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2009/07/07 23:56 |
決意 |
―桜咲宅―
「ふう・・・今日は色々と疲れたな・・・。」
僕はベットに寝転んで手をおでこをあて、そう呟いた。
あれから美奈と別れて、半日がたった。僕は帰ってきて自分の部屋に戻って、ベットにそのまま寝転んだ。 安心したのか、すぐに寝てしまって起きたのは、昼の1時頃だった。 ちなみに、現在の時刻は23時40分。
「ふう・・・疲れ、取れてないのかな・・・寝ようかな。」
僕はベットのそばにあったモノクロのランプの電気を消そうとしたら、コンコンと、ノックの音がして、ドアが開いた。
「お兄ちゃん・・・起きてる?」
涼の声だ。しかし、いつもは元気一杯で活発のなのになぜか声が暗いような感じがした。僕は、ドアの方に向いたら、涼と洋がいた。
「涼、それに洋も。 どうしたんだ、こんな時間に?」
僕は体を起こして、二人を見たら表情はずいぶんと暗かった。
「話したことがあるけど・・・いい?」
「? 別にいいけど・・・どうしたんだ、こんな夜中に?」
そう言ったら、二人は何も言わず暗い顔をしていた。 僕は?マークを浮ばせながら首をかしげた。
「お兄ちゃん達が・・・戦っているのって本当?」
僕は涼が口から言った言葉にドキッと動揺した。
「・・・どうして、それを?」
「昨日の夜、私達がトイレに向っている途中にいにいとお父さん達が、誰かと話している所を・・・私と涼ちゃんは偶然、見てしまったの。」
「ねえ・・・本当なの、お兄ちゃん?」
二人はさっきの暗い顔から真剣な目をしながら言った。 見られてしまったなら仕方が無い。
「・・・ああ、本当さ。」
僕は正直に言った。
「・・・どうして?」
涼は顔を下に向いたまま言った。 そしたら、急にポタ、ポタと音がした。
「え?」
「どうして・・・あたし達には・・・教えてくれなかったの・・・?」
突然、涼が大粒の涙を流しながら言った。
「小さい頃、お兄ちゃんは約束したよね?「僕たちは兄妹だから隠し事はなし。」って約束したよね?」
「・・・。」
僕は無言のままだった。 確かに僕はその約束を覚えている。 だけど今回のは別だった。 十二族が来た初日、父さんが「涼たちにはまだ早いから言うな。」って言われたから
「どうして・・・ひくっ、あたし達には・・・教えてくれなかったの・・・?約束・・・ひくっ、違うよ・・・お兄ちゃん・・・。」
「ごめん・・・父さんに言われたんだ。 「涼と洋にはまだ早い。」って。それに、僕は・・・妹が傷つく姿を・・・見たくなかった。想像しただけでも、恐かった・・・だから、言えなかった。」
僕がそう言ったら洋が口が開いた。
「にいにい・・・それは、私達も同じこと・・・。私達だって、お父さんやお母さん、にいにいが戦っていて、私たちはただ、それを見ることは・・・つらいの・・・私達は何も出来ずただ見るのさせつらい・・・傷つく姿もつらいの!」
洋のいつもの優しい顔はどこにもなく、怒っている顔だった。 洋がそこまで怒っていたことを、僕は実感した。
「だから・・・私達は決めたの。 にいにい達が戦うのなら・・・私達も、戦うって。」
「・・・。」
「・・・。」
しばらくの静寂。 僕たちは見詰め合っていて、洋の表情は全く変わらなかった。
「そっか・・・うん、わかった。」
「え?」
「僕は止めないよ、無理言っても無駄だとう思うし、そうだろう、涼、洋?」
元々この二人は言ったことには絶対に曲げないから何をどう説得をしても無駄なのは昔からわかっている。
「うん・・・私と涼ちゃんは決めたの。」
「ぐすっ・・・ぜ、絶対に・・・戦うもん・・・。」
「分かったから、もう泣くな涼。 涼は長女だろ? 妹の前で泣くなって。」
僕は立ち上がって、二人のほうによって涼の頭をなでて、慰めた。そしたら、涼は涙を拭きいつもの、元気の顔に戻った。
「うん・・・!」
「さ、もう遅いから、子供は早く寝なさい。」
「お兄ちゃんだって、子供じゃん。」
「僕は今から寝るの。 さ、早く自分の部屋に戻りなさい。」
「は~い・・・。」 「おやすみ、にいにい。」
二人は同時に言って、部屋から出た。
「ふう・・・さてっと、僕も寝るか・・・。」
僕はベットの方に戻り、ランプの電気を消そうとした、瞬間。
ドクン。
「!」
突然、体からまた妙な違和感を感じた。
(また、か・・・何なんだ・・・この妙な違和感・・・。)
僕が感じた違和感は、あの時クレトアさんが話していてる時のと全く同じの違和感だった。
「やっぱ、疲れているのかな・・・。」
僕は、そう思いながらランプの電気を消し、布団に入って眠りに付いた・・・。
「・・・。」
俺は今、階段の所にもたれかかっていた。 聞いてしまった。
「あなた。」
「淳・・・。」
「どうやら・・・あの二人・・・知っちゃったみたいね。」
「そうだな・・・。」
「あなたは、あの二人が戦うのをいいの?」
淳は心配そうな顔で俺に言った。
「父親としてはよくない・・・しかし、あの二人が決めたことだ。」
「あの二人・・・自分の決めた意思は、絶対にまげないものね・・・。」
「・・・。」
「つらい?」
俺は黙ってうなずいた。
「ああ・・・俺は、最初から、あの子達に戦わせたくなかった。でも、あの時奴らが罪の無い・・・この世界の人々が殺されて、それに怒った俺は、奴らの事で頭が一杯だった。」
「・・・。」
「そして・・・俺は、瞬に・・・家族の事を頼んだ。本当は俺が、守ってやらなきゃならなかったのに・・・。そのせいで、瞬を・・・息子を傷つけてしまった・・・守ってやれなかった・・・。俺が、あまりにも・・・頼りなかったせいで・・・。」
俺は思わず、涙を流した。 自分のあまりにも無力のせいで、自分の息子を傷ついてしまって罪も無い住人を殺されてしまった。
「あなた・・・。」
「なあ、淳・・・。 俺は・・・僕は・・・父親して・・・失格なのかな?僕は・・・自分の息子を守れなかった・・・あの時も、」
そう、今でも忘れれない過去の記憶。あの時もそうだ。 俺が、無力のせいで・・・あの人たちが・・・そう思ったら淳が俺の手を優しく包むかのようにつかんだ。 淳の手はとても暖かった。
「私は・・・あなたが十分、父親らしいと思いますよ。 だって・・・あなたは、この世界を守っている。それは、自分の家族も・・・守っていることでしょう?」
「・・・!!」
淳は、笑顔でやさしく言った。 それを見た俺は涙があふれ出て、子供たちが気づかない様に泣き声を押し殺した。 ああ・・・俺はなさけない、と俺は心のそこから思った・・・。
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