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2009/12/10 23:59 |
異世界から来た少女達 |
―桜咲宅―
その後は先生がなにも以上は無かったと言って普通の授業を受けていつもどおりに終わり放課後になった。 僕達は普通にかえって行き家に着いた。 僕は自分の部屋に戻りカッターをぬぎ、私服に着替えて財布をズボンのポケットに入れて、部屋から出た。
階段を下りて、靴を履いて紐を直していたらリビングから母さんが出てきた。
「瞬、どこかに行くの?」
「うん、「茶屋」で友達と行って来るの。 たぶん、夕飯には戻ってくるから。」
そう言って、僕は立ち上がって靴のつま先をとんとんとした。
「そう、気をつけていくのよ。」
「いってきまーす。」
―喫茶店「茶屋」―
五分後、僕は茶屋について中に入った。 中はそんな多くもなく少なくも無い状態だった。
「どこにいるのかな・・・。」
そうきょろきょろしたが、二人の姿は見えなかった。
「あら、瞬君。」
すると、奥からおばさんの人が出てきて僕に挨拶をした。
「あ、マスター。 こんにちは。」
僕は首を振って挨拶をした。 この人は、逆井俊子おばさん。 見た目は四十代のおばさんだが、喫茶店「茶屋」のマスターであってみんなから、若者にはマスター、年寄りは俊子さんってよばれているらしい。
「はい、こんにちは。 珍しいわね、一人でここで来るなんて。」
「いえ、ちょっと待ち合わせをしていて・・・そうだ、マスター、銀髪をした二人の女の子って今いますか?」
「ええ、いたわよ。 奥の方の席にいたわ。 何、瞬君の彼女? 若いわねぇ~。 でも瞬君、二股はだめよ。 男はすでに愛する一人の女一筋だから。 あ、でも瞬君すごく優しいから・・・」
そうマスターは少々興奮気味で言って僕はひっそりとため息をした。 この人は若者の恋や青春の話になると少々興奮気味になってしまう。 ちなみにこの人は結婚していて子供もいるのに、どうしてそういうものに興味があるのかよくわからない。
「彼女じゃありません。 友達です。 あまりからかわないでくださいよ。」
「あら、ごめんなさいね。」
マスターはホホホっと笑ってまた厨房に行った。 僕も智東さんを探そうと奥のほうをみたら、窓際の隅っこに二つの白銀の髪の女の子を見つけた。 僕は小走りでそこに向かった。
「智東さん。 ごめんね、遅かった?」
「気にしなくていいから、私達も少し前に来たばかりだから。」
そう言っていたら、和服の来た女性が来た。
「ご注文はありますか?」
と、優しい声で言った。 この人はこの喫茶店は和風が売りだから和服が制服らしいみたい。
「僕は緑茶。」
「私は特製あんこ抹茶クリームパフェと牛乳。 佳奈美は?」
「私は抹茶ケーキと牛乳。」
僕達はそれぞれ注文を言って、店員さんはスラスラと字を書いていった。
「以上でよろしいでしょうか?」
智東さんが「はい」って言って、店員さんが注文の確認をしたら「少々お待ちになってください」といって厨房に入っていった。
「さて・・・私達のことを話す前に自己紹介ね。」
「私はカチア王国第三隊特殊戦闘部隊「エグリス」副隊長、シオン・フィーグ・アルファシア。今は智東家に名前をもらって、智東 真奈美という名だ。」
「私は同じく「エグリス」隊員、クオン・フィーグ・アルファシアですけど、今は智東 佳奈美が私の名前です。」
「じゃあ、僕も改めて・・・僕は桜咲 瞬。 よろしくね。」
「あなたも知っているけど・・・私達はこの世界の人間じゃない。 この世界とは違う世界から来た人間よ。」
「君達の世界はどんなの世界なの?」
「・・・私達の世界はいい世界ではなかったわ。 平和な世界にいるあなたには分からないと思うけど。」
彼女が言った言葉に僕は首をかしげた。
「私達の世界は、戦争、窃盗、暴力、殺人が絶えない世界だ。 あなたには想像できないだろう?」
と、彼女の言った言葉に何の躊躇いもなく僕は首を縦に振った。 確かに彼女の言うとおり、僕にはまったく想像が付かない。 彼女の言った戦争とか暴力の言葉が僕は嫌いだった。
「私達アルファシア家は、白の闘士と呼ばれていて相当の権力やお金を持っていて苦労はしなかったけど、好きではなかった。」
「家族が?」
「別に家族が嫌いじゃあなかった。 だけど、民のために何かしてやりたかったけど、私達は幼すぎてなにも力にはなれなかった。 そんな自分が好きじゃあなかった。」
「でも、そんな中でも心優しい人はいた。 嬉しかった。こんな酷い世界にも優しい人はいるのだって私は知った。 私はこの人たちのために強くなって守ってみせるって心から固く誓ったのだった。」
「だった?」
そう言ったら、店員さんがこっちに近づいてきたのに気付いた。 話に夢中だったから、さっきまで気が付かなかった。
「お待たせしました。 緑茶と特製あんこ抹茶クリームパフェと抹茶ケーキと牛乳二つです。」
店員さんがそれぞれの品を置き、最後に「ごゆっくり。」と行って次の注文者のところに行った。 僕は緑茶を少し飲んだ。 ここの緑茶は甘くて苦いような味するからクセになる人もいて僕もその中の人だ。 そして彼女は話を続けた。
「私達が13歳の時、私達はクレアがいる「エグリス」に入った。 その時の私は他の戦士と感覚や素質が違っていて強かった・・・。」
「13歳でって・・・そんなに早く戦場にでて大丈夫なの?」
「通常は17歳から戦場をでるのだけど、私達には素質があったし、私は何よりも早く民達を救いたかった。 ただ・・・それだけ。」
「・・・。」
僕は彼女の言った事に言葉を失った。 人を救いたい気持ちはわかる。 けど、彼女は怖くはないのだろうか?当時の彼女はまだ13歳。 まだ子供。 僕もいえないけど。 彼女は本当に・・・。 やめておこう。 こんなの彼女にいえるはずがない。 僕は言いたい気持ちをこらえた。
「そして王の命で私の初陣の戦場に行った。 戦って勝利した。 これなら私はあの人たち・・・民達を守れる・・・そう思っていた。」
そしたら急に智東さんの表情が暗くなった。
「だけど・・・その半年後、ある組織が私達の前に現れた・・・。」
彼女はここで言葉を切って、息を吸った。
「その組織は・・・シグマと名乗った。」
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