2025/04/09 15:32 |
[PR] |
2009/12/31 23:59 |
デートとその裏で動くもの |
瞬「で・・・本当にすることになっていますね、メイさん。」
羽「そうですね。」
瞬「まあいいけどね。 それじゃあメイさん。 どこか行く所とかありますか?」
羽「はい、ではスーパーで買い物を。」
瞬「いや、デートでスーパーはないと思うよ・・・じゃ、服屋さんでも行こうか。」
羽「瞬さんの服でも買うのですか?」
瞬「ううん。 メイさんの服を買おうと思うんだ。」
羽「私・・・ですか?」
瞬「うん。 メイさん、いつもメイド服着ているでしょ? だからその際メイさんの服でも買おうと思うんだ。 それにメイさん美人なんですから他の服だって似合いますよ。」
羽「いえ、でも・・・私メイド服の方が落ち着きまし。 私服の方はちょっと・・・」
瞬「う~ん・・・じゃあ、見に行くもなんだし試着だけでもしておいたらどうです?」
羽「試着ぐらいは・・・いいですよ。」
瞬「それじゃあ、行きましょうか。」
羽「はい。」
その一方、二人を追跡するいかにも怪しい人がいた。
涼「お兄ちゃん・・・何だか嬉しいそう・・・。」
洋「にいにい・・・。」
桐「で・・・なんで俺達もついていかなきゃ駄目なんだ?」
野「しょうがないだろう。 本来なら、作者が行くはずだったがあっち(現実)では正月の準備でいそがしいみたいだからな。」
桐「だからなんで俺達なんだよ? 別に俺達じゃなくてもいいだろう?」
野「そう文句言うなって。 俺だって好きでこんな事をやっている訳がない。」
桐「チッ・・・めんどうくせ・・・あの馬鹿作者・・・今度会ったらぶん殴ってやるか。」
涼「そんなに来るのがいやなら来なければいいじゃない。 何で来るの?」
桐「お前の父親に頼まれているからだ。 とういうかいい加減それを出せ。」
涼「なんの事? 一体何をだせって、」
ガシ(桐野が涼の後ろ襟を掴む) ブンブン(上下にふる) じゃらじゃら(服から手裏剣やらくないやらが出てくる音)
桐「お前は忍者と戦いに行くのか?」
涼「しょ、しょうがないでしょう! だって、お兄ちゃんがあんなに・・・!」
洋「あ、あの・・・! そんなに涼ちゃんの事を・・・!」
桐「お前も人のことが言えないぞ、お前も出せ。」
洋「えっ? 私、何ももっては、」
ガシ(桐野が洋の後ろ襟を掴む) ブンブン(上下に降る) ガチャガチャ(服からピストルやら手榴弾やらその他色々が出てくる音)
桐「お前は戦争でもしに行くのか? ていうかお前が一番怖いわ。」
洋「うう・・・。」
桐「付いてきて正解だった。 もしこのままにしていたら何が起こるかわからないからな。」
野「よくこんなのが服の中に入れるな・・・一体どうやって服に入っているかあと、何処で手に入れたかは聞かないことにするけど・・・。」
涼「あっ、いそがないとお兄ちゃんの姿が見えなくなってきた。 いそご、洋!」
洋「あ、待ってよ涼ちゃん!」
野「で、どうする?」
桐「このままほっといてもいいかも知れんけど・・・何か妙にやな予感がするからな・・・ハァ・・・このまま付いていくぞ。」
野「わかったよ。 これが終わったら、俺のコーヒーと料理を作って疲れを取ろうぜ。」
桐「そうすると、ありがたいな。」
・・・
瞬「で、メイさんはどの服とか好みなの?」
羽「いえ・・・服にはあまり好みとかは・・・でも、どちらかというと少し赤い色の服がいいですね。」
瞬「じゃあ・・・これが似合うかもしれませんよ。」
羽「そうですね。 では、早速試着してみます。」
涼「お兄ちゃん・・・あたし達にはあんまりそんなこと言わないのに・・・。」
洋「にいにい・・・ひどいです・・・。」
野「忍者の道具やら銃やなんか危ないものを持っていた奴が言える言葉ではないと思うな。」
桐「全くだな・・・。」 (ごそごそ)
野「洞豪。 タバコ吸うなら外で吸って来い。 店の中で吸うんじゃない。」
桐「わかったよ。 ここは任せるぞ。」
・・・
シャ(カーテンが開く音)
羽「どうでしょうか・・・?」
瞬「うん、とても似合っていますよ。 なんだか大人っぽい感じがしますよ。」
羽「ありがとうございます。」
涼「大人っぽいって・・・私にも言われたことが無いのに・・・。」
洋「にいにい・・・酷いです・・・。」
野「やれやれ・・・なんだかアイツが疲れる気持ちが分かるような気がするぜ・・・。」
数十分後
瞬「どうでしたか? 違う服をきた感想は?」
羽「そうですね・・・どれもよかったんですけど、やっぱり私はメイド服の方が落ち着きます。」
瞬「そうですか。」
羽「それで次は何処に行きます?」
瞬「そうですね・・・そろそろお昼だし、ご飯でも食べますか。 丁度、僕お腹がへってたんで・・・」
羽「それは私も同じですね、ふふっ。」
涼「お兄ちゃんとの・・・二人のご飯なんて・・・うらやましすぎる・・・!」
洋「それは私も同じです・・・涼ちゃん・・・!」
桐「はい、お前ら落ち着け。」
涼・洋「これが落ち着いていられないよ!」 「これが落ち着けれますか!」
野「今は落ち着けって・・・追跡していたことがばれたら、たぶん嫌われると思うぞ(適当に言っているが・・・)。」
涼・洋「うう~・・・。」
野(思いっきり信じてるし。)
桐「とりあえず、追いかけるぞ。」
・・・
瞬「いやー今日はたのしかったですね。」
羽「そうですね。」
瞬「今回はかなりのんびりできたしね・・・運動会やゲーム大会でバタバタやっていたから久しぶりに疲れが取れたよ。」
羽「ふふっ、でもバタバタと言ったら、今回新者さんが出ていませんでしたよね。」
瞬「そういえば、いつも新者さんの行動でバタバタしていたんだっけな僕達。」
羽「そうでしたね・・・ここからみえる夕日は綺麗ですね・・・。」
瞬「この公園で一番このベンチがよく夕日とか見えるから結構人気がありますよ。」
桐「ほお、いい雰囲気なっているじゃあないか。」
野「そうだな。 所で・・・。」
涼・洋「ジド~~~・・・。」
野「あの二人の目つきがそろそろ危ない予感がする。 いや絶対に危ないか。」
桐「そうだな・・・そろそろこいつらをどうにかしないとな・・・。」
瞬「それじゃ、そろそろデートを終わりましょうか。」
羽「そうですね。 あっ、そうだ。」
瞬「ん? どうしたのメイさん?」
羽「その・・・デートの最後のお約束・・・って知っています?」
瞬「お約束・・・? 何だっけな・・・。」
(考え中)
三分後
瞬「・・・え・・・あれ・・・やりたいの?」
羽「は、はい・・・その・・・私も一応女の子で・・・そういうのとか・・・ちょっと憧れて・・・。」
涼・洋「!!」
野「大変だ!! 二人が獣みたいに興奮しながらさっき取り上げたはずの手裏剣や銃を持っているぞ!!」
桐「ちっ、まだ隠し持っていたのか! 真道、お前はメガネの奴を抑えろ、全力で!」
野「そのつもりでやる!」
瞬「えっと・・・その・・・なんだか・・・恥ずかしいな・・・僕・・・。」
羽「わ、私もです・・・こんなに緊張するのは・・・。」
とん(瞬の両手がメイの両肩に乗っける)
瞬「じゃ、じゃあ・・・い・・・いきますよ・・・。」
羽「は、はい・・・。」
瞬「・・・。」
羽「・・・。」
瞬「・・・す、好きです。」
羽「・・・わ、私も・・・です。」
涼・洋「!!!!」
野「うわ!もう獣じゃあなくて猛獣みたいに暴れてるし! というかこれ完全に猛獣だし! ていうかあっち一体どうなっているのだ!?」
桐「そんなの知るか! いいから押さえておけ!!」
瞬「・・・これで・・・よかった?」
羽「は・・・はい・・・その・・・よかったです・・・。」
瞬「いや・・・その、実際にやると・・・その・・・恥ずかしい・・・ね。 かなり。」
羽「はい・・・本とか・・・そういうの・・・見てみましたけど・・・実際は・・・緊張しますね・・・。」
瞬「一旦、深呼吸・・・しますか?」
羽「そう、ですね。」
スーハー・・・スーハー・・・。
瞬「ふう・・・なんとか落ち着いたよ・・・メイさんは?」
羽「はい・・・落ち着きました・・・。」
瞬「よかった・・・にしても最後は緊張したな・・・。」
羽「本当・・・そうでしたね・・・。」
瞬「・・・帰りましょうか。」
羽「はい・・・。」
桐「ふう・・・なんとか首筋叩いて気絶さてたか・・・。」
野「しかし・・・なんでこいつらこんなに興奮していたのだ?」
桐「知らん。 とにかく、こいつらをさっさと帰すぞ。 このままほっとくわけにはいかないし。」
野「そうだな・・・ハァ。 何か今日、こいつらのせいで疲れたよ・・・。」
桐「全くだ・・・。」
続く
2009/12/28 23:56 |
ゲームやろうぜ!(後編) |
新「前回のあらすじ・・・恋する少女たちは、一人の少年のために無言で、白熱のバトルを繰り広げた。 しかし、四回戦(草原 林VS羽崎 メイ)の戦いで一瞬にして林を撃退した羽崎 メイ。 傍観者はみな唖然としていました。 さて、今回で決勝戦・・・勝つのは一体・・・誰だッ!?」
瞬「今回はうまく行きましたね。 あらすじ。」
新「うむ。 大満足だ。」
瞬「さて、いよいよ決勝戦の幕が今、開こうとしています!」
~決勝戦~
霧咲 薫VS桜咲 涼VS音河 逢VS羽崎 メイ
新「さて今回で決着がつきます。 ちなみに優勝者は誰だと思いますか?」
瞬「さあ・・・それは分かりませんけど、可能性だったらメイさんでしょうね。」
新「でしょうね・・・前回のは全く見えなかったからな・・・。 ていうか俺そこまで改造した覚えないけどな・・・。」
瞬「まあとにかく、決勝戦スタートです!」
シュ!(その場にいたキャラが一瞬で消えた) ダダダダダダ!!(それぞれの攻撃がぶつかり合っている音) カチャカチャカチャ!!(プレイヤーたちの手の動き 前よりも早い)
新「・・・さすがにもう慣れたけど・・・驚きが止まりませんな・・・。」
瞬「そうですね。 所で、メイさんはとにかくなんで他の三人はあんなに必死になのかな?」
新「・・・瞬、一応聞くけど賞品は何だか知っているか?」
瞬「知っていますよ。 僕と一日デート券ですよね?」
新「・・・じゃあもう一つ聞くけど・・・デートの意味知っているか?」
瞬「それぐらい知っていますよ。 男女が仲良く映画行ったり、ご飯食べたり、遊園地に行って楽しむことですよね?」
新「まあ・・・合っているような・・・合っていないような・・・。」
瞬「?」
龍「どうする、淳? 我が息子がデートの意味を殆ど分かっていないぞ。」
淳「こまったわね・・・。 あの子恋愛は全く鈍いから気づいてないのでしょうね・・・。 近いうちに私に相談がきそうだわ。」
龍「やめてくれ。 そんな事あったらこっちが恥ずかしいから。」
淳「そうね・・・親として優しく見守りましょう。」
龍「そうだな。」
瞬「父さん母さん、さっきから何言っているの?」
龍「いや、特に何でも・・・なあ淳。」
淳「ええ・・・特になんでもないわよ、瞬。」
瞬「?」
ドーン(3P DOWN)
新「あっとここで、音河ダウン! これで後三人になって、」
ドーン(1P DOWN)
瞬「あらら・・・ついに二人なっちゃいましたね・・・。」
~決勝戦~
桜咲 涼VS羽崎 メイ
新「だが、いい雰囲気になったんじゃあないか? 一対一だし。」
瞬「そうですけど・・・この後の勝負・・・想像付きますか?」
新「付かないよまったく。 だけど・・・想像もしないバトル・・・そこが面白みがあるだろう?」
瞬「・・・ふっ、そうですね。」
新「さて最後に勝つのはどっちなのか! ラストバトル、スタート!」
シュ、ダダダダダダダ!! カチャカチャカチャカチャ!!
瞬「こ、これは・・・凄い! 肉眼では捉えられないほどのバトルになっています!」
新「本当に凄いな・・・というか、見えているのか二人には・・・?」
桐「見えてることにしておいてやれ。 俺なんかもう見ているだけで疲れてきた。 ズズ・・・(お茶飲む音)。」
新「そう言わずにもうちょっとだけ付き合え。」
瞬「あ、二人の動きが止まりました。」
新「お互いの体力も限界になったのでしょう。 たぶん次の一撃で決めるのだろう。」
シーン・・・。(しばらくの沈黙・・・。)
新「・・・。」
瞬「・・・。」
観「・・・。」
ダッ!(二人が同時に走り出す!)
新「どっちだーーー!!」
・・・
ドーン(2P DOWN)
新「勝者・・・羽崎 メイ!」
うおおおおーーーーー!!!(ラジオの音)
瞬「いらないでしょう。 それは。」
羽「勝ちました。」
涼「うう・・・お兄ちゃ~ん負けた~。(泣)」
瞬「泣かない泣かない。」
新「それでは、優勝したメイ・・・いや、ここは羽崎さんか。 羽崎さんには瞬の一日デート券を差し上げましょう。」
羽「・・・。」
新「ん? どうした、メイ?」
羽「いえ・・・本当にいいのですか?」
新「あのな・・・勝ったんだから、ちゃんと受け取れよ。」
羽「・・・はい。 わかりました。」
新「では今回のゲーム大会は以上です。 最後に優勝者の羽崎 メイさんコメントを!」
羽「あ・・・わ、私より強い人、私を・・・倒して見せろ!」
新「いやそれ、挑戦だから・・・ちょっと偉そうだし。」
続く
2009/12/27 23:59 |
ゲームやろうぜ!(中編) |
龍「だから無理にかっこよく言わなくてもいいぞ、今みたい舌噛むぞ。」
新「今度から気をつける・・・。」
瞬「どうでもいいけど、彼女達勝手にやっているよ。」
新「ええ!? ちょっと勝手に始めないでよ! これから実況しようと」
やっている人全員「・・・。」
瞬「完全に無言と無視ですね・・・はいはい、いじけないいじけない。」
新「いいもん・・・どうせ馬鹿作者なんだから・・・。」
桐「なあ・・・ゲーム見て思ったのが・・・。」
瞬「どうしたの?」
桐「なんか・・・キャラがメチャクチャ早く動いていて、あと・・・女子達の手の動きも尋常じゃないほどの動きをしているぞ。」
新「ああ・・・ゲームの方はちょっといじって、ドラゴンボ○ル並の動きにしたが。」
瞬「何で改造しているのですか・・・あと、伏せ字あまり意味無い所においてますよ。」
新「わかったよ・・・どれ、今の状況は・・・。」
カチャカチャカチャカチャ!! (手の動き)
新「は・・・早っ!! たしかにこの手の動きようが尋常じゃないほど早さです! 肉眼で捉えれるのが精一杯の動きです!」
瞬「というか、今誰がやっているのが外側の人達にわからないのですか・・・。」
新「そうだった。 今の状況はこうなっています。」
~三回戦~
桜咲 洋VS音河 逢
新「早っ! もう三回戦?! いくらなんでも早すぎでしょう!」
瞬「あ、今終わりました。 負けたのは・・・洋みたいです。」
新「あらら、負けちゃったのか落ち込んじゃったよ・・・所で一、二回戦の結果は?」
久「一回戦は霧咲という奴と真木野妹が戦って、霧咲が勝利し、二回戦は佐倉塚と桜咲妹1が戦って妹1が勝利したが。」
新「あれ、へん・・・久須磨いたの?」
久「いたよ! ずっといたよ!! 前回だって出てきただろうが! あと、絶対聞き間違いじゃないけど一瞬変態って呼ぼうとしていなかったか!?」
瞬「へ・・・久須磨さん。 涼の事ちゃんと名前で呼んでください。」
久「何で俺が怒られるの!? ていうか、アンタもさりげなく変態って呼ぼうとしていなかったか!?」
新「さてとりあえず実況に戻りましょう。」
久「今度は無視かよ!?」
瞬「おや、メイさんは何処行ったの?」
淳「さっきトイレにいくって行ったのだけど・・・あ、戻ってきた。」
羽「すみません。 それでははじめましょうか。」
新「さあ、いよいよ四回戦、草原 林VS羽崎 メイのバトルが始まります。 どんなバトルを広げるのが、」
シュ。 ドーン (2P DOWN)
新「・・・。」
瞬「・・・。」
観「・・・。」
羽「勝ちました。」
新「・・・えーっと・・・瞬さん、さっきのバトルについてコメントを・・・。」
瞬「・・・はい・・・とても・・・肉眼では捉えられない・・・速さのバトルでした・・・はい。」
観「・・・。」 (コクリ)
新「えー・・・では、今回はこのへんで・・・次回をお楽しみにしてください・・・はい。」
桐「・・・一体どうなるのだろうな・・・次回。」
野「さあ・・・想像もできないぞ、俺。」
知「私も・・・。」
続く
2009/12/25 20:53 |
滅び去った国の生き残りの戦士達(中編) |
―???―
「う・・・うん・・・。」
意識が戻ったシオンは目を開けた。 ぼやけている目を擦って上半身を起こして辺りを見た。 どこかは分からないがテントの中にいるみたいだ。
「気が付いたか、シオン?」
すると、近くから男の声が聞こえてそっちの方を向いた。
「隊長・・・? あれ、私は何を・・・?」
「倒れていたのだよ。 西門の所に・・・。」
「西門・・・?」
呟いた瞬間、シオンははっと思い出し体を起こしてテントから出た。
「待ちなさい、シオン!」
クレトアはシオンを呼び止めたが、彼女は止まることも振り向くことも無く走り出した。 テントは王国から少し離れた所にたっていた。 数分後に止まることも無く門をくぐり町の中走った。 雨の中だから、地面が濡れていて途中滑りそうだった。
「!!」
彼女に立ち止まった。 目に飛び込んできたのは町の人達だった。 しかし、シオンの見たものは町の人ではなくただの死体だった。 それもすべて。 血は無かった。 すでに雨で流されていったのだろう。 だけど、シオンは目の前の光景に震えだしたが、彼女は首を横に振り再び走り出した。
「ハァ、ハァ、ハァ・・・!」
彼女は走った。 途中で転んだ。息切れもした。 だけど、それでも彼女はある場所に目指して走り続けた。やがて数分後ある一つの家の前で立ち止まった。 その家は屋敷ほど大きくないが、他の家と比べたら大きい家である。 門のには銀のプレートがあってそこには「アルファシア家」と刻まれていた。
「ハァ・・・ハァ・・・。」
シオンは家の扉を開けて入っていった。 家の中は痛いほど静かというとほぼ無音に近かった。 外の雨の音が嫌って言いたいほど聞こえた。 そんな中、彼女は歩き始めた。 彼女はまず最初にロビーを見た。 そこには誰も居なかったからすぐに別の所に行った。 次にリビング、キッチン、着替え室、洗面所を調べていったが誰もいなかった。
そして次に行ったのは父母の寝室だった。 だが、なぜか彼女はすぐに扉を開けなかった。 もしこの先に・・・と思ったら手が震えてきた。
「・・・っ。」
彼女は首を振った。そんなはずがないっと。 そして手を震えながらドアノブに触れ、扉を開けた。 そして・・・彼女の思いが当たってしまった。 目の前には倒れている中年の男女がいて、血のにおいが嫌でもした。その男女はシオンとクオンの父親と母親である。 この光景をみた彼女は急に全身に震え始めて悲しさが浮き上がりそうだった。
だけど彼女はぐっとこらえた。 彼女はすでに死体になっている両親を様子を見た。 二人とも心臓を貫かれた痕が残っていた。
「ハルカ母様・・・クレイ父様・・・。」
シオンは両親の名を呟き二人をベットに運んで、布団を丁寧にかぶせた。
「ひっく・・・ずず・・・。」
すると、隣の部屋から泣き声みたいな声が聞こえて部屋を出ようとしたら、一度だけ両親の顔を見てしばらくしたら部屋を出て行った。 泣き声が聞こえたのは隣の部屋でシオンはノックもせずに入っていった。 すると、部屋の隅にシオンと同じ白銀の髪をした女の子が泣いていた。
「クオン・・・。」
シオンはその女の子の名を言った。 すると、クオンはシオンの方に顔をゆっくりと向けた。 彼女の目は涙があって赤くなっていた。 シオンはゆっくりクオンの側まで歩いて前で座ってぎゅっと抱きしめた。
「私は・・・何もできなかった・・・父様も・・・母様も・・・友人も、あなたの友人も、町の人も、ガーヴェルトさん達も、王も・・・なにも・・・守ってやれなかった。」
シオンは少し震えた声で言った。 彼女の目からは少し涙が出てきたが、彼女は涙をぐっとこらえた。
「姉さん・・・。」
「・・・誓ったのに・・・みんなを守るって誓ったのに・・・私は・・・何一つもできなかった・・・。」
声がどんどん震えてきて、涙もどんどん溢れ出てきたがそれでも彼女は涙を流さなかった。 すると、クオンがシオンをそっと抱きしめた。
「姉さんは・・・悪くはないよ。 だから・・・自分を、責めないで・・・。 姉さんがそんな事言ったら・・・私も、悲しいから・・・。」
「それに姉さんも・・・泣きたいでしょう? 泣いてもいいのよ? 今は・・・私達しかいないから・・・。」
言った瞬間、シオンの目から溜まっていた涙が出てきてついに零れた。 涙は止まることなくどんどん零れていった。 そして、クオンも再び涙を零した。
「ゴメンね・・・ゴメンね・・・クオン・・・。」
シオンは目をぎゅっと瞑り、クオンをさらに強く抱きしめ歯を食いしばり震えた声で謝った。
「謝らないでよ・・・姉、さん・・・謝らないで、よう・・・。」
クオンも目をぎゅっと瞑りながら言った。
「う・・・うううう・・・。」
二人の泣き声は家の中に静かに響いていて雨の音も強くなっていった。 そんな中、家の前にびしょ濡れになっている男が一人立っていた。 クレトアだった。
「クレトア隊長。」
「ナル。 城の方はどうだった?」
クレトアは言った。 後ろを振り向かずにシオンの家をずっと見たいた。
「全滅でした。 死因は心臓に何かのものが貫かれた後がありました・・・全員に。」
「そうか・・・。 やったのは同一人物か・・・、または同じ魔術を使える集団か・・・。」
「シオンに聞いてみたら分かるのではないですか?」
ナルシファが言ったら、クレトアは首を横に振った。
「今は、無理みたいだ。 時が着たら落ち着くだろう。 その時に彼女に話してもらおう・・・。」
「そうですか・・・。では、私はもうちょっと調査をしてきます。」
そう言ってナルシファは体を反対に向き歩きはじめようとしたら、クレトアが言った。
「ナル、君は家族の所に行かないのか?」
言った瞬間、ナルシファはピタッと止まった。 しばらくしたらナルシファは振り向くことも無く、袖を握って首を振った。
「・・・いいえ、行きません。 見るのが・・・怖いので。」
「・・・そうか。」
そう会話が終わりナルシファは歩き出して、クレトアは一人となった。
「何だろうな・・・こういう気持ちは・・・。」
クレトアは一人呟いて、左手を胸元に置いた。
「・・・怨み・・・怒り、か・・・私には似合わない気持ちだな・・・。」
彼はそう呟いたら、右手の側から白い魔法陣が現れそこから刀柄が出てきて引っ張り出した。 彼が扱っている刃が二つついている両刃剣である。 重さはかなりあるが、彼だけが片手で使える剣である。
「だが・・・今はこの気持ちに素直になるべきか・・・。」
そう言って瞬間、彼の近くにあった少し大きな石が一瞬で真っ二つになった。 クレトアが肉眼でとえることが出来ないほどの速さで斬ったからだ。
「仲間や王、民や家族・・・そして私の部下を傷つけて、悲しませた者・・・この剣で・・・必ず斬る・・・!」
クレトアは今までにない怖い顔をして荒々しい声で言ったら、その場から離れていった・・・。
2009/12/24 13:11 |
日差しは朝までネットゲームをやっている奴だけを焼き殺す |