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2009/04/24 18:22 |
気絶 |
―桜咲宅―
「ただいまー。」
「・・・誰も居ないみたいだな。」
「父さんたち・・・まだ帰っていないのかな?」
「だな・・・。そりより、もう下ろしていいか?もう腕が持たん。」
森本の背中には涼と洋が気持ちよく寝ていた。
「ああ、すまない。悪いがこのままリビングに運んでくれ。」
十二族が去ってから僕達は、周囲に警戒しながら家に戻って
なんとか無事に家にたどり着いた。
「ふう、重かった・・・。それにしてもよく寝るなこの二人。
昨日の夕方ぐらいに寝てたのに。」
森本は二人を下ろしながら言った。
「涼と洋はとくに何も無い日は大抵ぐっすりと寝るのさ。
遅くても昼に12時に起きるはずだ。」
「長いな・・・下手にしたら永眠するぞ、この二人・・・。」
「気にするな。それにしても、庭が酷いことになっているな・・・。」
庭にある花や、地面がすでにボロボロになっていた。
「すまん・・・出来る限り、お前の庭は守ったのだが・・・。」
森本は悲しいそうな顔で言った。僕は励まそうとした、次の瞬間
「ぐああっ!」
突如、頭が割れるような頭痛が僕を襲った。僕はあまりにも苦しんで
その場で倒れた。
「お・・!大・・か・・咲!しっ・・・しろ!」
森本の声がするが、うまく聞き取れない。そして、そんな頭痛で
苦しんでる中、
―来たれよ・・・。汝の心の中に・・・。―
という、頭の中から言葉が聞こえた。
(だ、誰!?誰が・・・僕を・・・呼んでいるの!?)
僕は頭痛の中で答えた。
―来たれよ・・・。汝の心の中に。・・・―
また、さっきの言葉が聞こえた。
―我らは・・・汝に用がある・・・。―
(我らに用だと・・・!?・・・っ!まずい、意識が・・・。)
あまりにも激しい頭痛が僕を襲って、意識が途切れそうだった。
「・・・!・・・・・!」
森本が必死に声をあげている。しかしその声は全く聞こえず、
辺りがかすんできた。
そして、僕の意識は途切れた・・・。
―上空―
「・・・たしかに、ここにやつら来た形跡があるな・・・。」
上空の上に白いフードをかぶった二人組の男がいた。一人が青年で、もう一人は、すこし小柄な青年。
「うん、感じる・・・。微かだけど、奴らの魔力が残っている。」
「情報どおりか・・・この世界に観察隊を送っていて正解だな。」
「どうするの?すぐに本部に連絡する?」
「そうしてくれ。それと、増援隊も呼んでくれ。」
「わかった。じゃあ、僕は一旦本部に戻るから。」
「頼んだぞ。」
そういって、小柄の男は消えた。
「さて・・・私は少し、捜索でもするか・・・ステルス、起動。」
男の腕にある機械の小さなランプが黄色に光り、ゆっくりと消えていった・・・。
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