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2009/07/15 14:44 |
新たな・懐かしき仲間 |
―桜咲宅―
「いやー驚きましたよ、オージさん。 まさか、あなたがこの世界にいた
なんて・・・。」
「いや、オージさんに子供がいたって所が一番の驚きだろ?」
「あたしは、どっちも驚いたわよ。」
「ははは、こっちも驚いたよ。 まさか、君達が光の裁判官の協力者だったなんて思ってもいなかったしね。 それに君達も変わってないね。 昔のまんまだ。」
「はい、お茶です。」
話している途中に、母さんがお茶を運んできた。
「あ、どうもすみません。」
右に座っている男の人が母さんにぺこりと礼を言った。
「所で父さん、この人たちって?」
「ああ、紹介するの遅かったな。」
そう言ったのはさっき母さんに礼をした人だ。
「俺は、神野 ソウタで、こっちの幽霊が俺のご先祖、神野 龍木だ。」
―よろしくな。―
「あたしは水里 智美。 こっちが私の・・・水里家のご先祖、水里 香菜芽。
―香菜芽です。―
「俺は、夜野 鏡介。 これが、俺のご先祖の夜野 昌二だ」
―・・・よろしく。―
「へぇ~・・・これが幽霊・・・実際で見るの始めてだな・・・。」
―お、珍しい子だな。 俺たちを見ても驚かないなんて・・・。―
「こらこら、涼。 あまり、ジロジロ見ないの。 迷惑でしょ。」
―いえ、迷惑ではありません。 人は私達は見られただけですぐ逃げてしまいますけど・・・この子はビビりマンで根性無しの人達とは全然違うので、全く迷惑ではありません。―
とにこやかな顔をして、悪口みたいな事を言った。
「は、はあ・・・。」
「こ、こら、香菜芽! あなたまた言っているわよ!」
―あら、そうだったのかしら?―
「あの・・・龍木さん達、ちょっと席はずしてもらえませんか?」
―なぜ?―
そう言ったらソウタさんがあっ、声をあげた。 僕の隣にはさっきから洋が僕の腕を掴んで物凄くガタガタ震えていて、僕の腕もガタガタ震えていた。
「僕のもう一人の妹が、幽霊とか嫌いですからさっきからガタガタ震えているので・・・・。」
そう言いながら僕は洋を見たら、すでに泣き叫びそうな顔だった。
―しょうがないか・・・鏡・・・あとで報告たのむ・・・行くぞ、龍木。―
そう言って、昌二さんは消えた。
―言われなくても分かっているよ。―
龍木さん達もその後に続いて消えた。 そしたら、いなくなったのか洋の震えが収まった。
「・・・あの、話を進めたいのですが・・・。」
クレトアさんが困った顔で言ってきた。 そう言えばこの人の事をすっかり忘れていた。
「ああ、すまなかった。 で、協力の話だっけ?」
「ええ、あなた方が協力をすれば、光の裁判官はだいぶ力が入りまし、我々は全力であなた方の命をお守りします。」
そう言ったら、父さんは腕を組んで目を瞑り、考え込んだ。そして、一分ぐらいしたら目をゆっくりと開けた。
「・・・わかった、協力しよう。 闇の死者がこの世界に来たら、かなりまずいからな。」
「ありがとうございます。」
そう言ったら、クレトアさんは立ち上がって、父さんの方に手を差し出した。
「契約成立の握手です。 これからは、お互い仲間です。助け合っていきましょう。」
「ああ、宜しく頼むなクレトア・・・さん。」
「さん付けはいいです。 仲間なんですから、クレトアと呼んでください。」
「じゃあクレトア、改まって宜しくな。」
そう言って父さんは、立ち上がり手を出してクレトアさんと握手した。その光景を見てどこか安心した僕はちょっと微笑んでいた、瞬間。
ドクン!
「!」
また起きた妙な感覚。 しかし今回のは違っていて、急に目眩がして少し、頭痛を感じた。
「どうしたの、にいにい? 顔色が悪いよ? 気分でも悪いの?」
僕の異変に気づいた洋が心配しながら話してきた。
「ああ・・・大丈夫だよ、洋。 ちょっと、トイレに行って来るね。」
そう言って、僕はリビングを出たら、胸元をおさえてフラフラと歩きながらトイレに入っていった。
「ハァ・・・ハァ・・・何だったんだ、今回の妙な感覚は・・・やけに強い感覚だ・・・。」
僕は胸元を押さえながら言った。 今は目眩はないが、頭痛がまだ収まらなかった。
「一体どうなっているのだ、僕の体は・・・。」
と思った時、ある言葉が僕の頭の中に浮んで来た。
―汝の力が目覚めない限り、我ら、永遠に目覚めない。―
「・・・まさか、彼が言っていた力って・・・まさかね・・・。」
今は確信が付かない。 でもたぶん、その内に彼が言っていた力が分かるかもしれない、と心の中でそう思った・・・。
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