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新者の雑記置き場

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2009/09/27
02:19
契約

―???―

「うん・・・?」

僕が目を閉じていたら、急に明るくなっていて、風が当たっている感覚がした。 僕はゆっくり目を半分開けたら、まず目に飛び込んできたのは青い空と白い雲、輝いた太陽だった。 

「なんだ・・・ここは・・・?」

僕は、ゆっくりと体を起こしたら、辺りはどこまでも続いている緑の草原だった。もちろん、前後左右。 そんな中、僕は「こんな所で本を読んだら最高だろうな・・・。」とのんきに呟いていた。

「ん?」

そしたら、急に誰かが僕の袖を引っ張った。 僕はそっちの方を見たら、なぜか冬物の黒い服をきた無表情な少女がいた。

「君、誰?」

僕は腰を低くし、女の子に訪ねてみた。

―・・・私は、レグリー様が召喚された夢魔です。―

すると、何処からか声が聞こえた。 しかし、妙なことに僕は特に驚きもしなかった。 この声がなんとなく分かっていたような気がしたから。 とは言っても、いろんな出来事があったからこっちの方はとくに驚くほうではない方だ。

「夢魔って・・・悪い夢を見せる悪魔の事?」

僕はそう言ったら、無言で頷いた。

― 一般的にはそうですが、私は違います。 私は一般的な夢魔とは違って、夢の中で人を癒すのが役目・・・とは言っても、私はすこし前に召喚されたばかりですから。―

「そうなんだ・・・所で、君が言ったレグリー様って?」

―レグリー様はあなたの心の中で眠っていらっしゃる方です。―

僕はそれを聞いた瞬間、一瞬えっ?と驚いた。

「ちょ、ちょっと待って。 と言うことは・・・目覚めたの? その・・・レグリーって言う人って・・・。」

―はい。―

「いつ?」

―わかりません。―

彼女は無表情のまま、一言で否定した。

―では、本題に移ります。―

そして、話を勝手に進めていった。 少しはゆっくりと進んでよ。

―レグリー様が私をあなたに契約しなさいって、頼まれているのです。―

「契約って・・・一体どんなことをするの?」

―私があなたをお守りすること・・・ただそれだけです。―

「うーん・・・どうしてもしなきゃいけないの?」

そう言ったら、無言で首を縦に振った。

「・・・わかった。 契約するよ。」

―わかりました。 では、すこししゃがんで下さい。―

彼女がそう言ったら、僕は腰をちょうど彼女の顔ぐらいまでおろした。 そしたら、彼女は顔を近づけてきた。そして・・・

「!?」

僕は一瞬、何が起こったのかが分からなかった。 急に唇になにかやわらかい感触を感じて、ただ目の前が目を瞑った彼女の顔しか見えなかった。そして、しばらくしたら、彼女は僕の顔から離れていったら、僕はその場にお尻をついた。

「なっ・・・!」

僕は頬を染めながら慌てて自分の唇をさわった。 小さい時からは涼と洋に頬にキスされていて頬ならなれているけど、口にはなれないから。しかも妹達じゃなくって始めてあった夢魔とキスをしてかなり動揺プラス緊張がはしった。

―これで・・・契約は完了しました。―

一方の彼女は、顔色を一切変えず無表情のままで言った。 少しは顔色を変えてよ。

「・・・君は・・・恥ずかしくないの? その・・・キスされるのって・・・。」

―いいえ恥ずかしくはありません。これが夢魔との契約方法ですから。―

その時僕は、僕の心に眠っているレグリーって言う人に、もうちょっと普通のものを召喚してくださいと心の底から思った。

「そ・・・そう。 えーと・・・君の名前は?」

僕はまだ緊張と動揺しながら、彼女の名前を聞いて見た。 しかし、なぜか彼女は、首を横に振った。

―私などに名前はありません。 私はただ、レグリー様が呼んで、あなたを契約するために呼ばれたのです。それに、私に名前など必要など無いのです。―

「そうか・・・ないのか・・・それは困った・・・。」

僕はそう腕を組んで言った。 正直な所、本気で困っている。 名前が無かったらどう読んでいいのがわからない。 かといって普通に「君」なんかだとへんだし・・・。

「うーん・・・よし。 じゃあ、今から君の名前はエミだ。」

―いえ、だから私には名前など必要―

「あるよ。 だって、名前が無きゃなんて呼べばいいのかわからないし。 それに、名前って言うのはとても大切なものだからね。」

―大切な・・・もの?―

「うん。 名前はね、一人一人の人間が持っているもので、他の誰も持てないもので、もあるし・・・何より名前は親が生まれる子供のために必死に考えて、つけて貰ったもの・・・だから名前ってものは大切なものなんだ。」

ー・・・そうですか・・・大切なもの・・・。―

そう呟いたら、胸に手を当てて目を瞑った。

―・・・はい、わかりました。 エミ・・・ですか・・・とてもいい名前です・・・。―

そう彼女は、顔を下に向いて言った。 一瞬だったけど、彼女が笑ったような気がした。 

「うん・・・よろしくね、エミ。」

僕は、エミの頭をやさしく撫でてやった・・・。
 

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2009/09/25
23:33
恐怖

―???―

「またここか・・・。」

周りが真っ暗な中、僕は一人だけポツンと立っていた。 もうなれたけど、自分でもこんなのになれるのはちょっとやだけど・・・。そう思いながら、オーズが現れるのを待った。 しかし、いくら待ってもオーズは現れる気配がしなかった。   

「オーズ・・・?」

僕はオーズを呼んだが、現れる気配が全く無かった。 そしたら、急に小さなノイズみたいな音がした。

―・・・か・・・るか・・・!―

何処からかかすれたような声が聞こえて、周りを見回した。 最初は前を見たが何も無かった。 次に左右を見たが前と同様、なにもなかった。最後にに後ろをみたら、テレビのノイズ見たいな球体が浮いていた。 僕がそれが何なのかが分かった。

「! オーズ! ど、どうしたの、その姿!?」

僕は急いでオーズの方に近づいたら、ノイズの音がどんどん高くなっていったが、僕は気にせずにオーズ

―・・・予言の国・・・何者・・・侵入して・・・みなが・・・殺され・・・!―

「えっ? 何を言っているの、オーズ?!」

オーズの声はノイズの音とかすれた声で殆どの声が聞き取れなかった。

―・・・我も・・・限界・・・もうここに・・・ない・・・だから・・・しか・・・聞け・・・!―

その時、オーズの本気が伝わったのか、僕は無言でゆっくりと頷いた。

―明日の・・・お前の命・・・奴が・・・来る・・・だから・・・!!―

オーズが慌てて僕に何かを言っている途中、オーズはテレビが切れたかのように消えていった。

「オーズ!!」

僕がそう叫んだら、前から急に光り始めて目を瞑った。 しばらくしたら、体からすごい熱気を感じて慌てて目を開けた。 そこで僕が見た光景は禍々しいものだった。

「な・・・何・・・これは・・・? う・・・うえ・・・!」 

僕は目の前の光景を見た瞬間、突然その場に嘔吐してしまった。

多くの建物みたいなものは崩壊されていて、家は焼かれ、壊されていて、たくさんの人が血まみれに倒れ、顔や体を解体されいて、目玉や体の部分が飛び出ていて、体の全身の皮膚がはがれていた。

「ひ・・・酷い・・・。 だれが・・・こんな・・・。」

そしたら、近くから爆発音が聞こえてそっちの方に向いたら、炎の中から人が出てきた。 そして次の瞬間、僕は体全体が凍りつくような光景が眼に飛び込んだ。 

その、うしろからかなり大きな二人の巨人がいた。遠くは無いけどその二人の巨人の手には何人の人がいて、そして誰かに見せ付けるように腕を上げ人を握り潰したら血と体の部分の雨が降った。 そしたら、巨人の前にいる人が、血の雨の降る中、カカカカと高笑いしながら声をあげていた。 まるで人を殺しているのを楽しんでいるかのような笑いだった。

僕は思わず、全身が震えだし、また嘔吐してしまった。 そしたら、こっちに気づいたのか巨人の前にいた人が、首だけを回して僕の方を見て、数秒後、その人はニタァと笑った。その笑いは悪魔みたいで・・・いや、悪魔そのものだった・・・。


―桜咲宅―

「うわああぁぁ!!」

それと同時に僕は夢から覚めて、ベットから跳ね起きるかのように飛び起きた。

「ハァ・・・ハァ・・・。」

僕は荒い息をしながら、手で顔の汗を拭いた。体からもいっぱい汗が出て、服がすでにビチョビチョだった。 窓からは三日月の光が輝いていて、辺りが殆ど見えている。

「まだ・・・夜か・・・今何時かな・・・?」

僕が時計の方を見ようとしたら、手に誰かの手が握られている感覚がした。

「うん?」

手の方を見ると、涼と洋が僕の手を握っていながらスヤスヤと眠っていた。

「ふう・・・看病しないでって言わないけどせめて布団を引いて寝てよ、二人とも。」

僕はそばにあったもう一つの布団を取って、二人にかぶせて時計の方を見た。

「今は・・・二時か・・・。」

そう時計を見ながら呟いていたら。

「う~ん・・・お兄ちゃん・・・。」 「にいにい~遊ぼう・・・。」

二人は幸せそうな顔をしながら寝言を言った。 僕は二人の寝言に微笑んだ。 

「ふふ・・・。 微笑ましい光景だね、まったく・・・ありがとう二人とも・・・。」

僕は微笑みながら二人の頭を撫でた。 そして僕は再び眠りに付いた・・・。

 

2009/09/25
19:47
流れ星は大抵百回願い事を言わないと叶わない(嘘)

ども新者です。 文化祭が終わって早・・・忘れた・・・どうでもいいけど。

とりあえず、どうでもいいことの一言。 やっと事件は解決した・・・。

なんて、ちょっと刑事ドラマに出てくるお約束(?)の言葉です。

事件と言うと、火曜日からなぜかインターネットがつながらなくなってしまいました・・・。

で、今日の五時二十五分にやっとインターネットがつながりました・・・(疲)

と言うことで、もう疲れたので寝ます。

2009/09/20
23:57
狩人(後編)

―ビル 屋上―

「前に言わなかったか? 暗殺は敵にばれずに殺せ・・・って言ってなかったか?暗殺は、すでに静かに・・・気配を殺して・・・そして暗殺をする。これは暗殺をする大切な事だぞ・・・?」

男は腕を組みながら、ナルシファを睨んでいった。

「・・・私は、あなたみたいに暗殺なんかはできないぐらい知っているでしょう?それに、私には暗殺は向いてないわ。」

ナルシファは口から出ていた血をふき取り、立ち上がって頭と服を払った。

「き、貴様は!?」

ソウタ・・・ではなく、驚きながら声をあげたのは、龍木の方だった。そしたら、男は、ソウタの方を見たら、急にソウタをジロジロと見始めた。

「その刀と銃・・・どこかで・・・見たことがあるな・・・。」

そう言いながら、手を口に当てて考え始めた。 すると、思い出したのか急に笑い始めた。

「フッフッフ・・・ハッハッハッハ!! これは驚いた! お主、高倉之 豪龍(ごうりゅう)殿の息子、高倉之 龍木ではないか! 久しいな!」

男は高笑いしながら言った。

「ならばその体は、お前の子孫の体か!フフフ・・・まさか、あの方の息子の子孫に会えるとは・・・今宵はいい運だな!」

男は、まだ笑い続けて月を見ながら最後の部分だけ静かに言った。

(誰なの、あれ?)

(奴の名は、夜光 石氏。 お前も知っているはずだ・・・。)

(夜光 石氏って、教科書に書いてあった・・・高倉之軍にいた「鬼の武士」?)

(そうだ。 俺もやつの事はよく知っている。 奴は本当の鬼だ。戦闘に怖くなって逃げ出した兵を平気で殺したり、自分の命令に従わない兵も気に食わない兵も殺してします・・・奴は本当に鬼だ・・・。)

「お主がいることは・・・。」

夜光は後ろの方の扉がある方を見た。 そしたら、急に扉が乱暴に開いてソウタは後ろを振り返った。

「ソウタ、大丈夫か!?」 「ソウタ!」

智美と鏡が息を切らせながら、ソウタの近くまで走った。

―!!―

昌二は夜光の顔を見た瞬間、急に顔色を変えた。

「やはり・・・夜野家の者もいたか・・・。」

夜光は昌二を睨みながら、冷たく言った。そしたら、昌二は急に手を強く握りながら夜光を睨みつけた。

―貴様は・・・夜光・・・石氏・・・!!―

「えっ? どういうこと? どうなっているの?」

ソウタ達はどうなっているのか全く分からない状態になっていた。

「そういえば知らなかったよな。 夜野家と夜光家は・・・親戚同士なんだ。」

隆木は暗そうな声で言った。

「しかし・・・夜野家と夜光家の中はとくに険悪でな・・・昔では夜野家と夜光家の争いは絶えなかった。 だが、夜光石氏がたった一人で夜野家を・・・昌二の家族を滅ぼした・・・。 」

「フフフ・・・ここで夜野家のクソ童(わっぱ)に会うとはな・・・本当に今宵の夜はいい運だ・・・。」

夜光は薄気味悪い笑いながら、昌二に言った。そしたら、昌二は背中にある長い刀を素早く抜いて、夜光に向けた。

―・・・俺は会いたくも無かった・・・よくも・・・よくも、夜野家を・・・みんなを・・・この場で今すぐ、貴様を・・・父上の形見の・・・「三日月」で・・・貴様を斬る・・・!―

「フン。 調子に乗るなよ、夜野家のクソ童。 今の貴様では俺には触れない事ぐらい分かっているだろう?」

そう、昌二には体はなく、鏡と憑依しなければ意味は無い。 しかし、たとえ憑依をしても勝てるかどうかはわからいない。

「だが、安心しろクソ童。 俺は今、最高の気分だ・・・久々に、豪龍殿の息子も会えたし貴様にも会えた・・・。 だから今回は、見逃してやろう。 ただし・・・。」

そう言ったら、夜光は急に体を後ろに向いた。

「次に・・・俺の視界の入ってみろ・・・お前らの子孫の体を解体してやろう・・・。」

そう顔だけをソウタ達に向けて鋭く睨んだ。 そしたら夜光は屋上から飛び降りたら、壁を蹴ったと同時に、ナルシファが黒い翼を羽ばたかせて空を飛び、夜光の後を追った。 そして、二人は暗闇の中に消えていった。

―待て・・・!―

昌二は夜光を追うとしたら。

「落ち着け! 昌二!」

ソウタ(正確には龍木)の声が周りに凛と響いた。 そしたら、ソウタの体から出ている翼や尻尾がゆっくりと体の中に入っていってその数秒後ソウタの後ろから、龍木が現れた。

―今行った所では、追いつきはしないだろう。 それに今は、むやみに動いてはいけない。ここは一旦、退くんだ。―

龍木は腕を組んで冷静に言った。 そしたら、昌二の手が震えだした。

―・・・お前だって・・・人の事は・・・言えないだろう・・・!―

昌二は、手を強く握り締めて龍木をにらみつけたら、龍木は眉をピクッとして昌二を睨んだ。

―お前だって・・・分かるはずだ・・・! 家族や・・・みんなを殺した・・・奴を許せない気持ちが!お前だって・・・そうだろう!? お前だって・・・自分の父親が・・・!―

―やめて、昌二!―

昌二が何かを言いかけようとしたら、急に香菜芽が声をあげた。

―昌二・・・あなたの気持ちはわかるわ。 でも・・・今のはいけない・・・龍木だって・・・まだあの時の事を・・・―

香菜芽は、悲しそうな顔をして言ったら昌二は下を向いた。

―・・・すまぬ・・・龍木・・・。 すこし言い過ぎた・・・。―

―・・・構わない・・・奴との決着もついたし・・・もう、終えた事だから・・・―

龍木は顔を下に向きながら言って、消えていった。その後昌二は、暗い顔をしながら消えていき、香菜芽も消えていった。三人が消えたら、夜の風が聞こえるほどの沈黙になった。

「とりあえず、淳さん達の所に戻ろう。 みんな、心配していると思うし。 ね?」

沈黙の中、智美が元気な声をした。 そしたら二人はすこし微笑んだ。

「うん、そうだな。」

二人は同時に頷いたら、智美も微笑んだ。 そして三人は屋上から出た・・・。
 

狩人(その後)

2009/09/17
23:49
狩人(前編)

―駐車場―

「ふう・・・今ので最後かな・・・どう、龍木?」

―うむ、周りに黒い気配はしない。 どうやら、終わったみたいだな。―

「ハァ・・・二回目は流石にきつい・・・奴らは相当な数で攻めてくるからな・・・。」

と、鏡はしゃべりながら持っていた長い刀を収めた。

「ねえ、そろそろ戻らない? 淳さん達、私達が二回も闇の死者に襲われたこと知らないから、心配しているのかもしれないよ?」

「うん。 そうだな、よし一旦・・・。」

ソウタが喋りかけた途端、人が通れるぐらいのビルの隙間から銀色のナイフが何十本も飛んできて、智美と鏡はかわしたがソウタは二本の刀で防いだり綺麗にかわしたりした。

「誰だ!?」

ソウタの声が周りにも響いた。やがて何十本も飛んできたナイフが急に飛ばなくなった。その次に、かつ、かつっと、足音らしき音がソウタ達に近づいてきていた。ソウタは持っていた刀を無意識に強く握り締めた。 そして、さっきのビルの隙間から人影が見えてきて、出てきたのは黒いゴスロリ風の服をきた女性だった。

「・・・見かけによらず、中々の強さね・・・あなた。」

そう歩きながら口を歪めて言った。

「誰だ、アンタは! 闇の死者の人間か!?」

「闇の死者? なにそれ?」

女性は本気でわからない顔をしていた。

「私はそんなわけも分からない連中の仲間ではないの。私の名はナルシファ。 ナルシファ・レドン・ヴォルヴ。 ただの狩人よ。強い獲物を探し、そして・・・狩る・・・それだけよ。」

そう言って、両手から五本の銀色のナイフが出てきたら、彼女の背中から黒い翼が生えひろげた。

―・・・狩人・・・か。―

昌二は一人ポツリと呟いた

「まあ、狩人だがなんだか知らないが、相手になるのなら相手をしてやろう。」

そう言ってソウタは足を一歩前に出した。

「ソウタ、大丈夫なの?」

智美は心配そうな顔をしながら言い掛けてきた。

「心配するな。 俺の体は俺自身で守るから。」

ソウタは笑うかのように、智美に言った。

「一気に行くよ、龍木。」 

―いつでもいいぜ。―

「「憑依!!」」

二人はそう言ったら、二人の体が重なった。

「「龍の血よ・・・今ぞここに・・・力を解放せよ!!」」

ソウタと龍木の声が混ざり合った瞬間、ソウタの背中から紅蓮色の翼が生えて龍の尻尾も生えてきて、ソウタの周りには炎のうずが回っていた。

「へえ・・・紅蓮色に染められた灼熱の翼に竜の尻尾・・・中々おもしろい能力持っているのね、あなた。」

ナルシファはあざ笑うかのようで褒めているように言った。

「それはどうも・・・。 アンタのその闇色に染まった黒い翼・・・中々似合っていると思うぞ。」

ソウタもあざ笑うかのようで褒めているように言った。そしたら、ナルシファはクスクスと笑い始めた。

「それで口説くつもりかしら?」

「ただのお返しだ・・・それと、俺は口説くのは苦手なんでね!」

そう言ってソウタは地面を思い切って蹴って、ナルシファに突っ込んでいった。ソウタは右手に持っている刀を振ったら、ナルシファは軽々と飛んで、翼を羽ばたかせながら後ろに下がっていった。

「逃がさぬ!!」

ソウタは右手に持っていた刀を素早く納め、腰にあった銃を手に取り、ナルシファを狙って連射した。 しかし彼女はこれまた軽々とかわしていって、すぐ近くのビルの屋上に行った。 ソウタはナルシファの後を追うとして、紅蓮色の翼を羽ばたかせながらビルの屋上に行った。 

「・・・完全に気配を殺しているな・・・。」

そう、飛びながら呟いた。 屋上は広くて隠れる場所も多かった。 ソウタは見えやすい真ん中に下りた。 周りを見たが、ナルシファの姿は何処も無かった。ソウタは銃を腰にかけ、再び刀を取り出した。

「フフ・・・。」

すると、何処からかナルシファの笑い声が聞こえた瞬間、全方位から何十本ものナイフがソウタを襲った。 すると、ソウタは右手の刀で地面に円を書いた。

「焔壁(えんへき)!」

そしたら、円が赤くなり、炎の壁が涌き出て銀のナイフは溶けていった。炎の壁が治まったら、次に左手に持っていた刀を地面に円を書いたら外に六つの円が現れ、その中から太い柱の氷が出てきた。

「氷岩(ひょうがん)!」

そしたらソウタは、氷の柱を大きく次々と切っていき、その切った氷を素早く蹴り飛ばしていった。 だが、その一瞬。 暗闇の中から黒いナイフが飛び、氷が次々と壊されていった。

「ナイフを投げるだけでは、俺は倒せんぞ!」

ソウタは大声で言った。 そしたら、どこからかクスクスと笑う声が聞こえた。

「じゃあ・・・こういうのは、どうかしら?」

そう言って後ろからナイフを持ったナルシファがソウタに向かって走った。ソウタはすぐに後ろへ振り向き、左手に持っていた刀を納め、銃を取り出したらすぐさま、撃った。 銃弾はナルシファの喉に命中した。 しかし、なぜかナルシファはにやりと笑ったら、突然ナルシファが歪み始めて消えていった。

「残像・・・!」

ソウタは気づいたかのように声をあげた。そしたら、左右にナルシファがふうと現れた。 ソウタは急いでかわしたがかわした瞬間、右足のももをかすった。 しかし、まだ攻撃は終わっていなかった。ソウタがかわしたら、前から何十本のナイフが飛んできた。ソウタは翼を羽ばたかせて空に飛んでかわした次の瞬間。ソウタの周囲に数人のナルシファの残像が現れ、一斉にナイフを投げられ体中に刺さってしまった。

「ぐう!」

翼がナイフが刺さったせいか、その場でバランスを崩してしまいその場に落下してしまった。 そしたら、ナルシファの残像はニヤニヤと笑い歪みながら消えていった。

「どうかしら? 私とのダンスは楽しめていますかな?」

暗い中、何人もののクスクスと笑っている声がして不気味だった。 しかし、ソウタはなぜか一瞬口を歪めて立ち上がって空を見た。

「ああ・・・そうだな・・・楽しいと言えば楽しいが、舞姫は・・・一人だけで十分だ。」

そう低い声で言って口から出ていた血を拭き、目を開けたら目が黄色に光っていて龍の目になっている。 

「引きずり出してやろうか? この舞台の舞姫さん?」

「フフフ・・・いいわ、引きずり出してみて。 この数で見切れるのなら・・・。」

そう言ったら、周りは静寂に包まれた。 一方のソウタは目を閉じて、何かブツブツ呟いていた。そうしている間に、一瞬で数十人のナルシファが現れた。 全員は一斉にソウタを襲うとした瞬間。

「火炎・焔弾!」

突然、目を開けたら急にソウタの体が紅く輝いて炎の玉に包まれていき一瞬だった。 炎の玉に包まれたソウタはまさに電光石火ののような動きでナルシファの残像が次々と消されていってた。 そして。

「がはっ!!」

見事に本体の腹に直撃した。 ナルシファはその衝撃で地面に壁に叩きつけられたら、残像がすべて歪みながら消えていった。 ソウタは、ゆっくりとさっきいた場所に降りてきて炎の玉はゆっくりと消えていったと同時にソウタの体から少し煙が出てきた。

「ふしゅー・・・さすがにやり過ぎたみたいだな・・・。」

ソウタは口から少し煙が出てきながら言った。

「さて・・・引きずり出してやったぜ。 舞姫さん。」

ソウタはナルシファの前に立って腕を組んでいった。

「フ、フフフ・・・結構、無茶苦茶な事をしたものね・・・。」

「そんな事はいい。 それより、アンタの首・・・貰うぜ。 後々、襲われるのは面倒だからね。」

そう言って、銃を手に取りナルシファを狙って引き金を引こうとした次の瞬間。

「っ!!」

急に誰かが銃を持った手に目掛けて石を投げてきた。ソウタは思わず銃を落としてしまった。

「何をしている、お主は?」

ソウタは声がした方を向いた。 いたのは昔の着物来て、ぞうりをはいている二十代後半の男が給水タンクの上に立っていた・・・。

 

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