2025/04/21 23:57 |
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2009/07/01 17:03 |
姉 |
―桜咲宅―
「おーい・・・。」
僕はリビングから出て洗面所に入って、彼女がいる風呂場に小さくノックした。
「もういいから、出てきて。」
そう言ったら、彼女は脅えた声で、「・・・だ、だれもいない?」と言った。
「うん、誰も居ないよ。 でもいつ来るか分からないから、いそいで。」
「う、うん・・・。」 と言ったら、ドアを開けて出てきた。
「とりあえず・・・外に出よう。 家の中じゃいつまで持つかわからないから。」
そう言って、僕は彼女の手をとろうとしたら、彼女は慌てて手を引っ込んで、体が震えていた。
「あ、そっか、ごめん・・・。」
そういえば、彼女は重度の男性恐怖症の事を忘れていた。
「・・・。」 彼女は黙って、顔を下に向けたままだった。
「とりあえず、行こうか・・・。」 そう言って僕たちは歩き出し、外に出た。
―堂千公園―
「と言っても、何処に行ったらいいのか・・・。」
僕はベンチに座ってポツリ独り言のように言った。 外には出たのはいいけど、何処に行ったらいいのか分からない。 彼女は家から出てからこの調子で何も喋らないし・・・。と思って、小さくため息をしたら、
「あ、あの・・・。」
突然、彼女が口を開いた。
「何?」
「何で・・・あなたは、そんなに優しいの・・・?」
「え?」
「私は・・・今まで、男の人は恐かった。 触れたくないぐらい・・・恐かった・・・。でも、あなたは違う・・・。 あなたは他の男の人とは違う・・・まったく恐くない・・・どうしてなの?」
「どうしてって、それは・・・当然の事じゃないかな。」
「どうして?」
「男は女にはやさしく、時には厳しく。て父さんが言っていた。 それにこの世界の男の人は、君が思っているのと違うよ。 この世界の人間はやさしいよ。 とっても。」
「そうなの?」 彼女は顔を上げて、僕の方に向いた。
「うん。」 僕は笑顔で頷いた。
そう言って、しばらくお互い、何も話さなかった。 家出て何分ぐらいたつのだろうか?とぼんやり考えながら、
雲を見ていたら、
「美奈!」 と叫んだ。
僕はその叫んだほうを見たら、女性がいた。
「お姉ちゃん・・・。」
「え? お姉ちゃん?」 僕は彼女の方を見た。
「うん・・・。 知佳お姉ちゃん・・・、私のたった一人のお姉ちゃん・・・。」
小さな声で言ったから聞き取れなかった所があるが、どうやら、彼女の姉らしいみたいだ。
「お前は、裏切り者の! アンタが美奈をさらったのか!」
そう言ったら二丁の銃を出し、僕に向けた。
「待ってください! 僕は彼女には何もしていません!」
「じゃあ、なんで美奈がアンタの横にいるのさ!?」
「僕はただ、彼女を探している人を探していたのです! 決して、彼女には手を出していません!」
「ふん、信用できないね! アンタは裏切り者の息子! あたし達の敵なんだから、信用は一切出来ないわね!」
「くっ!」
僕がいくら言っても、彼女は信じてくれなかった。
「アンタを殺して、美奈を連れて帰るわ!」
彼女は引き金を引こうとした、瞬間。
「お姉ちゃん・・・!」
突然、彼女が口に開いた。 そしたら、銃を持った姉は、彼女の方を見た。
「美奈?」
「・・・この人が言ったこと、全部・・・ほ、本当・・・。 だったから・・・やめて・・・お姉ちゃん・・・。」
彼女は震えながら言った。
「ど、どうしたの、美奈? 男を庇うなんて・・・あれだけ、男が嫌いだったのに・・・。」
さすがに彼女も敵であって重度の男性恐怖症の妹が男である僕を庇うのは驚くだろう。
「でも・・・この人は違う・・・私に・・・優しくしてくれた・・・私は彼の敵なのに・・・彼は優しくしたの・・・。 だから・・・おねがい・・・。」
彼女が喋り終わり、しばらくしたら、姉の方は銃をしまった。
「・・・わかったわ、あなたがそこまで言うんなら、コイツは殺さないわ。」
「ありがとう、お姉ちゃん・・・。」
「それと裏切り者の息子。」 彼女は鋭い目をして僕を睨んだ。
「何ですか?」
「今回は見逃してあげるわ。だが、次にあった時は必ずアンタを殺す。 それを覚えておくことね。」
「お姉ちゃん・・・。」
「美奈、分かっているはずよね? 裏切り者は必ず殺さないといけない事を・・・だけど今回の事はあたしに任せて。 あのお方ならきっと許してもらえるから。」
「うん・・・。」
「・・・帰るわよ、美奈。」
そう言ったら、彼女は背を向け、公園を出た。
「それじゃあ・・・ね。」
「うん、またね。」
そう言って彼女は歩き出した。すると、数十歩歩いたら、急に彼女は立ち止まった。
「・・・だから。」
「え?」
「・・・私の名前は、真木野 美奈、だから・・・。」
「・・・僕は桜咲 瞬。 君の事は覚えておくよ・・・えーっと・・・。」
「・・・美奈でいいよ。」
「ああ、じゃあ美奈、またね。」
「またね、・・・瞬。」
そう言ってお互いは手を振りなら別れていった・・・。
2009/06/25 14:53 |
泣いちゃいました・・・。 |
今、私はアニメの「アスラクライン」の最終話をみました。
とにかく一言、メッチャ泣きました・・・。
小説の方も泣きそうなぐらいで、アニメはもう、涙を流しました・・・。
さらにエンディングが流れ出したら、号泣したいぐらい、泣いてしまいました・・・。
今も涙が流しています・・・。
正直な所、かなり切なすぎる・・・。
自分の泣きたいランキングでは、もう1位です・・・。
で、最後のほうには・・・「アスラクライン」の第2期をやる報告がありましたが、
嬉しいには嬉しいけど、泣きたい気持ちが一杯だったので・・・。
2009/06/24 01:30 |
その7 佐波 京香 |
「みなさんはわかっていますけど、今回の15の質問は私の番です。
では、始めましょう。」
Q1 あなたの趣味は?
「特に無いけど、最近ギターとか弾いているわ。」
Q2 あなたの職業は?
「総合病院という大きな病院の看護師をやっているわ。」
Q3 なぜ看護師に?
「う~ん・・・私、看護師にちょっと興味があったからなってみたの。」
Q4 で、実際の所は?
「楽しいけど、ちょっと疲れるかな。 患者さんとか多いし。」
Q5 普段は何をしていますか?
「普段って言っても、平日仕事だしのんびり出来ないの。」
Q6 じゃあ休日は?
「土曜日はとにかく寝たい。
日曜日は三多朗と買い物や・・・デートしたり、いろいろと。」
Q7 家事とかは?
「ノーコメント。」
Q8 お金が落ちていたらどうします?
「届けるのが当然でしょ?」
Q9 この世界についてどう思っていますか?
「落ち着いて空気もいいし、夜空が綺麗。」
Q10 十二族についてどう思っていますか。
「・・・何も言えないわ。」
Q11 あなたのスリーサイズは?
「・・・まあいいわ。 たしか78・57・77だったような気がする。
あんまり覚えていないわよ、自分のスリーサイズなんか。」
Q12 なぜ三多朗が好きになったのですか?
「そ、それは・・・その・・・か、可愛いし、やさしいし、一緒にいると・・・
もうやめて・・・恥ずかしくって死にそうだから・・・。」
Q13 三多朗が先に告白したのはあなただっていてましたけど本当?
「う・・・ほ、本当よ。 ・・・お願いだから、そういう質問・・・やめて・・・。(赤面)
Q14 三多朗と風間 殺祁の関係を知っていますか?
「いいえ、それについて何も・・・。 まだ十二族にいた時私と風間は
二、三度しかあったことがなにし、喋らなかったわ。」
Q15 料理とかはできますか?
「出来るのに決まっているでしょう! この前目玉焼き作ったんだから!
・・・結局、失敗したけど。」
「と、とりあえず、以上よ。 また次回を楽しみに待ってください。」
2009/06/20 23:59 |
その6 飛月 三多朗 |
「ど、どうも、飛月 三多朗です。 やや緊張しています。」
「今回の15の質問は、僕の番です。 質問をどうぞ。」
Q1 あなたの趣味は?
「う~ん・・・特には。」
Q2 あなたの職業は
CDショップ、「GET!‐ゲット!‐」で働いています。」
Q3 職場でのいやな事は?
「なんか、お客から妙な視線で見られている事かな。
たぶん、この顔のせいだと思うけど。」
Q4 なんでそんな顔なんですか?
「そんなって言わない、この顔は生まれつきです。」
Q5 普段は何をしていますか?
「店がやっている日は働いていて、休日は家事や料理をしています。」
Q6 料理は上手ですか?
「一般的な家庭料理なら。」
Q7 お金が落ちていたらどうします?
「届ける。」
Q8 この世界についてどう思っていますか?
「平穏で落ち着く世界。」
Q9 十二族についてどう思っていますか?
「・・・あんまり語りたくない。」
Q10 京香とはどこで出会ったのですか?
「十二族に入った時。彼女と出会った瞬間、なんだかドキッっとしちゃって。」
Q11 どっちが告白したのですか?
「・・・最初は僕の方から言おうとしたら・・・その、彼女が先に言っちゃったみたい。
(赤面)」
Q12 なぜ結婚しないのですか?
「・・・彼女はいつでもいいって言っているけど、僕にはある事情あって。
そいつをケリをつけなきゃいけない。 ケリがついたら、結婚しようと考えている。」
Q13 風間 殺祁とはどういう関係?
「・・・彼のことは言いたくない。」
Q14 なぜ三ちゃんと呼ばれるのがいやですか?
「なんか感に触れるし、自分でも気にって無い。」
Q15 もし、女顔じゃあなかったら?
「それはそれなりに嬉しいよ。 ていうかなって欲しいぐらいです。」
「以上です。それじゃあみなさん、次回も期待してください。」
2009/06/18 00:02 |
協力 |
―桜咲宅―
「協力?」
「ええ、闇の死者はかなり手強い。やつらは仲間や同胞、それぞれの世界の住人達が殺されていってしまいました。だから我々光の裁判官は一人でも多く、協力者が必要なのです。無理には言いませんが、私の方はどうか協力してほしいのですが・・・。」
「どうするの、龍?」 京香さんが訊いてきた。
「うむ・・・そちらも大変なのも分かるが・・・。」
父さんは少し首を曲げて考えた。
「少し考えたいから一日と半日、待っていただきのだが、いいだろうか?」
「かまいません。協力していただくのなら我々は大歓迎です。」
クレトアさんは少し喜んだ顔をした。
「ちょっといいか?」 急に三多朗さんが声をあげた。
「なんですか?」
「光の裁判官の協力者ってどのくらいいるのだ?」
と言った。 それは僕も気になっていた。
「たしか、今日の報告の三人を含めて・・・1525人ですね。」
「えっ!」 僕はあまりにも驚いて声をあげた。まさか
そんなにいるとは思わなかった。僕の中じゃ、500~600人ぐらいかと
思っていた。
「まさかそんなにいるなんて・・・世界って広いのですね。」
「ええ、世界はあなたが思っていた以上に広いのです。」
僕は初めて実感した。世界が、こんなに広いと実感が・・・
ドクン・・・。
(! なんだ、今の?)
突然、僕の体から違和感というか何かが起こった。
(何だっただろう、今の? いきなり、何かが僕の体に?)
「ん? どうしたの、瞬? 顔色が悪いけど。」
僕に気づいた三多朗さんが訊いてきた。
「い、いえ。 大丈夫です。」
「瞬、お前は早く寝ていろ。 って言ってももう朝か。」
父さんは時計を見ながら言った。 今はもう、5時56分。もう太陽も出ていた。
「それでは私はこの辺で。また、一日後のお昼ごろにそちらに向いますので。」
と言って立って玄関のほうに向おうとした瞬間、
ズズズ・・・
「なっ!」
突然、クレトアさんの前に空間の傷口が現れ、その中に入っていき、空間の傷口は跡形も無く消えた。
僕達は驚愕していて誰も喋らなかった。数分したら、みんなは力が抜けたかように座った。
「な、なあ龍。 今、あの男がやったのは・・・空間切断じゃ、ないか?」
「ああ・・・そうだな。」
「そうだな、ってありえないでしょ!? 空間転移ならともかく、空間切断なんて・・・。」
父さんは冷静に答えたに対し、京香さんは驚きが隠せないように叫んだ。
「とにかく、今は休んだほうがいいだろう。俺達、ちっとも休んでないからな。佐波も休んで冷静になれ。」
父さんはふとため息ついて言った。
「・・・帰るわ。」
京香さんはいらだった顔をして玄関に向かった。
「ちょ、ちょっと待ってよ。 それじゃ龍、また明日。」
三多朗さんは京香さんに続いて帰っていった。
「じゃあ、俺は少し寝るから。」
そう言って父さんは、ソファーに寝転んだ。
「じゃあ僕は・・・あ。」
「ん? どうした?」
「う、ううん、なんでもない。」
実際の所僕はとんでもない事を忘れていた。 話に夢中だったせいで、十二族のあの子の事をすっかり忘れていた。 僕は、父さんにばれない様に風呂場に行った・・・。