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2009/03/08 23:42 |
消えた殺意 |
―陸南中等学園 2-B 五時間目―
「・・・」
僕はまた考えていた。 彼女の殺意のことで。 でも、今回のは違う。
(おかしい・・・昨日はたしかに殺意が感じていたのに。 なぜ今日は感じないのだ?)
「えーこの問題を、瞬君答えてみて。」
(それに、あの仮面の女の正体・・・本当に異世界の人間なのか?)
「瞬君?」
(彼女の殺意、仮面の女、謎だらけだ・・・。)
「桜崎 瞬!!」
「え!あ、はい!」 突然の先生の怒鳴り声で僕は動揺した。 さっきから呼ばれていたのが全く気づかなかった。
「ちゃんと聞いているのか、この問題を解いてみろ。」
「は、はい。」
「はい、じゃあここの問題、宿題ですよ。次回の時間まで提出してくださいね。以上」
先生はそう言って教室から出て行った。 教室は
「ふう・・・なんかもう、疲れたな。」
僕は思わずため息をしてしまった。
「珍しいな。お前がため息するなんて。」
急に後ろから声を掛けられた。 後ろを振り向いたら森本が椅子に座っていた。彼はたぶんさっきまで屋上にいてさっき戻って来たのだろう。
「ああ、森本か。今、来たのか?」
「まあな。ところであれ誰なんだ?」と森本は智東に指をさした。
「ああ、そういえば知らなかったよな。彼女は智東 真奈美。転校生だ。」
「ふーん。ところで桜咲。」
「なんだ?」
「昨日、妙な殺意を感じたんだけど。」
「!・・・おまえもか?」
「えっ!じゃあ、おまえも?」
「ああ・・・とりあえず話を続けろ。」
「ああ、朝屋上で寝ていたら、妙な殺意を感じ取ったんだ。
最初は気のせいだと思ったのだが・・・何か知らないか?」
(・・・ここは、あえて黙っておこう。)
「さあ、感じたのは感じたのだが・・・」
「そうか・・・。やっぱ気のせいだよな?」
「・・・」
その夜
「ふう、いい湯だったな。」
そう言いながら僕はリビングに行った。
ガラッ
「あれ?三多朗さんに京香さん。」
そこには三多朗さんと京香さんがいた。
「あ、瞬君。こんばんは。」と三多朗さんが挨拶した。
「こんばんは。どうしたのですか、こんな時間に?」
「ええ・・・ちょっと大切な、」
「大切な話じゃねぇ。この世界に関わることだ。」と父さんが怒った表情をしていた。
「何があるの?いったい?」僕は恐る恐る聞いてみた。
「三日後、また奴らが来る。」
「奴らってまさか・・・!」
「そう・・・十二族だ。」
「・・・また、奴らが来るの?」
「ああ、この前、話しただろう。十二族は一ヶ月に一度の満月の日に開く扉、
満月の扉(ムーン・サード・ゲート)が開きその二日間、この世界にいる事を話しただろう。」
「そう・・・だったよね。」僕はしばらく黙った。
「ふう、お前はもう寝ていろ。 疲れているのだろう?」
「うん・・・」僕はゆっくりと部屋を出た。
(・・・また、争いが始まるのか・・・。)
そう静かに呟いて部屋に戻った。
―???―
「扉の開門の時間は?」とイスに座っている男が尋ねた。
「はい、およそ、七十三時間三十八分十二秒です」とそばにいた女が答えた
「そうか。あと、二人を呼び出してくれ。」
「その必要はありません。もう来ます。」
ブウーン。 ブウーン。
そこに、二人の男が現れた。
「お呼びですか?」
「報告だ。次の出陣は、私一人で行く。君たちは待機していてくれ。」
「!どうしたのですか、急に?」
「色々と見たいものがあってね。いわえる様子見ですよ。それに、あれはうまく行っているか。フフフ・・・。」
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