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2009/03/10 20:45 |
手紙 |
―???―
「また、この夢か・・・。」
僕はまた、あの夢を見ていた。真っ黒な世界。何もない世界の夢を。
「僕に用があって呼んだんでしょう。出てきてよ。」
僕がそう呼んだら、光の玉が現れた。
―また、争いが始まろうしている・・・―
「それなら知っている。十二族・・・またこの世界の人を殺しに来るのでしょう?」
―そうだ・・・そして、お前は今回の戦いには出ないほうがいい・・・―
「えっ?どうして?」
―それは・・・今回の相手はかなり・・・いやお前ではまだ勝てない相手が来るからだ。・・・―
「つまり、今回の奴らの中に強い奴が来るって言うわけ?」
―そうだ・・・そして、そいつとは絶対接してはならない・・・―
「なぜ?」
―それは・・・―
―桜咲宅―
「はっ!」
ピピピピピ・・・ ピピピピピ・・・
「・・・朝、か。ふあ~ぁ・・・」
そして隣には・・・いつもどうり、涼と洋が寝ていた。
「ハァ・・・」とため息をして部屋を出て、リビングに向かった。
ガラッ
「おはよう・・・て、あれ?父さん?母さん?」
いつもいるはずの父さんと母さんの姿が無い。居たのはラーシュだけだった。
「ワン!」
「おはよう、ラーシュ。父さんと母さん知らない?」
と言ったら、ラーシュは玄関のほうへ向かって、戻ったら紙をくわえていた。
「これは?」 僕はラーシュが持ってきた紙をとった。
「これは・・・手紙?」 僕はとっさにそれを読んだ。
―瞬、朝はすまない。十二族が今夜現れる。だから父さん達は家に帰れないんだ。いいか、今日は一歩も外に出るな。学校には、臨時休校してもらったから。それと、ご飯は冷蔵庫に入っているから。夜はラーメンでも食っていろ。ラーメンは戸棚の中にあるからな。それと涼たちにはうまくごまかしてくれ―
「・・・うまくごまかせって、どうやってごまかすの父さん・・・」と僕は頭をかいて言った。
「まあ、それはともかく、今夜か・・・また、あいつらが・・・。」
―数分後―
「ふあ~ぁぁ・・・。あ、おはよう。にいにい。」
「ああ、洋。おはよう。涼はまだ寝ているのか?」
「うん。あれ?父さん達は?どこ?」
「ああ、なんかね。・・・えーっと・・・。(どうごまかせばいいのか分からない・・・)」
「にいにい?」
「ああ、父さんの友達が倒れちゃって、それで今日友達の看病するって行ったんだ。
たぶん、今日は帰れないらしいんだ。」
「ふ~ん。ちょっとさびしいな。」
「でも今日だけだから、明日になったら帰ってくるから。ね?」
「うん!」
そして、その夜
「おやすみ、お兄ちゃん。」 「おやすみなさい、にいにい。」
「ああ、おやすみ二人とも。」
そう言って、涼と洋はリビングから出た。そして、僕は一人になった。
「・・・父さん達、大丈夫なのかな?」
僕は、ただそれしか考えてなかった。とてつなく心配だった。
もし、父さん達に何があったら
「・・・ゴメン父さん。」
僕は外に出ようとした。玄関の扉をあけたら、目の前にあったのは・・・
「これは・・・確か見たことがある。結界だ・・・。」
そう。僕に目の前にあるのは黄色い結界だった。今まで全然気づかなかった。
「父さん・・・。」
とつぶやいて家に入ろうとした時。
ピカーーー・・・。
「う!な、何だ!?」
突然、後ろから紅い光が出た。
そしてしばらくしたら、紅い光は消えた。
「な・・・なんだったんだ今のは?それに、この空気に雰囲気・・・。」
僕は辺りを見回した。そして上を見た。
「月の色が・・・変わっている?どういう事だ?」
月は黄色から、紅い色に変わっていて、空も紅い色が変わっていた。
そして、何よりも気になっている所がある。
「結界が・・・消えた?なんで?」
そう。 さっきまであった黄色の結界が消えていた。
「一体なんだったんだ?あの光は・・・。」
僕は考えてながら呟いていた。
「それは・・・深紅の魔力・・・。」
「! 誰だ!」
僕は横に向いた。そこに居たのは女の子が居て、両手には重量型の杭撃ち銃を逆さに持っている。
「私の名は・・・真木野 美奈・・・十二族の巳族の幹部・・・。」
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