2025/04/05 22:53 |
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2010/03/23 23:59 |
異世界人、再び。 |
―桜咲宅―
「う・・・。」
目覚ましがなる中、僕は目を開け視界がぼやけていたから目を擦り、体を起こした。
「朝か・・・早いな・・・。」
さっきまで、心の中にいて、レグリーと話していたせいかそんなに時間がたってない気分だった。 僕はベットから降りるその前に左右を確認した。
「・・・。」
僕は朝絶対にやるため息をした。 そう、また忍び込んでいる妹二人にたいして。
「またか・・・なんで飽きずに毎回毎回僕のベットに潜り込むのかな・・・。」
僕は手を頭に置いて疲れる声で言った。 自分たちのベットがあるのにどうしてこう毎日入ってくるのかな・・・本当にこの時だけ何を考えているのかさっぱり分からない。
「う・・・ん?」
すると洋が、微かなうめき声を出して目を擦りながら体を起こした。
「あ・・・おはよう、にいにい。」
洋が挨拶したが、僕は慌てて視線を逸らした。 なぜなら、パジャマのボタンが全開に開いていて、今でも胸が見えそうだったからだ。 というかなんで全開になっているの!?
「よ、洋! 前のボタン閉めて! 見えているから!」
僕は慌てながら言った。 というか早くしてほしい、本当に! 所が、洋はしばらく特になにも言わなかった、と思いきや急に僕の手を握ってきた。
「私は、にいにいに見てほしいな。 妹の体がどれぐらい成長したのか・・・見てほしいな。」
と、なぜか恥ずかしそうに言った。 何を言っているのだ、この子は! 確かに小学校の三年生ぐらいまで一緒にお風呂入って体を見てきたけど、僕らはもう中学生だし、いくら兄だからって中学生になった妹の体を見るわけないだろう!
「そんなことを言うんじゃない! 早くしなさい! あと、涼と一緒に早く部屋から出て!」
「ええ~・・・。」
「ええじゃあない! 早く!」
「・・・わかった。」
洋は少し落ち込んだ声で言って、しばらくしてベットから降りて寝ている涼をおんぶして部屋から出て行った。
―いつも、朝はこんな感じなのか?―
すると、どこからか聞き覚えのある男の人の声がした。 背後を見たら、幽霊のように透けていて空中を浮いている男、レグリーがいた。 だけど、僕は驚くどころかその場でため息をした。 驚く事がたくさんあったせいか、そんなには驚かなくなっている。 驚かない自分もどうかと思うけど。
「うん・・・まあ・・・もしかして、見てた?」
―ああ、もちろん。 一部始終な。―
それはある意味落ち込むかも。 こんなの家族以外恥ずかしくて見られたくもないのに・・・と、落ち込んでいる中、ちらっとレグリーの顔がにやけたのが見えた。
「・・・楽しんでない?」
―いいや。―
彼は言ったが絶対に嘘だ。 顔が明らかににやけているのが楽しんでいるのに何よりの証拠だ。
―さっきから誰に話しているのですか?―
すると、ベットの下から声がしてそこから黒猫・・・エミが出てきた。 何故彼女ベットの下から出てきたのか、彼女は昨日、佳奈美さんにきつく抱きしめられたせいでかなり体を痛めたから僕が手当てをして、猫二匹ぐらい入れそうな小さいカゴ(昔使っていた木造のカゴ)中にクローゼットにしまってあった昔使っていた小さい布団をひいて誰にも見つからないベットの下に入れたからである。 事実、ベットの下は掃除意外は誰も見ないし、結構綺麗なだった。
「エミ・・・おはよう。」
―おはようございます。 それで、さっきから誰と話しているのですか?―
挨拶したエミはさっき言った言葉を言った。 正直道答えたらいいのか、分からない。 レグリーの声はエミと同様、僕以外には聞こえないし。
(どうする?)
僕は視線を逸らさずにこっそりとレグリーに聞いてみた。 レグリーはあごに指を当てながら考えて、五秒ほどたって彼は言った。
―アンタ、ちょっとエミの頭に手を置いてくれないか?―
レグリーがそういうと僕は頷き、エミの頭に手を置いた。 猫になっているから、頭がほふほふしているから気持ちがいい。
―俺の声が聞こえるか?―
すると、エミの耳がピクリと動いた。
―レグリー様・・・あなたでしたか。―
―まあな。 数日かけて、やっとコイツの脳にリンクすることが出来たんだ。―
「数日って・・・。」
―そういえば、言い忘れていたが俺が引っ込んだ後、ずっとアンタの脳にリンクしていたのだが思ったより時間がかかってしまってな・・・―
そういうことは早く言ってよ。 心の中ではそんなこと一言も言ってないじゃん。
―それはお疲れ様でした。 ということは、レグリー様も瞬様をお守りいたすのですか?―
―まあな。 コイツは力はあるが、まだまだ未熟者だ。 この先なにがあるのか不安もある。 だから俺もコイツを守らないといけない。 お前もしっかり守れよ。―
―分かっています、レグリー様。―
エミは強く頷いた。 レグリーはもういいぞっと言ってエミの頭から離れた。 二人の会話が終わり、エミを置いて、僕は洗面所で顔を洗ってリビングに向かった。 リビングに行ったら、母さんがいつもどおりに朝ごはんを作っていた。 ウインナーの香ばしい匂いがする。
「おはよう、母さん。」
「おはよう、瞬。」
と、お互い挨拶したがなぜか母さんが僕の方をじぃっと見ていた。
「どうしたの?」
「う~ん・・・何だか瞬の雰囲気が少し変だなって思ったのよ。」
それを言うと、僕は心の中でビクッとした。 まさか、気づかれたのかって一瞬思った。
―アンタの母親って微妙に鋭いな。―
レグリーは顔をニヤニヤして言った。 いいから、あなたは引っ込んでもらえないかな、本当に。
「ま、気のせいよね。」
母さんは笑っていって、戸棚からお皿を取り出した。 僕は母さんに気づかれないようにほっと息を吐いた。
「うん?」
すると、テーブルの上にある新聞に大きく載っている記事を目にして、その記事を読んだら驚いた。 載っている場所は三丁目にある広い空き地である。 その空き地が酷い光景になっていた。 壁や地面には引っ掻かれたような大きな爪痕みたいなものがあって、木も見事に切られていた。
「母さん、この記事って・・・もしかして闇の死者―ダーク・デット―がやったのかな?」
僕がそう言うと、母さんは僕が思ってた事と違った事を簡潔に言った。
「いいえ、違うわ。」
母さんは、一旦火を止めてキッチンから離れた。
闇の死者なら、この機械はが反応するのよ。」
母さんはポケットから何かの機械を取り出した。 その機械は真ん中に赤いランプがあってちょうど手のひらぐらいの大きさだった。
「この機械はクレトアさんからもらって、闇の死者が現れる直前になるセンサーなのよ。 昨日の晩はこのセンサーは反応はしてなかったのよ。」
「つまり、このセンサーが反応しなかったことはこの記事は闇の死者の仕業ないって事・・・?」
母さんが黙って頷いた。 ちょっと待って、じゃあ・・・これって一体誰の仕業なんだ? 十二族はまずありえなそうだし、闇の死者でもない。 じゃあ一体誰が? すると、母さんが口を開いて言った。
「たぶん、また現れたのでしょうね・・・別の世界から来た者・・・異世界人が・・・。」
その時、一瞬だったが目の前が真っ暗になりそうだった。
―三丁目 空き地―
僕は朝食を食べて、十分ほどしたら三丁目の空き地に向かおうと家を出ようとしたが、涼と洋がついてくるって言って来くるし、外に出たらいつ部屋から出てきたのかエミが待ち伏せかのようにいてついてくると言って来て仕方なく三人と一匹で現場へと来た。
現場の方は思った以上に人が多くいて、テレビ記者たちもいたから、肝心の空き地の方が殆ど見えない。 すると、視界の隅に見覚えがある二人の男の人がいた。 一人は左右の腰に刀があって、一人は背中に長刀があった・・・というか見覚えあり過ぎる。
「あなたは・・・神野さんと夜野さん?」
僕は一応言うと、二人の男の人が気づいてこちらの方に顔を向けた。
「君は・・・オージさんの息子さんか。」
「もしかして神野さん達も?」
僕が言うと、二人は頷いて夜野さんが言った。
「ああ、今朝の新聞を見たら驚いてな。 いそいで来たのだがこの通り、野次馬が出来ていたのさ。 中の様子とか見えないのだよ。」
「とりあえず、ここで話すのはまずい。 少し離れてから話そう。」
と神野さんが言った。 確かに万が一ここの誰かに聞かれていたら面倒なことになるかもしれない。 僕は頷いて、一旦空き地から少し離れた。
「神野さん達はあれって闇の死者がやったと思いますか?」
僕は一応言った。 母さんは異世界人がやったかもしれないって言っていたけど、僕はあんまり信じれなかった。 母さんの言葉が信じられないのではなく、また異世界人が現れたのが信じられなかったのだ。 正直な所、信じたくなかった。
だけど、神野さん達は首を振った。
「いや、これは闇の死者ではない。 たぶん、どこかの異世界から来た人達だろうな。 断言はできないがな。」
神野さんが腕を組んで言った。 僕は落ち込むの様に顔を下に向けた。 わかってはいたけど、本当にまた異世界人が来たのかと思うと流石に落ち込む。
「そう落ち込むな。 俺の世界でもこんな事があった。 その時の俺も正直、異世界人の事なんか全く信じてなかったしな。」
夜野さんは励ますように言った。 確かにあの時、父さんとお風呂に入っていた時、話していた異世界人の事は半信半疑の思いだった。 いきなり、異世界人が来たなんて信じない人もいるし、信じる人もいる。 だけど、今の現状ではもうおかしくはない。 十二族、真奈美さん達、神野さん達、光の裁判官―ライト・ジャッジ―、闇の死者の様々な異世界人に会った。 今更だが、今でも信じない自分もどうかと思っている。
すると、後ろから服が引っ張られるのを感じ、後ろを見たら涼と洋が不安そうな目で僕を見つめていた。
「お兄ちゃん・・・。」
不安そうな二人に僕は二人の頭を撫でた。
「大丈夫だよ、涼、洋。 必ず・・・終らしてみせるよ。 これ以上・・・この世界の人達を失わせない為にも・・・傷つかない為にも・・・。」
僕は心強く言ったが、はっきり言ったらこの戦いがいつ終わるなんかは僕にも分からない。 だけど、ならべく早く終わらしたい。 これ以上、みんなを傷つけさせないためにも・・・。 すると、神野さんが口を開いた。
「苦しんでいるのは、君たちの世界だけじゃない。 他の世界だって苦しんでいるんだ。 君たちと同じように大切な物を失わないように戦っている人もたくさんいる。」
それは分かっている。 苦しんでいるのは僕たちの世界だけではないのは僕にだって分かっている。 他の世界の人達だって失いたくない・・・守りたい人がいて、そのために戦う人がいる。 父さんや僕や神野さん達だって同じだ。
「でも、神野さん達は・・・自分たちの世界を守らなくてもいいのですか?」
そう言うと、神野さんは少し微笑んだ表情をしながら言った。
「守りたい気持ちはあるが・・・今、俺たちの世界には心強くてとても信頼できる人達がいてね、その人たちはオージさんの知り合いで俺達よりも遙かに強い人達だ。 俺達も当然守ろうとしたが、「君達は別の世界を守ってくれ。 これも別の世界の守るという「意味」と「経験」がある。」って。」
彼は言ったが僕にはあまりよく分からなかった。 僕は異世界がどんな世界なのか分からない。 だけど、その人の言っていた「意味」や「経験」をしたら、たぶん僕にも分かるのでないと思う。 すると、黙っていた洋が口を開いた。
「あの、神野さん達って父さんの事をオージって呼ぶの? 名前は龍なのに。」
洋が言った瞬間、二人は険しそうな表情となった。
「・・・悪いけど、それだけは絶対に言えない事なんだ。 本人の口から聞けばいいが、あの人は絶対に」
神野さんが言っている時。
「きゃあああああ!!」
突如、空き地の方から悲鳴が聞こえたと同時に近くからブザーの音がなった。 神野さんのポケットからちかちかと赤い光が光っていた。
「闇の死者か!」
神野さん達はいそいで悲鳴のしたところに走り出した。 そして、僕もそれに続いて走った・・・。
2010/03/13 16:33 |
秋葉原を怖い名前で書くと悪鬼覇原 |
いよいよ、冬から始まったアニメ達が終わりに近づいてまえりました。
一応、ラストを楽しみに待っているアニメは「おおかみかくし」・・・ぐらいですかね。 アレはひぐらしと同様の謎が深くて中々おもしろかったです。 さすがは竜騎士07さん。
さて、冬が終われば次に楽しみは春から始まるアニメ達です。 一応、期待しているものは「迷い猫オーバーラン!」 「いちばんうしろの大魔王」 「荒川アンダー ザ ブリッジ」 「WORKIKG!」 「Angel Beats!」 「祝福のカンパネラ」ぐらいですかね。
あと、興味はないのですが「けいおん!」の第二期が春やるのと、「.hack//Link」がやるみたいですよ。(これは夏に放送するので)
最近思ったんですけど、ゲームやエロゲーをアニメ化するのって多いような気がする・・・。 まあ面白いからいいけど。 (ちなみに、祝福のカンパネラの原作はエロゲーです。)
2010/03/11 01:14 |
僕との初対面 |
―???―
その後は、何事もなく家に帰って来た。 御飯を食べて、風呂に入って、眠たかったのか僕は部屋に戻ったらすぐにベットに入り眠った。
「・・・。」
僕が眠っている中、誰かの声が聞こえた。
「・・・ろ。 お・・・ろ。」
徐々に声が聞こえ始めた。 この声は・・・男の人かな? 父さん・・・ではないし。 この声は僕の知らない声だ。
(・・・誰だろう・・・?)
僕はゆっくりと目を開けようとした瞬間。
「起きろ!」
「うわっ!」
突然、耳元から大きな声で言って僕は飛び上がるようにがばっと起き上がった。 後ろを振り向いたら、足元までとどいてる黒いロングコートを着た若い男の人がいた。
「おいおい・・・人の顔を見た瞬間に驚くのは失礼だと思うぞ・・・。」
と、男はあきれたと言わんばかりのため息をした。 僕は周りを見回したら、覚えのある場所にいた。 物も地面も空も何もかもが白いこの場所。 ここは僕の心の中だ。
「ご、ごめんなさい・・・あの・・・あなたは?」
「ああ・・・そういえばまだ俺達こうやって顔を合わせるのは初めてか・・・。」
「俺はレグリー。 闇の死者―ダーク・デッド―の「黒風」、レクルグリームカント・ギャレッド。 名前長いから、レグリーでいい。」
彼がそう言ったら、僕は何も言わずに警戒した。
「そんなに警戒はしなくていい。 俺はもう闇の死者じゃあないし何もしない。 というかアンタが死んだら俺も死んでしまうからな。 まあ、俺はもう死んでいたけど。」
警戒しているのに気づいた彼は爽やかそうな顔で言った。 とりあえず僕は警戒をといたが、彼が闇の死者だからまだ半信半疑な思いだった。 そんな中僕はエミの言っていた言葉を思い出した。
「レグリーって、エミが言ってた・・・。」
「そ、俺はアンタ、アンタは俺・・・簡単に言うともう一つの人格だ。 あと、エミを召喚した張本人さ。」
「僕は・・・桜咲 瞬です。」
「そんなに堅っくるしい言い方はしなくてもいいぞ。 同じ自分に言っていて気味が悪い。」
彼は本気で嫌な顔をして言った。 それはそうでも、気持ち悪いはなんか傷つく言い方だと思う。
「しかし、ようやくアンタとリンクができたよ・・・我ながら苦労したよ。 まったく。」
「リンク?」
「ああ、アンタの脳に直接俺の魂そのものをリンクしたんだよ。」
「俺の・・・魂って・・・?」
「そういえば・・・まだアンタには話してはなかったな。」
レグリーはなぜ僕の心の中にいた事をすべて話した。 そして、話が終えた時には僕はすでに半信半疑な気持ちが無くなっていた。
「そうだったのですか・・・じゃあ、君たちが眠っている六つの棺桶みたいな物は・・・。」
「そ、あれは、みんなどこからかきた死んだ者たちの魂さ。 どうして、形が再生しているのかはわからんがな。」
「形?」
「体のことだ。 アンタの心の中に入って俺たちはあのせまい機械のような棺桶にいたのさ。 すると、知らないうちに形が生きていた時の形にもどっていたのさ。 不思議なことに。」
「まあ、正直言って、元の形が再生されて久しぶりに自分の体にいていい気分だがな、これが。」
彼は少し嬉しそうに言った。 一度死んでしまって生きていた頃の体が完全に再生されるって一体どうなっているのかな、あの謎の機械の棺桶。
「おお、そうだ。 すっかり話がそれてしまった。 俺の魂がアンタの脳にリンクしたから、いつでも人格が変われるし、俺の声も聞こえるし、俺の力のほんの一部が使えるようになった。」
「君の・・・力?」
「そ、俺の力は「黒風」って言ってな。 武器・動物が自由自在に創れて、体の再生もできる。 あとこういうのもできる・・・。」
そう言って、そばにあった石を掴み上に軽く投げた瞬間。
「黒風・・・。」
何かを呟いたら、突如、石が黒い球体に呑み込まれていくかのように包まれていき、黒い球体が消えたら石は跡形もなく消えてなくなった。
「このように敵を闇に飲み込むことが出来るのさ。」
「す・・・すごい・・・。」
「よせよ、照れる。」
彼は照れ臭そうにしながら、頬をかいた。 正直な所、本当に驚いていた。 さっきの石が一瞬で出てきた闇の球体に飲まれて一瞬で消えていったのだ。 瞬きしていたら見逃してしまうほどの早さだ。
「あ、でも使えるのは本当に一部で、あれはたぶん出せるのは限界まで二発までだ。 動物は無理だけど武器も剣か銃しか出せないかもしれない。」
「あと重要な事だが、「黒風」をコントロールするには非常に難しい。 素人があまり無茶な使い方をすると、暴走してコントロールが利かなくなって闇に呑み込まれて消滅する。」
「それって・・・本当なの?」
僕は一応、聞いてみたら彼は黙って頷いた。 一瞬、想像してしまったがあまりにも怖すぎてゾッとしてしまってすぐにやめて、あのことを聞こうとした。
「そうだ、一つ聞きたいことがあるの。」
「何だ?」
「レグリーがまだ生きていた頃、キリアっていう人、知らない? 同じ闇の死者の人間だから・・・。」
「いや、知らん。」
僕が言いかけたら、レグリーは以外に簡潔に答えた。
「闇の死者のヒューマンタイプにはそんなやつはいない。 ヒューマンタイプは不老不死だから誰かに殺されない限り死なないんだよ。」
「ヒューマンタイプって?」
まだ、聞いたことのない名前だ。 ヒューマンは確か・・・翻訳すると「人間」の事だ。
「闇の死者の最上級のものだ。 俺達みたいなヒューマンタイプはめずらしくて十人までにしかいないのだ。 上級の集団を軽く消せる強いタイプだ。 普通の人間でも何万人いたっていともかんたんに消せる強さだ。 この前、アンタと戦ったハゼルドだってそうさ。 アイツの強さはかなりだ。」
彼が言ったら、僕は再びゾッとした。 僕達はそんな強い奴を相手をしたのか。 もし、ハゼルドが人が多い所に出てたら間違いなくその近くの人たちは殺されていただろう。 たとえ軍が来たとしても、返り討ちにされてしまう。 あの時、周りに誰もいなくて助かったかもしれない。
「じゃあ、この前現れたハゼルドも・・・?」
僕は一応聞いてみたら。
「・・・ああ。 アイツも、俺と同じヒューマンタイプだ・・・。 そして、俺の盟友だ・・・いや、今じゃあもう・・・だった、だな・・・。」
彼は少し暗そう・・・というかどちらかと寂しいそうな顔をして言った。 彼も闇の死者で仲間が大切な気持ちも僕にもわかる。 そんな中僕は一つ思ったことがある。
「そういえば、君の魂は僕の脳にリンクしたんだよね?」
「そうだが、それが?」
「それなら、なんで「裏人化」の僕は脳にリンクしないのかな?」
そこがちょっと気になる。 「裏人化」の僕は、レグリーより前に目覚めたのだ。 だったら「裏人化」の僕も脳にリンクするのではないのか?
「それは知らん。 聞くのなら本人に聞くのが手っ取り早いと思うぞ。」
そう彼は言った。 確かに本人に聞くのが早いけど肝心の本人がこの場にいない。 どうしようかっと思った瞬間、急に目の前の光景がゆっくりっと歪み始めた。
「おっと、そろそろアンタが目を覚ます頃だ・・・。」
彼が言ったら思い出した。 そういえば、初めてここに来て帰る時、歪みが発生したんだっけ。
「じゃあな。 起きたらまた会おうな。」
彼はそう言って、小さく手を振った。 僕も手を振ろうとしたが、すぐにに意識が失って手は振れなかった・・・。
2010/03/03 23:59 |
少女達の真実 |
―喫茶店「茶屋」―
「そして私たちは・・・この世界にやってきた。」
「・・・。」
まさか、こんな過酷なことがあったなんて。 僕は改めて異世界の事に驚いた。 智東さんは話を進めた。
「その後は私たち気絶していたから分からないけど智東家のご老人に聞いたところ、冷たい雨の中・・・今年の二月ぐらいかしら。 たまたま通りかかった智東家のご老人に助けてもらったて言っていたの。」
「その時の私たちは、ちょっと不安と恐怖感あったかな。 全く知らない世界にいて、全く知らない人達がいるから、どう生きていったら分からなかった。」
それもそうだ。 彼女達にとっては右も左もわからない世界だ。 それに彼女たちはまだ僕と同じ子供。 不安はあって当然だ。
「けど・・・おば様やおじ様に私たちの事を話したら、「その大切な人が迎えに来るまでここにずっといなさい。」って言われたの。 とても優しかったし、暖かい言葉で本当に嬉しかったの。」
「私たちの世界では追い返されるか、体を張って働かされるのが当然だったから、あんなに優しく言われたの家族と友人以外初めてだった。」
「でも、本当によかったの? クレトアさん、君達の事を・・・。」
言いかけると、智東さんは首を振った。
「ううん、いいのよ。 私もクオン・・・佳奈美も、ここにいたいと思っているの。 一時はクレアが迎えに来てくれたらこの世界から離れようと考えたけど、おば様やおじ様、学校の人達、そして・・・この町のみんなの人達の優しさや暖かさにふれあっていたら、何だか・・・この世界の人達を守りたいと思ったの。」
すると、智東さんははっとして黙り込んだ。 しばらくすると、急に頭を下げた。
「・・・あの、ごめんなさい。 その・・・あなたの事を殺そうとしたこと・・・本当にごめんなさい。」
彼女は暗い声で言った。
「いいよ、もう気にはしてないから。」
僕は笑顔で言い返した。 とは言ってもさすがに今は気にしてはいる。 今はそう簡単には消えないがその内消えると、僕は思う。
「所でさあ、クレトアさんといた時、話した黒いフードをかぶったという男ってどんな奴なの?」
「それが・・・顔とか全然見えなかったの。 私たちは警戒したのだけど、男はあなたを殺せば、大切な人を生き返らせようと・・・。 何であなたを殺せって言った理由は分からないけど。」
「最初は迷ったけど・・・私にとってクレアはとても大切な人で、その彼が死んだって知って・・・。」
「でも、後になってから思ったの・・・大切な人を生き返らせよう・・・そんな言葉に騙された私は馬鹿だった・・・クレアは生きていたし、前にいた世界でもクレアも言っていた。 死んだ人は絶対に生き返らない・・・って言っても、実際の所、ナルも生き返っていて驚いたけど。」
彼女は苦笑いするかのような表情で天井に向けて言った。 だけど、クレトアさんの事が大切なのが僕でもよく伝わっている。
「・・・本当は、殺したくもなかった。 誰も。 こんないい人達ばかりの世界に、悪い人間なんていないもんね・・・でも、私はそんな人を殺そうとした。 ほんと、私って馬鹿だったわ・・・。」
「あの・・・。」
すると、ここでさっきから黙っていた智東さんの妹、佳奈美さんがおずおずと手を上げた。
「その、隣のいる女の子は・・・どちらさんですか・・・?」
そう彼女は僕の隣の方に指をさし、つられて見たら、青い髪をして季節はずれの冬物の服をきた少女が座っていた。 僕は少し驚いてズッコケようとしたが何とかこらえた。
「エミ・・・いつの間にいたの・・・。」
―あなたが、話を真剣に聞いている時にです。 全く・・・私がいない間にどこかに行かないでください。 もし、闇の死者―ダーク・デット―が来襲してきたらどうするのです?―
エミは、じっと僕の顔を無表情で見つめていたが、実際は怒っている・・・いや、かなり怒っている。 無表情だが、怒りのオーラがひしひしと感じ取れる。
「ごめん・・・。」
「えっ? なんで、桜咲君が謝るの? その子、何も言ってないのに?」
と、佳奈美さんが言った。 そういえば、エミの喋れないかわりにテレパシーで話すけど、それを聞けるのは契約者の僕だけだって事を知らなかったっけ。
「彼女はエミ。 見た目は人間だけど本当は猫の夢魔で僕の契約魔なんだ。 彼女の言葉は契約者である僕にしか聞こえないんだ。」
説明したが、二人はあんまり理解できていないような顔をしている。 まあそれもそうだろう。 彼女達の世界は魔法はある竜はいたが、契約魔なんてまずありえないだろう。
「じゃあ、エミ。 猫の姿に戻って。」
そういうと、エミは頷き、あっと言う間に猫の姿に戻った。 エミはスッと僕の肩に乗っかった。
「あ、本当だ・・・。」
「あれ? 智東さん、エミの事を知っているはずじゃあないの?」
「え? 私は知らないよ。」
智東さんはきょとんとした顔で言った。 本当に知らないのか? この前、彼女もエミを見たから覚えているはずだけど・・・。
「でも、この前の朝早くから・・・。」
と、言いかけたら智東さんの隣から甘い・・・というか、甘い物を食べたようなうっとりとした声が聞こえた。
「かわいい・・・。」
佳奈美さんは両手に頬を当て目を潤わせながら言った。
「ありがとうございました。 またのご来店をお待ちしております。」
店員さんは頭を下げながら言って僕たちは外に出た。外はすでに太陽が半分沈んでいて橙色の空が広がっていた。 ちなみに、さっき注文した品の全額は智東さんが支払った。 僕も出そうとしたが私からのおごりだってしつこく言うからしかたなく彼女の言葉に甘えた。
「なるほど・・・あの時いたのは、智東さんじゃあなくて佳奈美さんだったんだ。」
後に佳奈美さんから聞いた話じゃあ、あの時いたのは智東さんじゃなくて佳奈美さんだったことがわかった。
「この子、大の猫好きで今も近所にいる猫と遊んだりしてるの。 だけど・・・。」
智東さんは喋るのやめ、ちらりと佳奈美さんの方に視線を向けた。
「はあ・・・かわいい・・・。」
一方、佳奈美さんはさっきから幸せそうな顔をしながらエミ(猫化)の体を抱きついていた。 しかし、エミのほうは何故か苦しそうにじたばた暴れていた。
「あのように、少し暴走してしまい猫を強く抱きしめてしまうこともあって、抱きしめられた猫は逃げ出してしまうの・・・。 まあ、数日したら猫の方から戻ってくるけどね。」
「しかし・・・本当に似てる・・・というか、そっくりだね。 二人とも。」
改めて二人を見比べると、見た目も声も完璧にそっくりでどっちが智東さんでどっちが佳奈美さんか見分けも付かない。
「私と佳奈美は顔も声も瓜二つだから、家族とクレアとナルは分かっていたけど、他の人たちは分からないことがあるの。 今でも、間違われることもあるけど慣れちゃったわ。」
智東さんは笑顔で言ったが、僕はどうもこのままだと僕も他の人も混乱してしまいそうだ。 と、考えていたら雑貨屋「アリス」が見えてピンッと閃いた。
「ちょっと待っててね。」
僕は二人に言って、「アリス」の店内に入っていった。 途中、エミが―ちょ・・・待って下さい・・・!―って言ったような気がしたが気のせいにした。
―数分後―
僕はあるものを買って店を出て、智東さん達と一緒に堂千公園によった。 公園には誰もいなくベンチに座った。 僕は右側で、智東さんが真ん中、佳奈美さんが左側に座った。
「はい、これ。」
僕は袋から、二つ緑の紙に包んだあるものを取り出してそれぞれに渡した。 智東さんはしばらくあるものに見つめていて、佳奈美さんは「開けてもいい?」っと言ってきて僕は頷いたら、佳奈美さんはあるものを包んだ紙を丁寧にあけていった。
「これは・・・。」
佳奈美さんは紙に包まれてあったあるものを見た。 智東さんも開け始めて佳奈美さんと同じあるものを見た。
「髪留め。 智東さんのほうが花の赤で、佳奈美さんが猫の青。 これなら、どっちかどっちかわかるでしょう?」
そう、あるものとは髪留めの事。 彼女たちは今の外見では、間違えられそうだから髪留めを買ったのだ。
「でも・・・。」
智東さんが何か言おうとしたら、僕は言葉を続けて言った。
「それは、僕からのプレゼントとさっきおごって貰った分と・・・疑ってしまった、その謝礼だよ。」
言った瞬間、彼女たちは「えっ?」と言ったが、僕は気にせずに話し続けた。
「僕は、君と最初にあった日、君からすごい殺意を感じて敵かと疑ったんだ。 仮面の女が君だって事も驚いて、やっぱり敵だったんだって一瞬思ったんだ。 佳奈美さんも君と一緒にいたから敵かと思っていた。 だけど、一つだけ違って一つだけ分かった。 君たちは、敵じゃない。 いい人だって言うことがわかった。」
「さっき、智東さん。 騙された自分が馬鹿だって言ったけど、実際は君たちが敵だと思った僕のほうが大馬鹿だったような気がするよ。」
「でも、私はあなたを殺そうとしたのよ!」
智東さんは反論したが、僕は首を振った。
「それは、僕も同じだよ。 もし、あの時仮面が弾き飛ばなかったら・・・智東さん、本当に死んでいたのかもしれないよ。」
僕は本当の事を彼女にぶつけた。 僕も仮面の女の正体が智東さんだと分からなかったら、本当に殺してしまっていたかもしれないし、その後、仮面の女の正体を後に知ったら僕はたぶんショックをうけていたかもしれない。
「どちらにしよう、お互い殺そうとしたのは変わらないが、僕のほうが悪いと思っている。 いい人なのに・・・僕は疑ってしまった。」
今でもそう。 僕は殺気を感じてから警戒をしていて彼女から避けていたから、彼女の事は何一つも知らない。 だけど喫茶店で彼女たちの話を聞いていて、知った。 それを知ったら自分があまりにも馬鹿馬鹿しく思えた。 智東さんはやがて、視線をそらして顔を俯かせた。
「私は・・・いい人じゃないよ。 私は、たくさんの人を殺した。 殺し続けた。 怨みもあった。 私は・・・」
「違うよ。」
僕は彼女の言葉を否定した。 俯いていた彼女の顔は驚いたのような顔をして前に向いた。
「それは、昔・・・君がシオンって呼ばれていたときだろう? 今は違う。 今の君は、智東 真奈美。 その智東 真奈美は人を殺してはないだろう? 僕の知っている智東 真奈美はこの世界に守りたいものがある。 異世界から来たのに関わらず、守りたいものがある。 守りたいものがあるのならそれだけでも立派だと思うよ。 だから・・・君はいい人なの。」
そう言ってしばらくお互い沈黙した。 風が吹く。 まだ、六月なのにやけに冷たい風が肌に感じる。 やがて、風がやんだら智東さんはふうっと息を吐いて言った。
「・・・負けたわ。」
そう呟いた途端、彼女の顔が一瞬微笑んだのが見えた。
「なんだか、クレアに説教されてるみたいな気分だった。 クレアもこんな風に私の事を説教をしてくれたっけ・・・そういえば、今更だけどあなたもクレアにそっくりよね? 体格違うけど。」
智東さんがクスクスと笑っていたら、隣にいた佳奈美さんも笑い始めた。 そして・・・僕も気づいたら笑っていた。 安心したのかな、何だか顔が微笑んでしまう。
分かれ道の時、空はもう暗くなり始めていて、外灯が照らし始めた。
「今日はありがとう。 あなたのおかげで少しもやもやした気持ちが晴れたわ。」
「この髪留め、大切にするね。」
「喜んでもらえてよかったよ、佳奈美さん」
「ねえ、桜咲君。」
「なんで佳奈美の時は下の名前で言って、私の時は上の名前で呼ぶの? ちょっと変じゃない?」
智東さんはすこしむくれた表情をしながら言った。 確かに、佳奈美さんも上の名前は智東だし、ちょっと変かもしれない。
「私の事は真奈美でいいわ。 それかさん付けでもいいわ。」
「うん、わかった。」
僕は頷いたら、智東さんが右手、佳奈美さんが左手を差し伸べてきた。
「これは、友情の握手。 私たちの国ではこれでお互いに固い友情が結ばれるからって言われたの。」
友情・・・か。 確かに僕は、彼女の事を友達だって事を全く思ってなかった。 ずっと警戒してあんまり喋ってないし、接してはなかった。 だけど、今の彼女なら・・・。 僕は両手を出して、ぎゅっと彼女たちの手を握った。
「じゃあ改めて・・・よろしくね。 真奈美さん、佳奈美さん。」
「「よろしく!」」
僕たちは強く握手をして、彼女たちは笑顔で言ってくれてそれぞれ家に帰っていった。
だけど、智東さんの話していた事でわかった点と気になる点があった。 気になる点はやはり、僕を殺せといった男。 この男の正体は絶対に知らなきゃ駄目だ。 僕の考えでは彼女がやってきたのは二月だから十二族か闇の死者の可能性は低いと思うから、別の組織かもしれない。 とにかく何故、僕を殺そうとした理由をその男から聞きださないといけない。
そして分かったことは、彼女が言っていた空間からの亀裂・・・この言葉である組織が頭に浮んだ。
闇の死者―ダーク・デット―・・・。
奴らも必ず亀裂の中から出てきて現れる。 クレトアさんの弟、レナウドさんの体を乗っ取ったキリアと名乗った奴も、もしかしたらこの前現れた、ハゼルドという闇の死者の人間と同じ可能性があるかもしれない。 だけどこれはあくまで可能性の話。 そのキリアが本当に闇の死者の人間なのかはまだわからない。
今のところ、これぐらいしかわからない。 とにかく、今は時を待とう。 そうすれば、必ず分かるはずだ。
数分後、辺りはすっかり暗くなっていて、それぞれの家から電気がついていた。
「えーっと・・・エミ? 大丈夫?」
僕は肩に乗っているエミの方に視線を向けた。 エミはさっきから佳奈美さんが強く抱きしめすぎたせいで、グッタリ疲れたのだろう。
―・・・あの子、容赦なく強く抱きしめたから体中が痛いです。 今度からあの人にそばにいたら人化しなくてはなりません・・・。―
そう言った後はなにも喋らず、再びグッタリした。 僕は思わず苦笑いしてしたらどこからかキン、と鋭い音がして僕は立ち止まり、後ろを振り向いた。 だが、どこもおかしな変化はなく音も聞こえてなかった。
「エミ、今、何か聞こえなかった?」
僕は視線をエミに向けて、一応聞いてみた。
―はい、たしかになにか聞こえました。 何か・・・堅いものがぶつかり合った音に似ていました。―
エミは冷静に言った。 僕は再び、視線を戻して耳をすましたが、何も聞こえてなかった。
「・・・気のせい・・・かな?」
僕は首を傾げて前に向き、歩きだした。 しかし、この時僕は知らなかった。 彼女達の・・・戦いがあった事など、僕達は・・・まだ、知らない・・・。
2010/02/27 00:39 |
カギをガキと間違えるバカ(そんなやついねーよ) |