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2009/07/05 17:19 |
死亡(後編) |
―???―
数分後、俺達は津輪葺の研究室に着いた。 中に入ると当然のように奴の血だと思われるものとご対面だ。 それも壁や天井にも飛び散っていた。
「うわー・・・あっちこっち、すんごい血だらけだね・・・。」
「当たり前だろう、死体を切断したんだ。 これだけ血が出てもおかしくないだろう。」
「・・・誰も居ないな・・・。」
そう言いながら俺はは、周りを見回したが、周りには誰もいなかった。
「みんなトイレでも行ったんじゃないの?」
チャラ助はニヤニヤと笑いながら言った。 いいから、お前は黙っていろ。
「・・・お前じゃああるまいし、そんな事はないだろう・・・。」
真道は呆れるかのようにチャラ助に言った。
「ところでさあ、あの棺桶みたいのって何?」
チャラ助が指を指した先は、ガラスの向こうに、棺桶みたいなものがあった。それも一つだけではなかった。数は30~40ぐらいあった。
「たぶんあれだろう、奴が作ったアンドロイドの入れ物だろう。」
俺ははあっさりと言った。 俺は小さいころ、記憶は曖昧だがここに入ったことは覚えていて、そのアンドロイドを見たことはあった。
「・・・この部屋に何用だ、亥族の者達よ。」
すると、突然後ろから男の声がして三人は振り返った。 そこいたのは、和風の服を着た男と男と同じく和風の服を着た小柄の男がいた。
「何だ、お前らか・・・。」
俺はため息ともに言ったら、小柄の男が急に腰にある二つの小刀を抜いた。
「貴様、夜紗宗兄者に向ってお前と呼ぶとは!」
小柄の男は威嚇しながら言った。 すると、夜紗宗は小柄の男の前に手を出した。
「お前は下がっていろ、正宗。」
「あ、兄者!」
「いいから、兄者の命令だ。」
男は小柄の男の方を睨んだ。 そしたら、大人しくなったか、小刀をしまった。
「・・・兄者がそういうなら、仕方あるまい。」
「・・・して、何用だ、亥族の者達よ。 ここは卯族の場所・・・貴殿らとは無関係・・・もし、おもしろ半分でここに来たのならば、即立ち去ってもらおうか。」
夜紗宗は俺達を睨んだ。 確かに遊びできたら追い返されるのはわかっているが、ここで下がったら面白くもない。
「どうする、洞豪?」
と真道がひっそりと話しかけてきた。 俺は黙ったまま考えていら、ひらめいた。
「話だけ・・・ならどうだ?」
「話か、ふむ・・・。」
夜紗宗は手を口に当てて、考え始めた。 離すだけなら
「いいのではないのではないですか、夜紗宗さん?」
夜紗宗達の後ろから女性の声がして、そっちの方に向いた。 いたのは、水色のロングヘアーをした女性が優しく微笑んでいた。 だが俺はこんな奴は知らない。 卯族にいたか?
「む、楓殿・・・。」
「か、楓さん。 しかし、この者達は、亥族ですよ? 我々には関係は無いのでは?」
「たとえ無関係でも、彼らは私達の味方は事実です。 話だけでもいいでは?」
「うむ・・・楓殿がそういうのなら、いたしかあるまい。で、話は?」
「そうだな・・・津輪葺を殺した犯人と妙な所を話てもらいたい。」
「うむ、我が棟梁を殺した犯人はいまだ分からんままだ。」
「この研究所を出た痕跡は?」
そう言ったら、夜紗宗は首を振った。
「ないとしか言い切れんな。 ここの部屋から出入りした痕跡は一切無い。 我々さえ、この部屋に入るのは禁じられている。」
「なるほどな・・・ハァ、あの人形師が・・・自分の幹部ぐらい出入りさせろってんだ。」
桐野はため息と同時に文句を言った。 俺も小さい頃入った時、ここに入るなって
「・・・で、妙な所は?」
「うむ、ちょっとこっちに来てもらいたい。」
そう言って、夜紗宗は歩き桐野たちは、その後に続いた。
「・・・これは。」
「割れて・・・いや、切られているな、綺麗に。」
言ったのはチャラ助だった。 俺たちが見たのは―HM 001―と書かれたタグの所だけのガラスが綺麗に四角形に切られていた。
「他の場所はまったく問題は無いが、なぜかここだけが切られていたのだ。」
「なるほど・・・。」
「・・・それで、話は終わりか?」
「ああ、邪魔して悪いな。 真道、チャラ助、戻るぞ。」
そう言って、桐野は先に部屋を出た。
「待てよ、洞豪!」
「俺たちを置いていくなよ!」
野乃木と久須磨は慌てて、桐野を追いかけ部屋を出た・・・。
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