2024/11/24 23:02 |
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2009/03/12 00:38 |
紅い月 |
―甘楽ビル 屋上―
「三多朗、満月の扉は後何分で開く?」
「たぶん、二分ぐらいだと思う。」
「あなた・・・。」
「なんだ、淳?」 淳が心配そうに声をかけてきた。
「あの子たちは大丈夫かしら?特に瞬は・・・、」
「わかっているそれぐらい。だが、外に出ても結界を張ったから大丈夫だろう。」
「それはそうだけど・・・。」
「そろそろ開きますよ、龍。」
「ああ、わかった。三人とも本気で行けよ。」
扉が開こうとした次の瞬間、
ピカーーー・・・。
「うあ!何だこの光は!?」
「この、紅い色の光は・・・まさか!?」
そしてしばらくしたら、紅い光は消え、目を開けたら、
「つ・・・月が、紅い色に変わった?どういうことだ?」 三多朗は驚いていた。
「あなた!これって、まさか!?」
「ああ、これは深紅の魔力・・・。ちっ、どうやら厄介なやつが来たみたいだな。」
「どういうことですか?これは一体!?」 京香が俺に尋ねた。
「話はあとだ! 召喚!」
ブウゥン!
―グオオオオオオ!!―
後ろから、黄色い魔法陣が現れ、そこから竜が出てきた。
―久しいな、龍よ。お前が我を呼び出すとは、よほど大ごとな事が起こったのか?―
「呑み込みが早くて助かるぞ、ドラン。お前らもいそいで召喚獣を呼べ!」
「「「「召喚!」」」
ブウウゥゥゥン!
淳からは水色の魔法陣、三多朗からは薄青色の魔法陣、京香からは橙色の魔法陣が後ろに現れ、それぞれの召喚獣が出てきた。
―久しぶりね。淳。それにみなさん。―
「久しぶりね、マリーネ。」 淳のはユニコーンのマリーネ。
―ほんとひさしぶりだぜー!!!―
「ランドン、失礼だぞ。」 三多朗のはゴリラのランドン。
―まったく、相変わらずですね。ランドンは。―
「彼らしいからいいじゃない、クルム。」 京香のは蝶のクルム。
属性が木だったら召喚獣ではなくって召喚蟲(しょうかんちゅう)を呼べる。
属性が木の人は基本的には攻撃力は低いが魔力は高く、回復能力を持っている。
「・・・て、のんきにこんな事をしている場合じゃない!早く行かなきゃ!!行くぞ、淳!」
「え、ええ!」
俺と淳はいそいで後ろを向いて走った。
「ちょっと待ってよ、龍!いったいこれは!?」
「簡単な事だ!どこかの頭がこの世界来たのだ!
あと、その頭に会ったら俺達に連絡しろ!絶対にだ!」そう言って俺は屋上から飛び降りた。
「ちょっと待ってよ、あなた!」淳も俺の後に飛び降りた。
「ドラン!一体化!」 そう言ってドランは、雷槍と一体化した。
雷槍の塩首から竜の毛が出た。
「マリーネ!一体化!」 マリーネは、淳の手足と一体化した。
淳の手足から水色の光が出てきた。
(くそ!まさか、あいつが来るとは予想もしなかった!しかし、なんだ?この嫌な胸騒ぎ・・・。)
俺は嫌な胸騒ぎをしながら、やつを探しに行った。
「ちょっと、龍!って、もういないし。」 三多朗は慌てて下を見たが龍達の姿は無かった。
「とりあえず行こうか、京香、ってどうしたの?」 京香は何か考え事をしていた。
なにやら一人でぶつぶつ言っている。
「どこかの頭・・・頭?ま・・・まさか!?」 京香は驚いた表情を見せた。
「ど、どうしたの、京香?」
「まだわからないの?龍が言っていた「どこかの頭」て言葉を。」
「どこかの頭?どこかの頭・・・はっ!まさか・・・!?」
「ええ、・・・棟梁が来た、みたいようね・・・。」
「そんな馬鹿な・・・。」
「とりあえず、今は行動よ。私たちは民間人の避難させよう。行くわよ、クルム。」
―分かっているわよ、京香。―
―俺達も行くぞ、三太郎。男ならビシッとしろ。―
「う、うん・・・。」
そう言って、三太郎たちは屋上から飛び降りた・・・。
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