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新者の雑記置き場

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2009/11/01
19:59
ある灰色の空の日(前編)

―桜咲宅―

あれから、三日がたった。 この三日間は闇の死者(ダーク・デット)の攻撃は一切無くって、町もやっと落ち着きを取り戻しているが、警戒のためか多くの軍や警察の人を街で見ることが多くなった。 父さんの事は詳しいことは知らないけど、「世界を救う」って母さんがそう簡単に話したがそれ以上は何も言わなかった。 

そして今日。 久々の学校があるから、僕達は靴を履いているときだった。

「今日、雨降るから傘はちゃんと持って行きなさいよー。」

「うん、わかった。」

僕達はそれぞれの傘を持った。 僕は普通の黒い傘で、涼は水玉模様をしたオレンジ色の傘、洋は涼と同様水玉模様ををした水色の傘である。

「「いってきまーす。」」

「いってらっしゃい。」

母さんに見送られながら、僕達は外に出た。 空は灰色の雲に覆われていて、いつ雨が降ってもおかしくない天気だった。 涼と洋はそんな中でも元気な顔をしながら、僕の手(洋)握っていて、腕(涼)を抱いた。

―これからどこへ?―

と、後ろから少女の声がして、振り返ったらコンクリートの塀に黒い猫がトコトコと歩きながらこっちを向いていた。 この猫・・・もとい彼女の名前はエミ。 僕の契約魔。 彼女は僕の中にいるレグリーって言う人が僕を守る為に召喚された夢魔である。

「これから学校に行くんだ。」

―学校? 学校とはなんですか?―

「うーん・・・勉強する所かな・・・?」

―勉強・・・ですか?―

「うん・・・と言っても、よく考えてみたら学校って何だろう・・・。」

実際の所は本当。 学校は確かに勉強する所だが・・・他に何かあったかな? そう本気に考えていたら、涼がじぃーと見ていた。

「ねえ、おにいちゃん。 さっきから、何で塀にいる猫と喋っているの?」

「えっ?」

僕は涼が言ったことに一瞬、ギョッとなった。  

―実は、私達、契約魔は召喚した者と契約した者しか声は聞こえないのです。―

「・・・それ、初耳だよ。」

―申し訳ございません。―

と、黒猫はぺこりと首を縦に振った。 そういうことは前もって言ってほしいな。

「可愛いネコさん・・・ねえにいにい、この子の名前は?」

と、洋はエミを見ながら僕に訊いて来た。

「名前はエミって言うんだ。」

「あれ? お兄ちゃん、もう名前決めていたの?」

涼が聞いてきたら、僕は何のためらいも無く頷いた。

「ふーん・・・て、早く行かないと学校遅刻しちゃうよ!」

そしたら、涼は僕の腕を引っ張りながら走り出した。 僕は後ろをチラッと見たら、エミが走ってきた。 

「・・・もしかして、付いてくるの?」

僕は二人に気づかれないようにエミに呟いた。

―? そのつもりですけど?―

エミは当たり前かのように言って、僕はため息をした。

「いや、さすがに学校まで付いてこなくてもいいよ。」

―いいえ、駄目です。 闇の死者(ダーク・デット)はいつ来るのか分かりません。 この三日間は襲撃してこなかったからって気を緩まないでください。―

「うっ・・・。」

確かに彼女の言うとおり、闇の死者(ダーク・デット)がいつ襲ってくるのかは全く予想もつかない。 もし授業中に襲い掛かってきたら、学校全体の生徒は危ない。

「仕方ないな・・・じゃあ、校門に誰もいなくなったら、誰にも見つからずに二階のベランダに来て。 僕の教室は右から二番目だから。」

―分かりました。 校門に誰もいなくなるまで、待機しています。―

そう言っている間に学校が見えてきた。 距離はまだあったけどチャイムが鳴るまで、もう五分しかない。 エミの方に向いたが、すでにいなかった。 その時、なぜか僕は「大丈夫かな・・・。」となんとなく不安そうに走りながら呟いた。


―陸南学園―

なんとか、チャイムギリギリで教室についた僕達。 この学校は他の学校とは違って遅刻は厳禁だから結構厳しい所もある。 その後、先生が来て朝会が始まって出席を取り始めた。

「工藤くん。」 「はい。」 「後堂くん。」 「はい。」 「草戸さん。」 「はい。」

「初瀬野さん。」 「はい。」 「桜咲 瞬くん。」 「はい。」 「桜咲姉妹。」 「「は~い。」」

先生はいつもどおりに出席を確認をしている(涼と洋が二人同時に呼ばれる理由はいつも二人にいるからという単純な事)。 返事をした後、ゆっくりと首を外に向こうとしたら、そこに黒い猫・・・エミがいつの間にかいた。

(いつの間に来ていたの?)

―今さっきです。 桜咲姉妹って呼ばれる所まで。―

「森本・・・はいつもどおりいないな。」 「佐倉塚さんは・・・おやすみっと。」

「えーっと・・・智東さんもおやすみっと。」

そう言って、出席帳をパタンと閉じて、机の上に置いた。 それにしても、森本は授業とかろくに出席してないが別に気にはしないが、一年の頃は無遅刻無欠席の佐倉塚さんが休むのは珍しいことだ。 

「えー君達が二年生になって、はや二ヶ月ちょっと。 そろそろ、雨が降る季節が訪れています。 勉強も頑張っている子よ、先生みたいにならずに恋もがんばれよー。」

と、何を言っているのかよく分からないことを言っている先生。 そういえば、この人って恋愛が駄目駄目で独身だったっけ。
 
「もうちょっとしたら、生徒選挙があるので一限目にその紙をくばりますので、候補を選んでください。」

先にそっち言ってよ、と僕は心の中で静かに突っ込んだ。 その時、一瞬耳鳴りのようなものが聞こえた途端。

「えーそれでは・・・チャイムが鳴るまで・・・うごかな・・・。」

先生は眠たそうな顔をして体をフラフラさせながら、その場に倒れた。 先生が倒れた途端、みんなが次々と机に突っ伏していった。

(どうなっているの?! そうだ、エミ!)

僕は慌てて、窓の開けた。

「エミ、一体何が!」

慌ててベランダの方に顔を覗いて叫んだ。 エミは手すりの上にいて校門のほうを見ていて、振り向かずに言った。 

―申し訳御座いません。 さっきのは私が放った催眠魔術です。 皆さんには見られたくありませんので。―

「どういうこと?」

―敵が来ました。 それも・・・かなり手ごわそうな人間のようです。―

そう言い残して、彼女は近くにあった木に軽々と飛び移り、そのまま地面に降りて校門の方に走っていた。 

僕も体が勝手に動くかのように教室から飛び出して走り出した。 何故だか分からないがどこかいやな予感がしていた。 そう思いながら、僕はすっかり静まった学校の中、階段を駆け降りいそいで上履きを脱いで靴を履いて運動場に出た。

「! あれは・・・!」

そこには知っている人物がいた。 その人物は手には光の刃になっている剣、顔には銀色の仮面をつけていた。 そして、その人物から放たれているつよい殺気。 そう・・・仮面の女だった・・・。

 

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2009/10/21
20:21
悲劇の過去

ザザ・・・ザ・・・ザザザザ・・・

夢の中、耳からテレビのノイズのようなものが聞こえた。 俺はそれを何度も聞いて、そして見た。

「やめろ・・・。」

目の前には、俺がまだオージだった頃の光景がノイズ状態で映し出された。

「やめてくれ・・・。」

そう言ってもノイズも映像も止まらなかった。 俺は昔の自分が嫌だった。 何も守れなかった自分が何より嫌いだった。

ザザザザ・・・ザザザ・・・

「やめろ! 俺に・・・俺にこの光景を見せないでくれ!」

俺は耳を押さえつけ叫んだ。 しかし、一向に止まる気配は全くなかった。 耳を押さえてもノイズは聞こえてきた。

「・・・どこまで苦しめてくれるんだ・・・この夢は・・・!」 

ザザ・・・ザ・・・

急にノイズの音が小さくなっていった。

「この・・・なま・・・だ・・・。」

ノイズの音と共に男の声が聞こえた。 俺はその声の人を知っている。 だが、俺はその声の人を見なかった。 見たくもなかった。 目を瞑りたくても瞑れなかった。

「お願いだ・・・やめて・・・くれ・・・。」

俺は泣きそうに呟いても、映像は容赦なく俺に見せる。

「おー・・・いいな・・・だな・・・。」

さっきの人と違う声が隣からした。 その人も知っていて、見たくもなかった。

「俺に・・・この人達を・・・。」

ザザザザ・・・ザザ・・・ザ・・・ザザザザザ・・・

ノイズは急に高くなって、テレビのような灰色の映像になった。 数秒後、映像が見えてきた。

「!」

そこに映っていたものは、俺が死んでも見たくもなかった悪魔の映像が・・・。

「オージ・・・血が・・・ないけど・・・たった・・・息子・・・。」

その人は頭から血を流れていて、体中から触手みたいなものが貫かれいた。 しかし、その人は顔を僕の方に向いていてなぜか笑っていた。

「やめ・・・。」

俺はこの光景は耐えれなかった。 心がズキズキする。 必死に目を瞑ろうとしても瞑れなかった。 

「世界・・・を・・・頼む・・・。」  

「やめろーーーーー!!!!」

俺はついに耐え切れずに叫んでしまった。 そしたら、ノイズの音が高くなっていき、映像はまた灰色になっていき、そしてテレビの電源を消すかのようにプツンと消えたと同時にノイズの音も無くなった・・・。


―桜咲宅―

「ハッ・・・!」

夢から覚めた俺は勢いよく上半身を起こした。

「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・。」

息を荒く吐きながら、俺は窓の外を見た。 すでに日は昇っていて小鳥達が鳴いていた。 すると、手の甲に一滴の液体が当たった。

「・・・?」

汗かな?と思いながら額に右手を当てたが汗は特になかったが、また一滴、手の甲に落ちた。 今度は頬を当ててみたら、濡れていて手をそのまま上に動かしたら、目から涙が出ていた。

「あなた・・・。」

隣から声がして、振り向いたら淳がいて朝ごはんを作っていたのか、エプロンをしているままだった。。

「また・・・あの夢でも見ていたの?」

俺はそれを聞いてギョとして、思わず布団を強く握りだした。

「何で分かったの・・・?」

「それぐらい分かっているわよ。 何年あなたの夫をやっているの?」

「そうだな・・・。」

俺は薄く笑ったが、その笑いはすぐになくなった。

「・・・淳も知っているけど、週に一回にぐらいかな・・・あの人たちの・・・夢を見るのは・・・。」

「やっぱり・・・忘れれないの?」

それを聞いて俺はイラッと表情をした。 忘れるはずがない。

「当たり前さ・・・君はあの場所にはいないから分からないけど・・・僕はあの場所にいて・・・そして・・・血は繋がっていないけど・・・父親の最後を・・・この目で・・・見たんだから・・・。」

俺が父さん達を最後に見たのは、あの最後に出ていた映像の光景と同じであって、あの時、父さんがなぜ笑っていたのか全く分からない。 俺はそう思いながら、ベットから起きてベランダの方に歩いた。

「・・・あの世界から離れて・・・何年たつのだろう・・・。」

俺はベランダに出て、手すりをつかみながら呟いた。 外には、半壊している家や電柱が折れていて、道路がヒビでデコボコだった。 

「気になるの? 自分の世界。」

「いや・・・と言ったら嘘になるな・・・でも・・・大丈夫だと思う・・・あの人たちがいるから、僕はそう信じているから・・・。」

「・・・。」

そうやって、お互いは黙ってしまった。 元々こんな話しても、俺は話なんかろくに聞きたくもなかった。 あの人の事はもう、思い出したくもなかった。 だけど。 

「・・・淳・・・いや・・・。」

俺はそこで言葉を切って、淳のほうに向いた。 

「ナミナ・・・。」

その時、淳は驚きの表情をした。 彼女の本当の名前言うのも何年ぶりだろうか・・・。 元々の世界を離れてから、俺はナミナの事を淳と呼んでいた。 だから、他の世界でこの名前を呼ぶのは初めてだ。

「・・・ほんの少しの間、家を空けてもいいかな・・・?」

そう言っても、淳の驚きの表情は変わらなかった。 俺は自分の手を見た。 そして、脳裏からあの人たちの事が浮んだ。 しかし、俺はすぐにかき消した。

「僕は、昔の力ではなく・・・今の力で・・・世界を救いたい・・・これ以上、他の人たちを絶対に死なせるわけにはいかない。 かつて、様々な世界を救ってきた・・・父さん達のように・・・僕は世界を救う。」

俺は見ていた手を握りながら強く言った。 あの人の事は思い出したくもないけど、あの人の最後に言った言葉は俺はずっと守っていきたい。 そしたら、淳はふうっと息を吐いた。 

「・・・いいわよ。 帰ってきたら、おいしい料理を作ってあげるから・・・。」

そう彼女は、笑顔で言った。 それを見た俺は、にこっと笑った。

「楽しみにしておくよ・・・。」

そう言って、俺の右手に魔力をこめて空間にそっと触れた。 そしたら、空間に大きな丸い円が現れた。 昔の俺の魔力は単体で空間転移は簡単にできていたが、昔の魔力は封印していて今は、単体で空間転移は無理だけど、右手に魔力をこめて空間に触れたら、空間の扉が開いてそこから他の世界に転移するしかない。 俺は首だけを淳のほうに振り向いた。

「・・・ありがとう、ナミナ・・・。」

そう礼を言って俺は、空間転移をした。

「・・・全く・・・あの人は・・・。」

龍が転移してしばらくしたら、淳は自分のベットに腰を下ろして一人呟いた。

「・・・うれしいな・・・あの人が・・・昔みたいに呼んでくれて・・・。」

そう顔に手を置き、嬉しい顔をしているようで懐かしい顔をしていた・・・。

2009/10/11
00:52
決闘

―???―

「・・・」

俺は一人、石で作られた馬鹿みたいに広い闘技場にいて、一人タバコを吸っていた。

「よう、桐ちゃん。 久しぶりー元気ー?」

そんな中、いつ聞いてもうっとうしいほどの気楽そうな声が闘技場に響いた。 俺はタバコを捨てて足で潰し、扉の方を見たら、チャラ助はニヤニヤ顔をしていて、こっちに歩いてきた。

「・・・そのうざったくて今すぐお前を切り落としたい喋り方・・・どうにかならんのか?」

「そう怒るなって。 しかたないだろう、俺はこういう喋り方が結構気に入っているから。」

「・・・お前は昔から本気ではない時は、そういう喋り方しかしないだろうが。」

「まあそうだけどねー。 特に、戦闘の時の俺はほかの事は一切考えてないからね~。」

チャラ助はニヤニヤ顔で言ってきた。 今すぐこの場でコイツを斬りたいと思っている。

「・・・お前、その気楽そうな喋り方どうにかならんのか・・・。」

俺は思わずため息をした。

「無理無理。 だって俺、この喋り方気に入っているし。 それに、桐ちゃんやのぎちゃん、洞爺の旦那なんかちっとも気楽じゃあないじゃん。 それに、亥族の間の空気って痛いんじゃ、いろんな意味で。」

チャラ助はめんどくさそうな顔をして手をブラブラと振りながら言った。 じゃあどっかに行っていろよ。 

「・・・それで? ここに呼び出したのは、そんなことなのかな?」

「そんなわけあるか。 これ以外に俺がお前を呼ぶわけがないだろう。」

俺は即答に答えたら、大剣の刃をチャラ助に向けた。 そしたら、チャラ助は驚いているようなわからないような顔をキョトンっとした。

「ふーん・・・桐ちゃんからそう言ってくるとは・・・明日は変なものでも振るのかね・・・。」

チャラ助は何かを呟いたら、両手から武器が現れた。 その武器は剣の形をしているが、銃にも変形ができる銃剣だ。 コイツの射撃力はマキより上ではないが、かなりの凄腕だ。 チャラ助が武器を取ったその数秒後、また扉が開いた。

「悪い、そろっているか?」

走ってきたのか真道は、少し息が荒くなっていた。

「ああ、大丈夫だ。 審判の方を頼むぞ、真道。」

「ああ。 それにしても珍しいな、お前から卓志とやるとはな・・・。 何かわけありか?」

「・・・。」

俺は無言で首を動かさず、位置に付いた。 まあ、わけありは本当だけどな。 

「まあ、いいけどね。 制限時間は五分だ。 召喚獣を呼び出すのはなしだ。 致命傷はちゃんと避けることを考えてくれよ。」

そう言って、真道は突然足元に現れた魔法陣の光に包まれて消えた。 審判は基本的に別の場所で戦いをみて、時間が着たらここに戻るのだ。

「さ~てっと、早速はじめようぜ。 桐ちゃん。」

「・・・。」

俺は表情を変えず、ただディムロを握り締めて構えている。 そしたら、チャラ助が声をあげた。

「おやおや? 桐ちゃん、はじめから本気モードですか? ハァ・・・今回は最初はゆるきでいって最後に本気モードのスイッチを入れようと思ったけど・・・やれやれ、桐ちゃんが最初に本気をだすのなら・・・。」

チャラ助はふうーっとめんどくさそうに息を吐き、藍色サングラスをはずし、胸元のポケットの中にいれ、ゆっくりっと目を開けた。 その目は気楽そうな目ではなく、本気の目だった。

「・・・俺もはじめから本気で行こうか。」

急にチャラ助の声もがらりと変わった。 ふざけていた口調もさっきまでニヤニヤ顔も跡形も消えて無くなったかのように・・・いや正確には死んだかのようにがらりと変わった。 そして、何十秒かは分からないが、お互いは目を逸らさず、睨みあって構えていた。

「・・・はじめ。」

どこから、真道の声がしたら、俺とチャラ助は一瞬で前大きく前に出てお互い剣を強く、そして速く振り下ろした。 剣と剣のぶつかり合いながらも俺もチャラ助は目を離さずにらみ合っていた。 そうしていたら、チャラ助は剣を擦るかのように滑らせて体を右に動かして大きく後ろに跳んだ。 跳んでる最中、剣が形を変え銃になっていた。

「氷結弾、セット。 シュート!」

そしたら、チャラ助の周りから無数の水滴が現れ、刃の所に一秒もせず集まって氷の塊ができ発砲されたが、俺は回避した。 氷は壁に当たった瞬間、トマトを思い切りぶつけたかのように氷が広がった。 奴が使用している弾は氷結。 魔力で空間から無数の水滴を現れ、一瞬で刃の所に集まって一瞬で氷になり、いろんな物にもなれるから俺にとっては厄介だ。 チャラ助は一回転して、地面についた瞬間。 

「瞬走(ハイ・プッシュ)!」

俺はその場から消えるかのように消え、チャラ助の背後をとった。

「ふっ!」

大剣を振り下ろした瞬間、チャラ助はくるっと体を回転させ、二本の銃剣で防ぎ押し返して、その場から後ろへ下がったら、右手にある銃剣を地面に刺した。

「氷結爆弾!」

チャラ助は右手を広げたら、手の周りから無数の水滴が現れ、集まっていき氷の爆弾(見た目は氷の塊)ができ、それを俺に向かって投げてきた瞬間、俺はディムロを地面に刺した。

「岩の壁(ストーン・ブロック)!」

突如、俺の前から岩の壁が現れた瞬間、爆発する音が聞こえたと同時に、岩が氷にになっていき、やがてパリーンとガラスのように割れていった。 しかし、前にはチャラ助の姿はなかった。

「氷結弾・連射!」

上空の背後からチャラ助の聞こえた瞬間。

「瞬走(ハイ・プッシュ)!」

俺は急いでその場から移動したら、チャラ助は俺を狙いながら氷結を連射をしてきたが、すでに遅かった。 俺はチャラ助の背後にいた。 チャラ助は慌てながら、体を回しながら銃剣を横振りをしたが、それを剣で防いだ。 だが、チャラ助は今度は反対回転をしてきた。 俺は慌てて、後ろに下がって、剣を振り下ろしたら、両手にもっている銃剣で防いだ。 お互いは剣と剣との押し合った。 すると、チャラ助の口が歪んだ。

「さすが、洞爺の旦那の息子だ! やっぱり、俺はアンタと戦うのが楽しいぜ! 腕が震えるほどな!」

そう笑いながら叫んだ。 やがて、剣と剣は終えて二人距離をとって地面についたら。

「氷結・集!」

チャラ助は剣を上に上げて叫んだら、周りの壁や地面の氷の小さな欠片はキラキラと光りながらチャラ助の剣の真上に集まっていきどんどん大きくなっていって、大岩のサイズまで大きくなった。

「氷結岩! かわしてみるのならかわしてみろ! 斬れるものなら斬ってみな!」

そう叫びながら、剣を振り下ろしたら大岩になった氷の塊は速くも遅くもない普通の速さで落下してきた。 あの速度だったら簡単にかわすことはできる。 しかし、俺はこれをかわす気はまったくない。 

「集中・・・。」

そう・・・俺はあの大岩の氷の塊を斬ろうとしていた。 目を閉じディムロを両手で強く握り締めて、剣の刃のところに魔力を集中させた。 そしたら、刃から白いオーラが出てきた瞬間、目をくわっと開いた。

「うおおりゃあーーーー!!!」

俺は咆哮しながら、白いオーラがでた大剣を思いっきり振り上げた。 そしたら、氷はゆっくりと真っ二つになっていき、砂埃が凄い勢いであがった。

「うおッ! 本当に斬りやがったぜ、アイツ・・・。」

と、チャラ助が驚いている中、俺は瞬走(ハイ・プッシュ)で、奴の背後に入ったら。

「・・・。」

「・・・。」

いつの間にか後ろに向いていて銃剣の刃を俺の顔に向けていて、俺も同じで大剣の刃をチャラ助の顔にむけていて、お互い、その場に動かずそして睨みあっていた。 砂埃がはれたと同時にパンパンと手を叩く音がした。

「勝負は引き分けだ、お前達。 五分過ぎたぞ。 武器をしまえ。」

真道はいつの間にか戻っていた。 俺達は真道の言うとおりに武器をしまった。 正確には一瞬で消えただけ。 チャラ助は息を吐いたら、ポケットにしまっていた藍色サングラスをかけた。

「いや~すんごかったねえ。 まさか、本当に斬るとは思わなかったよ桐ちゃん。」

チャラ助はまたいつものようにニヤニヤ顔で気楽そうに喋ってきた。 さっきまでの本気は死んだかのように消えていた。

「あれって、結構固いよう? 桐ちゃんだって知っているだろう? 俺の氷結弾は特殊な物質で、できていてさらに魔力をこめているから、ダイヤモンドの三倍ぐらいの固さだよ? しかもあんなでっかくなっているからさらに固いって言うのに・・・どうやって、真っ二つにしたの?」

「・・・知るか・・・。」

俺は適当に言葉を投げ捨てた。

「まあ、ともかく二人ともお疲れさん。」

真道はそう言って、いつの間にもっていたのか両手にもっていた水のペットボトルを俺たちに投げた。

「あんがとうよ、のぎちゃん。」

チャラ助は、真道に礼を言ったらすぐにふたを開け水を飲んだ。

「・・・。」

「ん? 飲まないのか、洞豪?」

「・・・いや、飲む。」

俺はゆっくりとふたを開けた。 俺はある事を考えていた。

(このままじゃ・・・駄目だ・・・。 俺はもっと強くならないといけない・・・。 アイツを倒す為に・・・。)

俺はそう思いながら、水を飲んだ・・・。
 

2009/10/05
00:59
笑顔

―桜咲宅―

「う・・・。」

夢から覚めた僕はゆっくりと目を開けて、ぼやける中、上半身をゆっくりと起こした。 外は少し暗いけど、明るくなっていた。

「まだ薄暗いな・・・今何時かな・・・?」

僕は目をこすりながら時計を見た。

「五時半・・・か・・・。 僕はあれから、どれぐらい寝てないのか・・・。」

僕は時計を見ながら呟いたら。

―あなたは、ハゼルドという人と戦ってから三日と七時間も寝ています。―

何処からか聞き覚えがある声がした。 僕は部屋の周りを見たら、机の上に黒猫が居た。

「えっと・・・君が・・・エミ・・・だよね?」

僕は黒猫に指を指しながら言ったら、黒猫は頷いた。

―はいそうです。 これが私の元々の姿です。 私は夢の中では人化した姿しか見ることが出来ませんが、現実ではこの姿と人化もできます。―

「そうなんだ・・・ところで僕ってハゼルドと戦ってから、三日も寝たって本当?」

―はい。 私はこの三日間、あなたの事をずっと見ていましたから。―

「そう・・・そうか・・・僕は三日間も寝てしまっているのか・・・どおりで、服があの時のままだったのか・・・。」

僕は服を見ながら言った。 服はこの前の戦いの時と同じ服であって泥が付いていて破けてはないけどボロボロだった。 しばらくしたら、僕は涼と洋を起こさないようにゆっくりとベットから降りてタンスのほうへ歩いた。

―どちらに?―

「ちょっと服を着替えて、外に散歩に行こうかなって。 汗ダラダラだし、暑いし。」

そう言って、僕は服を脱いでその場に置いてら、タンスから服を取り出した。

―では、お供します。―

そう言って、エミは机から飛び降りた。

「いいよ、少しの間だから。」

僕はズボンを取り出しながら言った。 しかし、エミは首を振った。

―いえ、そうはいきません。 敵がいつ襲ってくるのか分かりません。 それに、私はあなたの契約魔です。 主の命を守るが契約魔の使命であるのです。―

「・・・ふう・・・うん、わかった。 じゃあ、いこっか。」

僕はどこか諦めたかのようにため息をしてズボンを着てチャックを閉めて、部屋を出ようとしたらエミが僕の肩に乗っかって来た。


―空き地前―

その数分間、僕達は青い色をした道の中歩いていた。

「やっぱ、夜明けの風って涼しくっていいね。」

―そうですね。―

「・・・ただ・・・周りがこんなんじゃ、いい気分もしないな・・・。」

僕はその場に立ち止まって、周りを見回した。 壁には何か引っ掻いた跡や真っ二つになっていて、地面は穴があったりヒビが入っていたり散歩をしていてもいい気分にはなれない。 と、周りを見ている中、空き地の太い丸太の上に誰かが居たのかをみた。

「ん? あれって・・・。」

そこには見覚えのある後姿と白銀の髪をした人がいた。 僕は空き地に入っていってその人に声をかけた。

「智東さん?」

そう言ったら、少し驚いたかのようにこっちに振り向いた。

「あっ、桜咲くん・・・。」

「どうしたの、こんな所で?」

「うん、ちょっと・・・散歩していて・・・。」

「ふーん・・・。」

「桜咲くんは?」

「僕? 僕は暑かったから、ちょっと風に当たりにきただけ。」

「そう・・・所で、その肩に乗っかっている猫は?」

「ああ、この猫は・・・。」

と、僕はここで慌てて言葉を止めた。

(・・・どういえばいいのだろう? ここで、「この猫僕の契約魔なんだ。」なんて言ったら、絶対に変な目で見られるし・・・ここは普通にごまかそう。)

そう思った僕は口を開いた。

「・・・うちによく来る雌の黒猫でね、名前はエミって言うんだ。」

「へえ~、可愛い名前なのね。 ねぇ、さわってもいい?」

僕は頷いたら、エミ肩から降ろして智東さんに渡しら、エミの顔をじいーと見た。

「?」

「・・・かわいい・・・。」

と、頬を染めるかのように赤くなって見たことの無い笑顔をした。 そしたら、それにはっと気づいたのか彼女は恥ずかしいそうな顔をしながら顔を下に向けた。 僕は思わず、微笑んでしまった。 その三分~五分は僕と彼女は喋らなかった。 正直な所、僕は彼女に一体なにを喋ればいいのか分からないままだ。

「いいなー・・・私も猫飼いたいなー・・・。」

そしたら、智東さんはエミの背中を優しく撫でながら呟いた。

「猫、飼えないの?」

「うん・・・私達はちょっと古いアパートに住んでいてそこはペット駄目なんだ・・・。」

「そうなんだ・・・。」

僕がそう言って、また数分間黙り込んだ。 僕と彼女ってあんまり喋ったこともないし・・・そう思っていたら彼女が口を開いた。

「ねぇ・・・桜咲くん・・・いきなり例えばの話なんだけど・・・。」

なぜか智東さんは寂しい・・・というか悲しい声で喋りはじめたら、僕の方に顔を向けた。

「もし・・・もしかしたらの話なんだけど・・・私が何かに苦しんでいる時に桜咲くんは私を助けてくれる?」

智東さんは僕と顔を見ながら言った。 一瞬だったがなぜか彼女は真剣に言ってきたような気がした。それにさっきの顔も、真剣な顔だった。 僕は彼女から思わず目を逸らして空を見た。 空にはただ、明るくなっていく青空と白い雲、カラスも飛んでいた。 それを見た僕は、どことなく落ち着いた気分になって彼女の方に顔を向けた。

「・・・もちろんとは言えないけど、君が本当に・・・何かに苦しんでいるのなら、僕は君を助けるよ。」

と、僕は口を歪めて答えた。 それを聞いたら、彼女はゆっくりと顔を前に向けなおしたら。

「・・・ありがとう。」 と小さく呟いた。

「それじゃ、私、帰るね。」

そう言ったら、エミを僕に返して丸太から降りたらこっちに振り向いた。

「じゃあね、桜咲くん・・・さようなら。」

彼女は笑顔で手をちいさく振って走って空き地から去っていた。

「うん・・・。」

僕は彼女が去ってもまだ手を小さく振っていた。 しかし、あの笑顔を見た瞬間、なぜか僕の中に疑問と胸騒ぎがし始めたが、この時、僕は気のせいだと思っていた・・・。
 

2009/09/27
02:19
契約

―???―

「うん・・・?」

僕が目を閉じていたら、急に明るくなっていて、風が当たっている感覚がした。 僕はゆっくり目を半分開けたら、まず目に飛び込んできたのは青い空と白い雲、輝いた太陽だった。 

「なんだ・・・ここは・・・?」

僕は、ゆっくりと体を起こしたら、辺りはどこまでも続いている緑の草原だった。もちろん、前後左右。 そんな中、僕は「こんな所で本を読んだら最高だろうな・・・。」とのんきに呟いていた。

「ん?」

そしたら、急に誰かが僕の袖を引っ張った。 僕はそっちの方を見たら、なぜか冬物の黒い服をきた無表情な少女がいた。

「君、誰?」

僕は腰を低くし、女の子に訪ねてみた。

―・・・私は、レグリー様が召喚された夢魔です。―

すると、何処からか声が聞こえた。 しかし、妙なことに僕は特に驚きもしなかった。 この声がなんとなく分かっていたような気がしたから。 とは言っても、いろんな出来事があったからこっちの方はとくに驚くほうではない方だ。

「夢魔って・・・悪い夢を見せる悪魔の事?」

僕はそう言ったら、無言で頷いた。

― 一般的にはそうですが、私は違います。 私は一般的な夢魔とは違って、夢の中で人を癒すのが役目・・・とは言っても、私はすこし前に召喚されたばかりですから。―

「そうなんだ・・・所で、君が言ったレグリー様って?」

―レグリー様はあなたの心の中で眠っていらっしゃる方です。―

僕はそれを聞いた瞬間、一瞬えっ?と驚いた。

「ちょ、ちょっと待って。 と言うことは・・・目覚めたの? その・・・レグリーって言う人って・・・。」

―はい。―

「いつ?」

―わかりません。―

彼女は無表情のまま、一言で否定した。

―では、本題に移ります。―

そして、話を勝手に進めていった。 少しはゆっくりと進んでよ。

―レグリー様が私をあなたに契約しなさいって、頼まれているのです。―

「契約って・・・一体どんなことをするの?」

―私があなたをお守りすること・・・ただそれだけです。―

「うーん・・・どうしてもしなきゃいけないの?」

そう言ったら、無言で首を縦に振った。

「・・・わかった。 契約するよ。」

―わかりました。 では、すこししゃがんで下さい。―

彼女がそう言ったら、僕は腰をちょうど彼女の顔ぐらいまでおろした。 そしたら、彼女は顔を近づけてきた。そして・・・

「!?」

僕は一瞬、何が起こったのかが分からなかった。 急に唇になにかやわらかい感触を感じて、ただ目の前が目を瞑った彼女の顔しか見えなかった。そして、しばらくしたら、彼女は僕の顔から離れていったら、僕はその場にお尻をついた。

「なっ・・・!」

僕は頬を染めながら慌てて自分の唇をさわった。 小さい時からは涼と洋に頬にキスされていて頬ならなれているけど、口にはなれないから。しかも妹達じゃなくって始めてあった夢魔とキスをしてかなり動揺プラス緊張がはしった。

―これで・・・契約は完了しました。―

一方の彼女は、顔色を一切変えず無表情のままで言った。 少しは顔色を変えてよ。

「・・・君は・・・恥ずかしくないの? その・・・キスされるのって・・・。」

―いいえ恥ずかしくはありません。これが夢魔との契約方法ですから。―

その時僕は、僕の心に眠っているレグリーって言う人に、もうちょっと普通のものを召喚してくださいと心の底から思った。

「そ・・・そう。 えーと・・・君の名前は?」

僕はまだ緊張と動揺しながら、彼女の名前を聞いて見た。 しかし、なぜか彼女は、首を横に振った。

―私などに名前はありません。 私はただ、レグリー様が呼んで、あなたを契約するために呼ばれたのです。それに、私に名前など必要など無いのです。―

「そうか・・・ないのか・・・それは困った・・・。」

僕はそう腕を組んで言った。 正直な所、本気で困っている。 名前が無かったらどう読んでいいのがわからない。 かといって普通に「君」なんかだとへんだし・・・。

「うーん・・・よし。 じゃあ、今から君の名前はエミだ。」

―いえ、だから私には名前など必要―

「あるよ。 だって、名前が無きゃなんて呼べばいいのかわからないし。 それに、名前って言うのはとても大切なものだからね。」

―大切な・・・もの?―

「うん。 名前はね、一人一人の人間が持っているもので、他の誰も持てないもので、もあるし・・・何より名前は親が生まれる子供のために必死に考えて、つけて貰ったもの・・・だから名前ってものは大切なものなんだ。」

ー・・・そうですか・・・大切なもの・・・。―

そう呟いたら、胸に手を当てて目を瞑った。

―・・・はい、わかりました。 エミ・・・ですか・・・とてもいい名前です・・・。―

そう彼女は、顔を下に向いて言った。 一瞬だったけど、彼女が笑ったような気がした。 

「うん・・・よろしくね、エミ。」

僕は、エミの頭をやさしく撫でてやった・・・。