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新者の雑記置き場

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2009/09/25
23:33
恐怖

―???―

「またここか・・・。」

周りが真っ暗な中、僕は一人だけポツンと立っていた。 もうなれたけど、自分でもこんなのになれるのはちょっとやだけど・・・。そう思いながら、オーズが現れるのを待った。 しかし、いくら待ってもオーズは現れる気配がしなかった。   

「オーズ・・・?」

僕はオーズを呼んだが、現れる気配が全く無かった。 そしたら、急に小さなノイズみたいな音がした。

―・・・か・・・るか・・・!―

何処からかかすれたような声が聞こえて、周りを見回した。 最初は前を見たが何も無かった。 次に左右を見たが前と同様、なにもなかった。最後にに後ろをみたら、テレビのノイズ見たいな球体が浮いていた。 僕がそれが何なのかが分かった。

「! オーズ! ど、どうしたの、その姿!?」

僕は急いでオーズの方に近づいたら、ノイズの音がどんどん高くなっていったが、僕は気にせずにオーズ

―・・・予言の国・・・何者・・・侵入して・・・みなが・・・殺され・・・!―

「えっ? 何を言っているの、オーズ?!」

オーズの声はノイズの音とかすれた声で殆どの声が聞き取れなかった。

―・・・我も・・・限界・・・もうここに・・・ない・・・だから・・・しか・・・聞け・・・!―

その時、オーズの本気が伝わったのか、僕は無言でゆっくりと頷いた。

―明日の・・・お前の命・・・奴が・・・来る・・・だから・・・!!―

オーズが慌てて僕に何かを言っている途中、オーズはテレビが切れたかのように消えていった。

「オーズ!!」

僕がそう叫んだら、前から急に光り始めて目を瞑った。 しばらくしたら、体からすごい熱気を感じて慌てて目を開けた。 そこで僕が見た光景は禍々しいものだった。

「な・・・何・・・これは・・・? う・・・うえ・・・!」 

僕は目の前の光景を見た瞬間、突然その場に嘔吐してしまった。

多くの建物みたいなものは崩壊されていて、家は焼かれ、壊されていて、たくさんの人が血まみれに倒れ、顔や体を解体されいて、目玉や体の部分が飛び出ていて、体の全身の皮膚がはがれていた。

「ひ・・・酷い・・・。 だれが・・・こんな・・・。」

そしたら、近くから爆発音が聞こえてそっちの方に向いたら、炎の中から人が出てきた。 そして次の瞬間、僕は体全体が凍りつくような光景が眼に飛び込んだ。 

その、うしろからかなり大きな二人の巨人がいた。遠くは無いけどその二人の巨人の手には何人の人がいて、そして誰かに見せ付けるように腕を上げ人を握り潰したら血と体の部分の雨が降った。 そしたら、巨人の前にいる人が、血の雨の降る中、カカカカと高笑いしながら声をあげていた。 まるで人を殺しているのを楽しんでいるかのような笑いだった。

僕は思わず、全身が震えだし、また嘔吐してしまった。 そしたら、こっちに気づいたのか巨人の前にいた人が、首だけを回して僕の方を見て、数秒後、その人はニタァと笑った。その笑いは悪魔みたいで・・・いや、悪魔そのものだった・・・。


―桜咲宅―

「うわああぁぁ!!」

それと同時に僕は夢から覚めて、ベットから跳ね起きるかのように飛び起きた。

「ハァ・・・ハァ・・・。」

僕は荒い息をしながら、手で顔の汗を拭いた。体からもいっぱい汗が出て、服がすでにビチョビチョだった。 窓からは三日月の光が輝いていて、辺りが殆ど見えている。

「まだ・・・夜か・・・今何時かな・・・?」

僕が時計の方を見ようとしたら、手に誰かの手が握られている感覚がした。

「うん?」

手の方を見ると、涼と洋が僕の手を握っていながらスヤスヤと眠っていた。

「ふう・・・看病しないでって言わないけどせめて布団を引いて寝てよ、二人とも。」

僕はそばにあったもう一つの布団を取って、二人にかぶせて時計の方を見た。

「今は・・・二時か・・・。」

そう時計を見ながら呟いていたら。

「う~ん・・・お兄ちゃん・・・。」 「にいにい~遊ぼう・・・。」

二人は幸せそうな顔をしながら寝言を言った。 僕は二人の寝言に微笑んだ。 

「ふふ・・・。 微笑ましい光景だね、まったく・・・ありがとう二人とも・・・。」

僕は微笑みながら二人の頭を撫でた。 そして僕は再び眠りに付いた・・・。

 

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2009/09/20
23:57
狩人(後編)

―ビル 屋上―

「前に言わなかったか? 暗殺は敵にばれずに殺せ・・・って言ってなかったか?暗殺は、すでに静かに・・・気配を殺して・・・そして暗殺をする。これは暗殺をする大切な事だぞ・・・?」

男は腕を組みながら、ナルシファを睨んでいった。

「・・・私は、あなたみたいに暗殺なんかはできないぐらい知っているでしょう?それに、私には暗殺は向いてないわ。」

ナルシファは口から出ていた血をふき取り、立ち上がって頭と服を払った。

「き、貴様は!?」

ソウタ・・・ではなく、驚きながら声をあげたのは、龍木の方だった。そしたら、男は、ソウタの方を見たら、急にソウタをジロジロと見始めた。

「その刀と銃・・・どこかで・・・見たことがあるな・・・。」

そう言いながら、手を口に当てて考え始めた。 すると、思い出したのか急に笑い始めた。

「フッフッフ・・・ハッハッハッハ!! これは驚いた! お主、高倉之 豪龍(ごうりゅう)殿の息子、高倉之 龍木ではないか! 久しいな!」

男は高笑いしながら言った。

「ならばその体は、お前の子孫の体か!フフフ・・・まさか、あの方の息子の子孫に会えるとは・・・今宵はいい運だな!」

男は、まだ笑い続けて月を見ながら最後の部分だけ静かに言った。

(誰なの、あれ?)

(奴の名は、夜光 石氏。 お前も知っているはずだ・・・。)

(夜光 石氏って、教科書に書いてあった・・・高倉之軍にいた「鬼の武士」?)

(そうだ。 俺もやつの事はよく知っている。 奴は本当の鬼だ。戦闘に怖くなって逃げ出した兵を平気で殺したり、自分の命令に従わない兵も気に食わない兵も殺してします・・・奴は本当に鬼だ・・・。)

「お主がいることは・・・。」

夜光は後ろの方の扉がある方を見た。 そしたら、急に扉が乱暴に開いてソウタは後ろを振り返った。

「ソウタ、大丈夫か!?」 「ソウタ!」

智美と鏡が息を切らせながら、ソウタの近くまで走った。

―!!―

昌二は夜光の顔を見た瞬間、急に顔色を変えた。

「やはり・・・夜野家の者もいたか・・・。」

夜光は昌二を睨みながら、冷たく言った。そしたら、昌二は急に手を強く握りながら夜光を睨みつけた。

―貴様は・・・夜光・・・石氏・・・!!―

「えっ? どういうこと? どうなっているの?」

ソウタ達はどうなっているのか全く分からない状態になっていた。

「そういえば知らなかったよな。 夜野家と夜光家は・・・親戚同士なんだ。」

隆木は暗そうな声で言った。

「しかし・・・夜野家と夜光家の中はとくに険悪でな・・・昔では夜野家と夜光家の争いは絶えなかった。 だが、夜光石氏がたった一人で夜野家を・・・昌二の家族を滅ぼした・・・。 」

「フフフ・・・ここで夜野家のクソ童(わっぱ)に会うとはな・・・本当に今宵の夜はいい運だ・・・。」

夜光は薄気味悪い笑いながら、昌二に言った。そしたら、昌二は背中にある長い刀を素早く抜いて、夜光に向けた。

―・・・俺は会いたくも無かった・・・よくも・・・よくも、夜野家を・・・みんなを・・・この場で今すぐ、貴様を・・・父上の形見の・・・「三日月」で・・・貴様を斬る・・・!―

「フン。 調子に乗るなよ、夜野家のクソ童。 今の貴様では俺には触れない事ぐらい分かっているだろう?」

そう、昌二には体はなく、鏡と憑依しなければ意味は無い。 しかし、たとえ憑依をしても勝てるかどうかはわからいない。

「だが、安心しろクソ童。 俺は今、最高の気分だ・・・久々に、豪龍殿の息子も会えたし貴様にも会えた・・・。 だから今回は、見逃してやろう。 ただし・・・。」

そう言ったら、夜光は急に体を後ろに向いた。

「次に・・・俺の視界の入ってみろ・・・お前らの子孫の体を解体してやろう・・・。」

そう顔だけをソウタ達に向けて鋭く睨んだ。 そしたら夜光は屋上から飛び降りたら、壁を蹴ったと同時に、ナルシファが黒い翼を羽ばたかせて空を飛び、夜光の後を追った。 そして、二人は暗闇の中に消えていった。

―待て・・・!―

昌二は夜光を追うとしたら。

「落ち着け! 昌二!」

ソウタ(正確には龍木)の声が周りに凛と響いた。 そしたら、ソウタの体から出ている翼や尻尾がゆっくりと体の中に入っていってその数秒後ソウタの後ろから、龍木が現れた。

―今行った所では、追いつきはしないだろう。 それに今は、むやみに動いてはいけない。ここは一旦、退くんだ。―

龍木は腕を組んで冷静に言った。 そしたら、昌二の手が震えだした。

―・・・お前だって・・・人の事は・・・言えないだろう・・・!―

昌二は、手を強く握り締めて龍木をにらみつけたら、龍木は眉をピクッとして昌二を睨んだ。

―お前だって・・・分かるはずだ・・・! 家族や・・・みんなを殺した・・・奴を許せない気持ちが!お前だって・・・そうだろう!? お前だって・・・自分の父親が・・・!―

―やめて、昌二!―

昌二が何かを言いかけようとしたら、急に香菜芽が声をあげた。

―昌二・・・あなたの気持ちはわかるわ。 でも・・・今のはいけない・・・龍木だって・・・まだあの時の事を・・・―

香菜芽は、悲しそうな顔をして言ったら昌二は下を向いた。

―・・・すまぬ・・・龍木・・・。 すこし言い過ぎた・・・。―

―・・・構わない・・・奴との決着もついたし・・・もう、終えた事だから・・・―

龍木は顔を下に向きながら言って、消えていった。その後昌二は、暗い顔をしながら消えていき、香菜芽も消えていった。三人が消えたら、夜の風が聞こえるほどの沈黙になった。

「とりあえず、淳さん達の所に戻ろう。 みんな、心配していると思うし。 ね?」

沈黙の中、智美が元気な声をした。 そしたら二人はすこし微笑んだ。

「うん、そうだな。」

二人は同時に頷いたら、智美も微笑んだ。 そして三人は屋上から出た・・・。
 

狩人(その後)

2009/09/17
23:49
狩人(前編)

―駐車場―

「ふう・・・今ので最後かな・・・どう、龍木?」

―うむ、周りに黒い気配はしない。 どうやら、終わったみたいだな。―

「ハァ・・・二回目は流石にきつい・・・奴らは相当な数で攻めてくるからな・・・。」

と、鏡はしゃべりながら持っていた長い刀を収めた。

「ねえ、そろそろ戻らない? 淳さん達、私達が二回も闇の死者に襲われたこと知らないから、心配しているのかもしれないよ?」

「うん。 そうだな、よし一旦・・・。」

ソウタが喋りかけた途端、人が通れるぐらいのビルの隙間から銀色のナイフが何十本も飛んできて、智美と鏡はかわしたがソウタは二本の刀で防いだり綺麗にかわしたりした。

「誰だ!?」

ソウタの声が周りにも響いた。やがて何十本も飛んできたナイフが急に飛ばなくなった。その次に、かつ、かつっと、足音らしき音がソウタ達に近づいてきていた。ソウタは持っていた刀を無意識に強く握り締めた。 そして、さっきのビルの隙間から人影が見えてきて、出てきたのは黒いゴスロリ風の服をきた女性だった。

「・・・見かけによらず、中々の強さね・・・あなた。」

そう歩きながら口を歪めて言った。

「誰だ、アンタは! 闇の死者の人間か!?」

「闇の死者? なにそれ?」

女性は本気でわからない顔をしていた。

「私はそんなわけも分からない連中の仲間ではないの。私の名はナルシファ。 ナルシファ・レドン・ヴォルヴ。 ただの狩人よ。強い獲物を探し、そして・・・狩る・・・それだけよ。」

そう言って、両手から五本の銀色のナイフが出てきたら、彼女の背中から黒い翼が生えひろげた。

―・・・狩人・・・か。―

昌二は一人ポツリと呟いた

「まあ、狩人だがなんだか知らないが、相手になるのなら相手をしてやろう。」

そう言ってソウタは足を一歩前に出した。

「ソウタ、大丈夫なの?」

智美は心配そうな顔をしながら言い掛けてきた。

「心配するな。 俺の体は俺自身で守るから。」

ソウタは笑うかのように、智美に言った。

「一気に行くよ、龍木。」 

―いつでもいいぜ。―

「「憑依!!」」

二人はそう言ったら、二人の体が重なった。

「「龍の血よ・・・今ぞここに・・・力を解放せよ!!」」

ソウタと龍木の声が混ざり合った瞬間、ソウタの背中から紅蓮色の翼が生えて龍の尻尾も生えてきて、ソウタの周りには炎のうずが回っていた。

「へえ・・・紅蓮色に染められた灼熱の翼に竜の尻尾・・・中々おもしろい能力持っているのね、あなた。」

ナルシファはあざ笑うかのようで褒めているように言った。

「それはどうも・・・。 アンタのその闇色に染まった黒い翼・・・中々似合っていると思うぞ。」

ソウタもあざ笑うかのようで褒めているように言った。そしたら、ナルシファはクスクスと笑い始めた。

「それで口説くつもりかしら?」

「ただのお返しだ・・・それと、俺は口説くのは苦手なんでね!」

そう言ってソウタは地面を思い切って蹴って、ナルシファに突っ込んでいった。ソウタは右手に持っている刀を振ったら、ナルシファは軽々と飛んで、翼を羽ばたかせながら後ろに下がっていった。

「逃がさぬ!!」

ソウタは右手に持っていた刀を素早く納め、腰にあった銃を手に取り、ナルシファを狙って連射した。 しかし彼女はこれまた軽々とかわしていって、すぐ近くのビルの屋上に行った。 ソウタはナルシファの後を追うとして、紅蓮色の翼を羽ばたかせながらビルの屋上に行った。 

「・・・完全に気配を殺しているな・・・。」

そう、飛びながら呟いた。 屋上は広くて隠れる場所も多かった。 ソウタは見えやすい真ん中に下りた。 周りを見たが、ナルシファの姿は何処も無かった。ソウタは銃を腰にかけ、再び刀を取り出した。

「フフ・・・。」

すると、何処からかナルシファの笑い声が聞こえた瞬間、全方位から何十本ものナイフがソウタを襲った。 すると、ソウタは右手の刀で地面に円を書いた。

「焔壁(えんへき)!」

そしたら、円が赤くなり、炎の壁が涌き出て銀のナイフは溶けていった。炎の壁が治まったら、次に左手に持っていた刀を地面に円を書いたら外に六つの円が現れ、その中から太い柱の氷が出てきた。

「氷岩(ひょうがん)!」

そしたらソウタは、氷の柱を大きく次々と切っていき、その切った氷を素早く蹴り飛ばしていった。 だが、その一瞬。 暗闇の中から黒いナイフが飛び、氷が次々と壊されていった。

「ナイフを投げるだけでは、俺は倒せんぞ!」

ソウタは大声で言った。 そしたら、どこからかクスクスと笑う声が聞こえた。

「じゃあ・・・こういうのは、どうかしら?」

そう言って後ろからナイフを持ったナルシファがソウタに向かって走った。ソウタはすぐに後ろへ振り向き、左手に持っていた刀を納め、銃を取り出したらすぐさま、撃った。 銃弾はナルシファの喉に命中した。 しかし、なぜかナルシファはにやりと笑ったら、突然ナルシファが歪み始めて消えていった。

「残像・・・!」

ソウタは気づいたかのように声をあげた。そしたら、左右にナルシファがふうと現れた。 ソウタは急いでかわしたがかわした瞬間、右足のももをかすった。 しかし、まだ攻撃は終わっていなかった。ソウタがかわしたら、前から何十本のナイフが飛んできた。ソウタは翼を羽ばたかせて空に飛んでかわした次の瞬間。ソウタの周囲に数人のナルシファの残像が現れ、一斉にナイフを投げられ体中に刺さってしまった。

「ぐう!」

翼がナイフが刺さったせいか、その場でバランスを崩してしまいその場に落下してしまった。 そしたら、ナルシファの残像はニヤニヤと笑い歪みながら消えていった。

「どうかしら? 私とのダンスは楽しめていますかな?」

暗い中、何人もののクスクスと笑っている声がして不気味だった。 しかし、ソウタはなぜか一瞬口を歪めて立ち上がって空を見た。

「ああ・・・そうだな・・・楽しいと言えば楽しいが、舞姫は・・・一人だけで十分だ。」

そう低い声で言って口から出ていた血を拭き、目を開けたら目が黄色に光っていて龍の目になっている。 

「引きずり出してやろうか? この舞台の舞姫さん?」

「フフフ・・・いいわ、引きずり出してみて。 この数で見切れるのなら・・・。」

そう言ったら、周りは静寂に包まれた。 一方のソウタは目を閉じて、何かブツブツ呟いていた。そうしている間に、一瞬で数十人のナルシファが現れた。 全員は一斉にソウタを襲うとした瞬間。

「火炎・焔弾!」

突然、目を開けたら急にソウタの体が紅く輝いて炎の玉に包まれていき一瞬だった。 炎の玉に包まれたソウタはまさに電光石火ののような動きでナルシファの残像が次々と消されていってた。 そして。

「がはっ!!」

見事に本体の腹に直撃した。 ナルシファはその衝撃で地面に壁に叩きつけられたら、残像がすべて歪みながら消えていった。 ソウタは、ゆっくりとさっきいた場所に降りてきて炎の玉はゆっくりと消えていったと同時にソウタの体から少し煙が出てきた。

「ふしゅー・・・さすがにやり過ぎたみたいだな・・・。」

ソウタは口から少し煙が出てきながら言った。

「さて・・・引きずり出してやったぜ。 舞姫さん。」

ソウタはナルシファの前に立って腕を組んでいった。

「フ、フフフ・・・結構、無茶苦茶な事をしたものね・・・。」

「そんな事はいい。 それより、アンタの首・・・貰うぜ。 後々、襲われるのは面倒だからね。」

そう言って、銃を手に取りナルシファを狙って引き金を引こうとした次の瞬間。

「っ!!」

急に誰かが銃を持った手に目掛けて石を投げてきた。ソウタは思わず銃を落としてしまった。

「何をしている、お主は?」

ソウタは声がした方を向いた。 いたのは昔の着物来て、ぞうりをはいている二十代後半の男が給水タンクの上に立っていた・・・。

 

2009/09/16
01:57
沈黙

―桜咲宅―

「・・・。」

リビングは痛いほどかなり静かであった。リビングには涼と洋と三多朗の三人だけだった。 二人は帰ってきてからずっと下を向いていて何も喋らなかった。 
こんな沈黙に耐えれないのか三多朗は口を歪めながら二人を見ていた。

「三多朗・・・。」

そんな沈黙の中から小さな声がして、三太郎は振り返ったら、佐波がいて手招きを
していた。 三多朗は一度二人を見て、佐波の方に行った。

「あの二人・・・帰ってからあのまま?」

「うん・・・ずっと黙りっぱなしだしあの調子だよ。 そっちの方は?」

「さっき、目が覚めたわ。 でも・・・龍達が連れてきた二人の子達は怖かったのか起きてからずっと、体が震えていたわ・・・。」

「無理は無いよ。 いきなり襲われてしまったんだから。」

「でも、どうする? 彼女達、あたし達の事と闇の死者を知ってしまったし・・・。」

「うーん・・・こまったよな・・・どうすればいいのか・・・。」

そう話していたら、突然玄関の扉が開いた。

「!」 「!」

二人は警戒したのか険しい顔をしてすぐに武器を出した。

「ちょうどよかった。 ちょっとアンタら、この二人を運んでくれないか? 特にこっちの男の方を。」

そんな中瞬・・・もといレグリーは冷静に言った。 一方の二人はレグリーの姿を見て一瞬驚いたかのような顔をした。

「・・・あ。 うん、京香! いそいで龍達を運ぼう!」

「え、ええ!」

二人は武器をしまって急いでレグリーのもとに行き、龍達を抱きかかえた。

「その女は、頭から血が出てるが幸い頭は強く打っていないが、そっちの男は全身強く打ったせいであばらが何本か折れているみたいだから、そっちの男を方が先決だ。」

「わ、わかった! 所で・・・君は、瞬君・・・だよね?」

三多朗がそう言ったら、レグリーは。

「いや違う。」

と、あっさりと首を振って否定した。

「俺はともかく、早くそいつらを治したほうがいいぞ。」

レグリーがそう言ったら、二人は同時に頷き急いで二人を二階に運び、二人の部屋に運んでいった。


―数時間後―

「で、どうだった?」

レグリーは三多朗たちが治療している間に瞬の部屋にいた。

「なんとか治せたわ。 で、君は誰なの? 見た目は瞬君にそっくりだが・・・。」

「外形はそうだが、中身は全く違うな。 俺の名は、レクルグリームカント・ギャレッド。 長いから、気安くにレグリーて呼んでくれ。」

「じゃあ、レグリー・・・えっと・・・。」

なぜか三多朗は顔に手を当てて考え始めた。

「まあ、まずは何を言ったらいいか分からないからな。 俺から言うよ。」

レグリーはそう言って、息を小さく吸った。

「俺はアイツの心の中にある人格・・・いや、別の魂って言った方がいいか。」

「魂?」

「実は、俺はすでに死んでいるんだよ。」

そうレグリーが言ったら、驚いたのか二人はお互い目をあわせた。

「まあ、動揺も無理ないか。」

そう笑い顔をしながら頭を掻いた。

「今から・・・はどうか分からないが450年前、俺はある強大の敵を倒す為に遺跡に行った。 奴はかなり強かった。 俺も全身全霊で奴と戦った。しかし、結果は相打ちで終わって、俺も相手も死んだ。」

「それから・・・なにか未練があったのかな・・・この450年間俺の魂は彷徨っていた。」

「しかし、今から14年前、ちょうどアイツが生まれた頃、俺はアイツの体に吸い込まれた。」

「吸い込まれた?」

「俺は死んでからこの世界の裏山の洞窟の深い所にいたのだか、アイツが生まれた瞬間、俺の魂がアイツの体に吸い込まれるように体の中に入っていってその中で眠っていたんだ。 なぜだかわからないがな。」

そう言ったら、佐波が用意したお茶を両手でもって飲んだ。

「うーん・・・緑茶はやっぱ合わないな。 やっぱ渋茶がいいな・・・。」

と、お茶を飲みながら渋々言った。

「えーっと・・・今、瞬君はどうしているの?」

「寝ているよ。 気持ちよさそうにな。」

レグリーは自分の手の親指を胸を刺しながら言った。

「さって・・・俺はそろそろ引っ込む・・・と、その前に。」

レグリーは立ち上がったら、机の方を見た。 机の上には何も無く綺麗な状態だった。すると、レグリーは机の方に歩いてその机の手を置いた。

「・・・黒風「獣」」

そう呟いたら、机の上から黒い魔法陣が現れ、その魔法陣の上から黒い球体が現れ歪みながら形が変わっていた。 三多朗達はその光景を驚きながら見ていた。しばらくしたら、徐々に形が整っていきやがて姿を現した。

「・・・猫?」

そう佐波が呟いた。 机の上には、さっきまで黒い球体だったのが黒い猫にと形が変わっていた。

「雌の猫か・・・まあいいか、「獣」にはまだ慣れてないから操作が出来ないからな・・・。 あんたら・・・いや、そういえば名前まだ聞いてなかったな。」

レグリーは首だけを三多朗たちの方に向けた。

「僕は飛月 三多朗。 こっちが恋人の佐波 京香。」

三多朗がそう言ったら、レグリーはきょとんとした顔になった。

「何だ、あんた男だったのか? 俺は女かと思っていたぞ。」

「ハハ・・・」 と、三太郎は苦笑いをするかのように笑った。

「とりあえず、飛月。 この猫をアイツに渡してやってくれ。」

「え? なんで?」

「俺の代わりのお目付け役としてだ。 あと、そいつ人化するから。 じゃ、頼んだぞ。」

そう言ったら、急にレグリーは力を失くしたかのようにその場に倒れた。

「・・・いきなりだったね・・・。」

「そう、ね・・・。」

二人はぎこちない表情をしながら立ち上がり、三太郎は瞬をベッドに寝かせていて佐波は持ってきた湯呑みを片付けた・・・。

 

2009/09/06
20:21
覚醒

―住宅街―

「フ・・・やはり、俺の目は正しかったみたいだな。 ふつうの人間なら体がバラバラになり、地面には大量の血が出てくるからな・・・フフフ・・・。」

そう不気味に笑いながら左腕を上げたら、腕からカラスが出てきて空を飛んだ。 俺は体を動かそうとしたが、アバラが何本かやられてしまってまともに動けなかった。

「ゆけ。」

そう言って、カラスは俺に目掛けて落下した。 俺は体を無理に動かそうとした瞬間。

「やめろーーーーーーーーーーーーー!!!」

「!」 「!」

突然、後ろから瞬の叫び声が聴こえたと同時に、カラスが黒い球体に飲まれて黒い球体が消えたら、カラスは跡形もなく消えていた。

「な・・・なんだ・・・? 今のは?」

俺は唖然とした。 一瞬だったから、一体何が起こったのかがよく分からなかった。

「い・・・今のは・・・まさか・・・まさか!!」

ハゼルドは驚いた顔をしたまま俺の後ろの方を見た。 俺もそれにつられて見たら、瞬の周りには黒い霧が現れていて瞬の方は、全身真っ黒くになっていた。 しばらくしたら、瞬を包んでいた闇が消えていって

「・・・この感覚は・・・生きている感覚か・・・久しぶりだな・・・。」

瞬は黒い霧の中で両手をにぎにぎしていた。 だけど、瞬の雰囲気が違っていた。 まるで別人みたい

「お・・・お前は・・・。」

「ん?・・・誰かと思えばおまえか・・・久しぶりだな、ハゼル。」

「その呼び方は・・・おまえ・・・レグリー、なのか?」

「ああ、そうだ。 俺は正真正銘のレクルグリームカント・ギャレッドだ。 ま、体だけは違うけれどな。」

「・・・。」

ハゼルドは驚いているのか、口が開いたまま黙ってしまった。そうしている間突然、瞬の周りに数十の亀裂が現ると同時に上空にも数十の亀裂が現れた。 上空はカラス、地上は狼が亀裂から出てきた。

「何だ? お前が呼んだのか?」

と瞬はハゼルドに言ったが、ハゼルドは首を振った。

「いや、違う。 ちっ、三騎士の連中め・・・何のつもりなんだ?」

ハゼルドは舌打ちをして、何かを言った。そうしている内に一匹の狼が瞬に襲い掛かった。瞬はそれをかわしたら、足をあげ狼の体に直撃して、狼は黒い塵となった。

「ふう・・・やれやれ、よほど相手をして欲しい見たいだな・・・。 いいだろう、相手にしてあげよう。 俺の「黒風(こくふう)」の餌食になりな。」

そう言ったら、急にゆっくりと目を瞑った。その隙に黒い狼達とカラス達は一斉に襲い掛かってきた。そして、目を少し開けた瞬間。

「・・・黒風・・・。」

何かを呟いたら、急に狼達とカラス達が無数の黒い球体に飲まれて黒い球体が消えたら、さっきまでそこにいた狼とカラスの群れが一瞬で消えた。 その後すぐに、大きな亀裂が二つ現れてその中から、黒い竜がでてきた。

「次は・・・ドラゴンタイプの二匹か・・・相手にとって不足はない、かな?」

そうにやりと笑ったら空を飛んだ。そしたら、一匹の竜が咆哮して、動き出して大きく口を開けて瞬の方に突っ込んでいったが瞬はそれを軽々とかわした。すると、もう一匹の竜が口から黒い炎をはいた。 

瞬はそれを片手で防いだ。 だが、さっき突っ込んでいった竜が後ろから黒い炎をはいた。 瞬が後ろを向いたが、遅かった。 その炎は背中に直撃して、黒い炎に飲まれてしまった。

「瞬!!」

俺は瞬を助けようと体を動かした。しかし、無理に動かしたから全身がかなり痛んで動けなかった。

「助けは無用だぞ、人間。 アイツはあんなものでは死なない。」

ハゼルドは上を見ながら、何かを知っているかのように言ってきた。 すると、黒い炎の中から声が聞こえた。

「・・・前言撤回・・・腐るほど不足だ。 こんな弱火みたいな炎で俺を倒せると思ったのか? そんな腐った威力が戦場に出てもなにも役には立たん事を覚えさせてやろう!」

そう叫んだら、黒い炎をかき消すかのように消した。

「黒風「剣」!」

突然、後ろにいた竜のそばに空間から巨大な黒い剣が現れてその巨大の剣が竜の体を真っ二つに切られた。 竜は黒い塵となる同時に巨大の剣も消えた。そして、前にいた竜が瞬に向かって口を開いて突っ込んできた。

「喰いたきゃこいつでも喰っとけ! 黒風「杭」!」

今度は、瞬の右手から巨大な黒い杭が現れて突っ込んで行った。そしたら、その杭は見事に竜の口に中に入った。だが、瞬はそのまま止まることなく突っ込んでいき竜の口の中に入った。 そして、数秒したら竜のしっぽから黒い杭と瞬が一緒に出てきたら、竜は叫びながら黒い塵となっていった。

「・・・。」

ハゼルドはただ、黙ったまま瞬を見ていた。やがて黒い杭は消えて、瞬はハゼルドを見ながら空からゆっくりと降りてきた。

「・・・で、どうする、ハゼル? お前も戦うか?」

そう言ったら、ハゼルドは急に笑い始めた。

「フッフッフ・・・その「黒風」の力・・・まさに本物か・・・。 どうやら、本当にお前なんだ・・・レグリー。」

「だから、さっき言っただろ。 俺は正真正銘のって。」

瞬は肩をすくめながら言った。 

「・・・レグリー・・・いや、我が盟友よ。 戻る気はないか・・・?」

そう言ったら、瞬は黙った。 そして、しばらくしたら瞬は口を開いた。

「・・・すまないが、ハゼル。 俺はもうそちら側に戻るつもりは無い。」

と、下を向いて口を歪めたまま言った。

「・・・理由を聞かせてくれ。」

「もし、俺の体があったなら俺は何の躊躇いも無く、そっちに行く。 だが、この体は俺のじゃない。 アイツの体だ。 俺が好きにする訳にはいかない。」

瞬はそう胸に手を当てて、目を瞑って言った。

「・・・それが、お前の答えか・・・お前らしいな。」

「フッ、その台詞・・・450年ぶりだな・・・。」

瞬がそう言ったら、ハゼルドは後ろに向きたら右手を前にだした。 そしたら、突然空間から亀裂が現れた。

「また会おう、盟友・・・いや、盟友だった男、レクルグリームカント・ギャレッドよ。次にあった時は・・・敵同士だ。」

そう言って、歩き始め亀裂の中に入っていったら亀裂はすぐに消えた。

「・・・さてっと・・・。」

瞬は振り返ったら、淳の方の歩き始めて淳を片に乗っけたら俺の方に歩いてきた。

「アンタ、大丈夫か? 見る限り、酷いざまだが?」

「あ、ああ・・・全身は強く打って歩けない状態だけど・・・それより、お前は誰だ? 瞬はどうしたんだ?」

そう言ったら、瞬は開いている手で頭を掻いた。

「まあ、言いたい気持ちも分かるが、今は避難した方がいいぞ?」

それもそうだ。 こんなになったら、軍も動いている頃のはずだ。 そう思っていたら、俺を軽々と持ち上げて肩に乗っけた。

「で、アンタの家はどっちだ?」

「南東に・・・赤い屋根がある家だ。 すぐに分かる。」

そう言ったら、瞬は思いっきりジャンプして、家の屋根に乗ったら次の家の屋根に飛んで俺達の家の方に向かった・・・。