2025/04/21 12:34 |
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2009/03/04 21:31 |
可能性 |
―風呂場―
チャプ・・・。
「ふう・・・。いい湯だな。」
僕は少し熱いような気がするけど、ちょうどいいぐらいの湯加減だ。
「瞬、入るぞ。」
「うん、いいよ。」
ガラ。 ブブウゥーー!!
「ちょ、ちょっと父さん!ちゃんと隠して入ってきてよ!!」
「いいじゃないか、男同士じゃないか。」父さんはケラケラ笑った。
「もう・・・ちゃんと隠して入って来てよね。」
「そう怒るな、おまえとは久しぶりに風呂はいるのだから。」
「あれっ、そういや・・・そうだね。えーと・・・1年ぶりだったけ?」
「まあ、そのぐらいだろう。」と言いながら体を洗い始めた。
そしてしばらくして。
「なあ、瞬。」
「何、父さん?」
「今日、何かあったのか?なんか涼たちが先に帰ってきたけど。」 父さんは話にかけてきた。
「・・・うん。実は・・・。」僕は今日の出来事を父さんに話した。
「・・・そうか、そんなことがあったのか。」
「うん。ねえ、父さん。十二族の幹部に仮面をつけた女ている?」
「仮面?いや、そんな奴いないよ。 第一、十二族の幹部が仮面なんかつけても意味無いぞ。 棟梁は幹部を全員を知っているはずだ」
「じゃあ、あの仮面の女は十二族とは無関係?」
「うーん・・・。」
「可能性と言えば二つある。しかし、その可能性はかなり低い。」と真剣そうに言った。
「それは?」
「まず一つ、体・精神を操ること。しかし、棟梁にはそんな力など持たない。」
「どうして?」
「棟梁の役目はあくまでも世界の管理だ。たとえ持ってたとしてもその力は抹殺されるだろう。」
「そうなんだ・・・。」
「そして二つ目なんだが、これをやった奴は前代未聞だな。」
「それは?」
「・・・異世界の人間に俺達の暗殺を頼んだ。」
「え?異世界?」
「そうだ。他の世界じゃ争いだってあるし、戦争もある。たぶんその世界の者に頼んだろ。 しかし、こんな事をした奴は、いや族は永遠に弱者と言う汚名をきるだろう。」
「・・・」 僕はしばらく黙った。
「・・・父さんはどっちだと思う?」
「どちらかと言うと、異世界の人間のほうかな。確信は無いけどな・・・。」
「・・・」
「瞬?」
ボチャン。ブクブク・・・。
「って、瞬!のぼせているじゃないか!」
「おい、瞬!大丈夫か!?おーい!」
翌日
―陸南中等学園 下駄箱―
「それにしてもびっくりしたよ。お兄ちゃん、のぼせちゃうんなんて。」
涼はニコニコしながら言った。
「そんなニコニコ顔で言わないでくれ・・・。」
「にいにい、長風呂はいけないよ。」
「今度から、気をつけるよ。・・・ハァ」
(昨日の疲れ取れていないのかな・・・とほほ。)
と、がっくり肩を落とした時、
「おはよう、桜咲さん。」
後ろから声がして、僕は振り向いた。
「君は・・・たしか、智東さん・・・だったけ?」
「はい。 あ、私のことは真奈美て呼んでください。苗字で呼ばれるとちょっと・・・。」
「うん、わかった。」
「じゃあ、また後で。」
と言って彼女は教室に向かった。
(って、あれ?)
そして僕はあることに気づいた。
(彼女からの殺意が・・・消えている?)
2009/02/23 00:10 |
謎の仮面の女(後編) |
―樵神社―
「くらえ!居合斬!」
「・・・」
「何!」
攻撃した瞬間、仮面の女は一瞬にかわし、後ろに居た。
「くっ!」僕は急いでかわした。
剣がベンチにささって真っ二つになった。
「ハアハア・・・グッ!」僕はその場でひざまついた。
(まずい・・・さっきの攻撃が足にかすった!)
「・・・」仮面の女はこっちに向かってきている。
(このままではまずい!逃げなきゃ!)
しかし、足が動かなかった。
「・・・」やがて僕の前に立ち刺そうとした瞬間、
「瞬ちゃん!!」
突然、後ろから女の人の声がした。二人は一斉に後ろの方へ見た。
「り・・・林ちゃん!?」後ろには林ちゃんがいた。
「あなた、瞬ちゃんに何したのよ!」と林ちゃんは仮面の女に怒鳴った。
そしたら、仮面の女は後ろに下がって光に身を包み、一瞬で消え去った。
「瞬ちゃん!大丈夫?」林ちゃんは心配そうな顔をした。
「うん・・・なんとかかすり傷ですんだよ。ッ!」
「大変!急いで傷をふさがなきゃ。」そう言って彼女は傷の所に手をやさしく置いて、
緑の光が光ってみるみる傷がふさがっていった。
「はい、傷がふさがったよ。」
「ありがとう。林ちゃん。」
「ところでさっきの人はいったいなんなの?」
「わからない。いきなり攻撃してきて・・・。」
「ふうん。とりあえず、お家まで送ってあげるわ。」
「いいよ。一人でも帰れるから。もう歩けるし。」
「そう?本当に大丈夫なの、瞬ちゃん?」
「うん。林ちゃんが直してくれたから大丈夫だよ。」と僕は笑顔で言った。
「そう。それならいいけど・・・。」彼女は頬を赤くして言った。
「おっと、そろそろ六時だね。途中までだけど帰ろうか。」
「うん。」
瞬たちは走って家に向かった。
―???―
「・・・あいつさえ、あいつさえ・・・」
暗い部屋の窓際に、一人の少女が立っていた。
「あいつさえ、殺せば・・・あたし達は・・・」
2009/02/19 02:01 |
謎の仮面の女(前編) |
「何でアンタがここにいる?」
僕は桐野を睨みつけた。
「見たら分かるだろう?買い物帰りだよ。」
そう言って手に持っていた買い物袋を見せた。
「ふざけているのか?」
「ふざけるのも何も俺は人間だ。メシなしで生きてはいけねえよ。」
桐野はニヤリと笑った。 その顔を見た僕はいらっときた。
「何が人間だ・・・!」僕は手を強く握った。
「あれだけ人を傷つけ、殺しておいて、なにが人間だ!」
「・・・」桐野は黙った。
「そんな奴は僕が倒す。この手で・・・絶対に!」 僕は強く言った。
しばらくしたら、桐野は銜えていたタバコを
「・・・フゥー。・・・その言葉を軽々に俺たち十二族に向かって言ってみろ、・・・本気で死ぬぞ?ボウズ。」
「!」
「俺たち十二族が本気になってみろ、この世界のすべてが無くなる事だってできるんだぜ。」
「その言葉を、よく覚えておけよ・・・ボウズ。」
と言って桐野は去った。
「ハァ・・・ハァ・・・」
その時の桐野は凄い気迫と本気が感じとって僕はあまりにも怖くてしばらく立っていた。
―樵神社―
僕は神社にあるベンチに座っていた。
(この世界のすべてが無くなる、か・・・。)
なんで僕はあんな言葉を軽々と言えたのだろうか、と考えてた。
(転校生から感じた殺意や、桐野の気迫やらで何か疲れてきちゃった。)
僕は帰ろうと立ち上がった。すると、
「うん?なんだあれ?」
前に仮面をつけた女らしき人がこっちを向いて立っていた。
「・・・。」
(僕に何か用かな?ん?手に持っているのって・・・刀柄?)
と考え込んだ、次の瞬間。
ブブンッ!ダッ!
「何ッ!」
仮面の女は刀柄から光の刃を出して、物凄い勢いでこっちに向かってきた。
「フィード!」 カキン!
僕はすぐにフィードを出して、攻撃を防いだが、力が半端なく強かった。
「くうう!」 「・・・」
「だ、誰なんだ!アンタ!いきなり攻撃してきて!」
しかし、仮面の女は何も言わなかった。
キン! ザッ!
「答えろ!誰なんだ!お前も十二族の幹部か!」
何を言っても仮面の女は何も言わなかった。無言のまま。
「何なんだ・・・こいつは・・・。」
2009/02/18 20:48 |
最悪の再会 |
(何だったんだ?彼女から感じた殺意のようなものは・・・。)
(最初は気のせいかもしれないけど、やっぱり感じる。)
(何者なんだ?あの女の子・・・。)とそのとき。
「お兄ちゃーーーん!!」
「うわっ!!」耳元で涼の声が響いた。
「なんだよ・・・涼。 耳元で、でかい声出すな・・・。」
「だって、お兄ちゃん呼んでも返事しないもん!」
涼は顔を膨らして言った。
「にいにいどうしたの?どこか調子が悪いの?」
洋が心配そうに言った。
「ああ・・・大丈夫だ。ありがとう心配してくれて。」
と僕は洋の頭をなでた。
「それじゃ、帰ろうか。」
「「うん!」」
と言って僕達は教室を出た。
―TAKARA前―
「はあ、頼むからそれやめてくれ涼・・・。」
「やーだ!!」
相変わらず涼は僕に抱きつきながら歩いていた。
「はあ・・・。」僕はまたため息した時、
「!」僕は立ち止まった。
「「どうしたの?」」と二人が尋ねた。
「・・・二人とも、先に帰ってくれ。用事ができた。」
僕は怒った顔で言った。
「え?なんの用事、」
「う、うん・・・。」と言ったら走っていった。
「なんで・・・なんでアンタが・・・、」
僕の前に男がいた。その男は・・・
「フゥー。また、会ったな。ボウズ・・・。」
桐野だった・・・。
2009/02/17 02:06 |
二週間後・・・ |
―陸南中等学園 2-B―
「・・・」
「ねえ、桜咲君。」 委員長が話してきた。
「・・・」 「桜咲君?」
(いいか、十二族の事は誰にも喋るな。いいな?)
「桜咲君!」 「えっ?」
「どうしたの。考え事なんかして?」
「い、いや・・・何でもないよ。」
あれから二週間、十二族は攻撃しなくなった。
町は落ち着きを取り戻している。そして僕は、久しぶりの学園生活が始まった。
「知っている?今日転校生が来るんだって。」
「転校生?どんな人なんだ?」
「見てはないけど、女の子らしいみたいだよ。」
「ふーん・・・。」
ピイーンポーン、パアーンポーン・・・。
ガララッ!「席に着けー。」
と先生が言ったら、みんな一斉に席に着いた。
「えー、皆さん今日は転校生を紹介したいと思います。」
そう言ったらみんなはワイワイ騒ぎ始めた。
「はい、静かに。それじゃあ紹介します、入ってきなさい。」
ガララッ。
入ってきたのは、長髪で白銀の髪の色をした女の子だった。
「はい、自己紹介して。」
「私の名前は智東 真奈美と言います。皆さん宜しくお願いします。」
と彼女はぺこりと挨拶をした。
「じゃあ、挨拶も済んだし、じゃあ一番端の三番目のところに座って。」
と先生の指定された席に向かう途中、僕を見て
「フフッ・・・。」と物凄い気味の悪い声出して、席に行った。
「!」 いや、ちがう。これは・・・殺意?・・・まさかな。
ピイーンポーン、パアーンポーン・・・。
そして、朝の会は終わった・・・。