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新者の雑記置き場

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2009/09/20
23:57
狩人(後編)

―ビル 屋上―

「前に言わなかったか? 暗殺は敵にばれずに殺せ・・・って言ってなかったか?暗殺は、すでに静かに・・・気配を殺して・・・そして暗殺をする。これは暗殺をする大切な事だぞ・・・?」

男は腕を組みながら、ナルシファを睨んでいった。

「・・・私は、あなたみたいに暗殺なんかはできないぐらい知っているでしょう?それに、私には暗殺は向いてないわ。」

ナルシファは口から出ていた血をふき取り、立ち上がって頭と服を払った。

「き、貴様は!?」

ソウタ・・・ではなく、驚きながら声をあげたのは、龍木の方だった。そしたら、男は、ソウタの方を見たら、急にソウタをジロジロと見始めた。

「その刀と銃・・・どこかで・・・見たことがあるな・・・。」

そう言いながら、手を口に当てて考え始めた。 すると、思い出したのか急に笑い始めた。

「フッフッフ・・・ハッハッハッハ!! これは驚いた! お主、高倉之 豪龍(ごうりゅう)殿の息子、高倉之 龍木ではないか! 久しいな!」

男は高笑いしながら言った。

「ならばその体は、お前の子孫の体か!フフフ・・・まさか、あの方の息子の子孫に会えるとは・・・今宵はいい運だな!」

男は、まだ笑い続けて月を見ながら最後の部分だけ静かに言った。

(誰なの、あれ?)

(奴の名は、夜光 石氏。 お前も知っているはずだ・・・。)

(夜光 石氏って、教科書に書いてあった・・・高倉之軍にいた「鬼の武士」?)

(そうだ。 俺もやつの事はよく知っている。 奴は本当の鬼だ。戦闘に怖くなって逃げ出した兵を平気で殺したり、自分の命令に従わない兵も気に食わない兵も殺してします・・・奴は本当に鬼だ・・・。)

「お主がいることは・・・。」

夜光は後ろの方の扉がある方を見た。 そしたら、急に扉が乱暴に開いてソウタは後ろを振り返った。

「ソウタ、大丈夫か!?」 「ソウタ!」

智美と鏡が息を切らせながら、ソウタの近くまで走った。

―!!―

昌二は夜光の顔を見た瞬間、急に顔色を変えた。

「やはり・・・夜野家の者もいたか・・・。」

夜光は昌二を睨みながら、冷たく言った。そしたら、昌二は急に手を強く握りながら夜光を睨みつけた。

―貴様は・・・夜光・・・石氏・・・!!―

「えっ? どういうこと? どうなっているの?」

ソウタ達はどうなっているのか全く分からない状態になっていた。

「そういえば知らなかったよな。 夜野家と夜光家は・・・親戚同士なんだ。」

隆木は暗そうな声で言った。

「しかし・・・夜野家と夜光家の中はとくに険悪でな・・・昔では夜野家と夜光家の争いは絶えなかった。 だが、夜光石氏がたった一人で夜野家を・・・昌二の家族を滅ぼした・・・。 」

「フフフ・・・ここで夜野家のクソ童(わっぱ)に会うとはな・・・本当に今宵の夜はいい運だ・・・。」

夜光は薄気味悪い笑いながら、昌二に言った。そしたら、昌二は背中にある長い刀を素早く抜いて、夜光に向けた。

―・・・俺は会いたくも無かった・・・よくも・・・よくも、夜野家を・・・みんなを・・・この場で今すぐ、貴様を・・・父上の形見の・・・「三日月」で・・・貴様を斬る・・・!―

「フン。 調子に乗るなよ、夜野家のクソ童。 今の貴様では俺には触れない事ぐらい分かっているだろう?」

そう、昌二には体はなく、鏡と憑依しなければ意味は無い。 しかし、たとえ憑依をしても勝てるかどうかはわからいない。

「だが、安心しろクソ童。 俺は今、最高の気分だ・・・久々に、豪龍殿の息子も会えたし貴様にも会えた・・・。 だから今回は、見逃してやろう。 ただし・・・。」

そう言ったら、夜光は急に体を後ろに向いた。

「次に・・・俺の視界の入ってみろ・・・お前らの子孫の体を解体してやろう・・・。」

そう顔だけをソウタ達に向けて鋭く睨んだ。 そしたら夜光は屋上から飛び降りたら、壁を蹴ったと同時に、ナルシファが黒い翼を羽ばたかせて空を飛び、夜光の後を追った。 そして、二人は暗闇の中に消えていった。

―待て・・・!―

昌二は夜光を追うとしたら。

「落ち着け! 昌二!」

ソウタ(正確には龍木)の声が周りに凛と響いた。 そしたら、ソウタの体から出ている翼や尻尾がゆっくりと体の中に入っていってその数秒後ソウタの後ろから、龍木が現れた。

―今行った所では、追いつきはしないだろう。 それに今は、むやみに動いてはいけない。ここは一旦、退くんだ。―

龍木は腕を組んで冷静に言った。 そしたら、昌二の手が震えだした。

―・・・お前だって・・・人の事は・・・言えないだろう・・・!―

昌二は、手を強く握り締めて龍木をにらみつけたら、龍木は眉をピクッとして昌二を睨んだ。

―お前だって・・・分かるはずだ・・・! 家族や・・・みんなを殺した・・・奴を許せない気持ちが!お前だって・・・そうだろう!? お前だって・・・自分の父親が・・・!―

―やめて、昌二!―

昌二が何かを言いかけようとしたら、急に香菜芽が声をあげた。

―昌二・・・あなたの気持ちはわかるわ。 でも・・・今のはいけない・・・龍木だって・・・まだあの時の事を・・・―

香菜芽は、悲しそうな顔をして言ったら昌二は下を向いた。

―・・・すまぬ・・・龍木・・・。 すこし言い過ぎた・・・。―

―・・・構わない・・・奴との決着もついたし・・・もう、終えた事だから・・・―

龍木は顔を下に向きながら言って、消えていった。その後昌二は、暗い顔をしながら消えていき、香菜芽も消えていった。三人が消えたら、夜の風が聞こえるほどの沈黙になった。

「とりあえず、淳さん達の所に戻ろう。 みんな、心配していると思うし。 ね?」

沈黙の中、智美が元気な声をした。 そしたら二人はすこし微笑んだ。

「うん、そうだな。」

二人は同時に頷いたら、智美も微笑んだ。 そして三人は屋上から出た・・・。
 



「ふふふ・・・これは後が楽しめそうだな・・・。」

廃墟のビルの中、夜光は不気味な笑い方をしていた。ナルシファは窓の塀の所に座っていて、外の月を眺めていた。

「初めてこの世界に来た時、黒い奴らを飽きるほど殺しまくっているからな・・・やつらがいて、本当によかった・・・雑魚を殺すより、強い者を殺すのが心地いいからな。」

そう笑いながらその場に寝転んだ。 それを聞いていたナルシファはため息をした。

「あなたって、暇人なのかよくわからないわ。」

ナルシファは腕を組みながらそう言った。

「何を言う。 俺にとって殺しは最高な気分になることだ。 それぐらいお主もわかるだろう?」

そう言ったら、ナルシファはまたため息をした。

「・・・私はあなたみたいに殺しをたのしんではない。 確かに強者を倒すのは気分はよくなるのは正しいわ。」

「フン・・・半々の答えだな・・・。」

そうあざ笑うかのように夜光は笑った。 ナルシファは視線を外の方に戻した。そしたらナルシファは、突如疑わしい顔をした。

「! あれは・・・。」

「どうした? 何か面白いものでも見つけたか?」

それを見た夜光が口を歪めて笑いながら言った。そしたら、ナルシファは真剣な顔をして夜光を方に向いた。

「ねぇ・・・勝手だけど・・・しばらく、単独で動いてもいい?」

「うむ? 構わないが・・・?」

夜光はよく分からないまま頷いた。

「ありがとう。 三日後にはここに戻るわ。」

そう言って、ナルシファは黒い翼を広げ、窓から飛び降りたら翼を羽ばたかせながらどこかに飛んで行った・・・。
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