水色の魔法陣が現れ、淳の手足もさらに輝いていき、空中に浮んでいった。そして、光に包まれた黒い狼達の前まで行った。

「それじゃ、行くわよ・・・。」

淳は両手をグーにして、左手を出し、右手を引っ込めた。

「これで、あいつらも終わったな・・・。」

俺は見上げたまま呟いたら、

「レジ!」

突然淳は、右手を思いっきりを出したら、太い光の一線に出て来て、黒い狼達に直撃した。

「レジェン!」

次にさっき引っ込めた左手を右手に重ねたら、さっきより太い光の一線が出てきた。

「レジェンド!」

次に両足を重ねたら、光の一線が出て、足を横に大きく振った。

「これ最後よ! ジェネラウド!」

最後は、淳の両手足を大きく前に振ったら、両手足にあった光が一斉に外れ、その光は黒い狼達に突っ込んで行って中に入っていた。そしたら、淳はゆっくりと降りて来て、地面に付いたら、

「・・・フィニッシュ。」

パチン、と指を鳴らした。そしたら、

ドゴオオォォォーーーーン!!!

「うわっ!」

突然、黒い狼の包んだ光が、光って爆破した。あまりにもまぶしすぎたせいか三多朗が目をつぶった。爆風もあったが、それほど強くは無かった。しばらくしたら、光は無くなって辺りは静寂になった。

「うーーん・・・ハァー。」

一方淳は、久しぶりやったせいか、思いっきり背筋を伸ばした。

「どうだった、久しぶりにやった感じは?」

俺は淳に近寄りながら言った。

「うん。なんか、とってすっきりした気分。」

淳は満面の笑顔になっていた。 こんなにスッキリした顔をしたのは久しぶりに見た。

「そうか、それなら良かった。」

俺はそう言いながら、笑った。

「それじゃ・・・ちょっと、疲れたから・・・ちょっと休むわ、ね・・・。」

「おっと。」

淳が倒れそうな所を俺は、支えてやった。

「すーすー・・・。」

「寝ちゃったか、しょうがないな。 よっと。」

俺は寝てしまった淳をおぶった。 

「おーい、三多ろ、ッ!」

俺は三多朗たちを呼ぼうとしたら、左側から奇妙な魔力が感じた。 そしたら、草むらが揺れ、大きな黒い物体が出てきた。

「グルルル・・・。」

その黒い物体の正体は、さっき黒い狼達と倒されたはずの黒いケルベロスだった。 しかし、黒いケルベロスの体は、すでにボロボロで、頭が一つしかなかった。

「おいおい、しつこい奴だな。」

俺は淳をおぶりながら、ため息をした。 ボロボロになりながら、よく立ち向かえるとその時。

バーーン!

どこからか、銃声の音がした。俺は慌てて周りを見た。
そしたら、

「グオオ・・・。」 バタッ!

黒いケルベロスが急に倒れて、やがて黒い塵となって消えていった。

「大丈夫、龍!? こっちから、銃声の音がしたけど。」

三多朗たちが銃声の音がしたか駆けつけていた。

「なんなの、今の銃声って?」 佐波が息を切らせながら言った。

「わからん。おれにも何が何やら・・・。」

そしたら、奥の方から人影が現れた。

「さすがですね。残り少ない魔力で、ウルフタイプとケルベロスタイプを倒すなんて。」

そう言いながら出てきたのは全身真っ白の服を着た青年だった。青年の手には白い銃を持っている。だが、俺は今、驚いていた。その青年の顔が瞬と全くそっくりだった。

「瞬?」

俺はとっさに瞬の名前を出した。 すると、男は首をかしげた。

「瞬? だれですか、その人?」

「あ、ああ。これは失礼・・・。」

(よかった、別人か・・・よく見たら、身長とか違っていた。)

俺は冷静になり、相手に質問した。

「今の銃声って・・・。」

「もちろん、私がやりました。あ、それと、申し送れました。 私の名は、クレトア・レードと申します。」

とクレトアという青年がお辞儀しながら言った。

「俺は、」

「あなたのことは知っています。元十二族の棟梁、桜咲 龍。 いえ、オージ、という名でしたっけ?」

「! ・・・どうしてその名前を?」

俺はかなり驚いた。なぜ、この男がその名を知っているのか?

「しっていますよ。あなたの事ぐらいは。そしてあの、「赤と緑の伝説の救世者」のことも。」

「・・・。」

「龍、「赤と緑の伝説の救世者」って?」

三多朗が聞いてきたが、俺は何も言えなかった、いや・・・正確には言いたくもなかった。

「あっ、もしかして、触れてはいけない話でしたか? そうならば謝罪しますが・・・。」

「・・・いいです。」

「そうですか。それで、ちょっとお話を聞きたいのですが、構いませんか?」

俺は黙ってうなずいた。その時の俺は、かなりの嫌な気分だった・・・。
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