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新者の雑記置き場

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2009/09/03
23:59
苦戦

―住宅街―

「ほう・・・あれだけの数をよく倒せたものだな・・・褒めてやろう。」

「敵に褒められても、嬉しい気持ちにはならないわよ。」

母さんは険しい顔をして、男に言った。

「次は、お前だ。」

父さんも険しい顔をしていて、持っていた槍を男に向けた。

「フン・・・いいだろう、この「弧狼」ハゼルド・バルガが相手にしてやろう。 ただし・・・俺を甘く見るなよ?」

そう挑発するかのように言って口を歪めた。

「言ってろ!」

父さんは、ハゼルドに真正面から突っ込んでいった。 ハゼルドはその場から動く気配がしなかった。

「フッ・・・。」

ハゼルドがなぜか鼻で笑った瞬間、彼の体から黒いなにかが出てきた。

「! おわっ!」

父さんは咄嗟にかわした。

「逃がさぬ・・・。」

かわした瞬間、彼の背中から大きな黒い手が出てきて拳にして、父さんはそれに当たって、吹っ飛ばされた。

「ぐわっ!」

吹っ飛ばされた父さんは、空中で体を回転して体勢を直して、地面についた。

「父さん!」 「あなた!」

僕と母さんは慌てて駆け寄った。

「な・・・何なんだ、あいつの体は?」

父さんは不思議そうな顔でハゼルドを睨んだ。それは僕も思った。 おそらく母さんも。

「・・・言ったはずだ、俺を甘く見るな・・・とな。」

ハゼルドはまた口を歪めた。

「気をつけろ・・・どうやらコイツ、相当強いぞ・・・。」

父さんはそう言って、立ち上がって槍を手にした。

「喋っている暇があるなら、下を見てみろ。」

「え?」

そう僕は下を向いたら、地面に黒い円の影があった。

「! 淳、瞬! かわせ!」

父さんが叫んだら僕らは一斉に飛んだ。その瞬間、黒い影から黒いなにかの口が出てきた。僕は思わず、息を呑んだ。 気づかなかったら、たぶん足は噛まれていて、喰われていただろう。 考えるだけでも、ゾッとしてしまうそう地面に気を取られていたら、いつの間にか前にハゼルドがいた。

「喰らうがいい・・・。」

そう呟いて腕を肩まで上げたら、腹と左右の横腹から黒いケルベロスの頭が出てきて、僕達に目掛けて噛もうとした。 僕達は咄嗟にそれをかわした。

「ッ! ライト・ボール! シュート!」

母さんは手を上げたら、光の玉が現れてそれをハゼルドに目掛けて投げた。しかし、光の玉が当たる直前、突然ハゼルドが黒い霧とともに消えた。そして、いつの間にか母さんの後ろにいた。

「なっ!」

母さんが気づいた時にはすでに遅かった。ハゼルドの体から放った太い黒い糸みたいな物が放たれて手足が捕まって身動きできなかった。そしたら、ハゼルドは腕を上げたらあの大きな黒い手が肩から出てきた。

「寝ていろ、女。」

「きゃあああ!!!」

母さんはハゼルドの大きな黒い手に思いっきり殴られ、すごい勢いで真下に落下していき地面に叩きつけられた。

「淳!」 「母さん!」

僕と父さんは、いそいで母さんのもとに行った。僕は母さんを抱えたら、母さんの頭から血が一杯流れていた。その光景を見たら、僕は恐怖と吐き気がした。

「よくも・・・貴様アアァァーーーーー!!!」

父さんは怒りとともに叫び、ハゼルドに目掛けて突っ込んでいった。

「やはり、人間という生物は哀れだな・・・。」

そう呟き、父さんの槍をひらりとかわしまた黒い霧とともに消え、父さんと離れた距離から現れた。

「人間は、大切な誰かが傷ついたら自意識と思考がこわれ、相手に対する憎しみ、憤怒する・・・それでは・・・誰一人も救えないぞ、人間よ?」

「うおおおおーーーー!!! 受けろ! 激雷!」

突然、槍の切先から大きな雷が放たれた。ハゼルドは動きもしなかった。 そして、ハゼルドは雷に直撃した。雷がやんだら、ハゼルドの姿は何処にも無かった。

「やったか?」

父さんは険しいそうな顔をして言った、が

「何がだ?」

いつの間にか父さんの後ろにハゼルドがいた。父さんは振り替えようとしたがすでに遅かった。

「ぐあああああーーーー!!!」

ハゼルドの右腕から、大きな黒い手が出てきて父さんの体をを絞めつけた。

「あの程度の攻撃で、俺が死んだとでも思ったのか、人間よ?」

「父さん!」

僕はフィードを強く握り締めて咄嗟に父さんを助けようとした。

「・・・邪魔だ。」

ハゼルドは僕の方を睨みつけたら、背中からカラスがでてすぐ僕に目掛けて突進してきた。

「ぐう!」

カラスは僕の腹を直撃したら、すぐに黒い塵となって消えていった。しかし、あまりにも痛みに僕は腹を押さえてしまった。

「・・・子供は引っ込んでいろ。」

ハゼルドはその隙に背中から黒い尻尾が出てきてその尻尾で僕の背中を殴られ、真下に落下していった。

「うあああああーーーー!!!」

僕は地面に向かって落下していき地面に叩きつけられた。 幸い、頭は打っていないけど全身を打ってしまった。

「ぐ・・・ううう・・・。」

叩きつけられたショックなのか僕の口から血が流れていた。しかし、僕はそんな事に気にする事も無くゆっくりと体を起こそうとした。

「うああああああーーーーー!!!」

上空から父さんの悲鳴が聞こえた。 僕は父さんの苦しい姿が僕の目に焼きついた。

「と・・・父さん・・・!」

僕は必死に体を起こして、フィードを拾い上げて強く握り締めた。 僕が飛ぼうとした瞬間。

ドクン!

「ぐっ!! ハァ・・・ハァ・・・こんな時に・・・!」

また、あの頭痛が僕を襲った。しかし、今回の頭痛は今までのよりも激しく、鼓動も速かった。さらに意識も薄れていて、目の前が霞んでいて立っているのがやっとの状態だった。そう思っている間に、父さんが地面に叩きつけられた。

「うっ! と、父さん・・・!」

僕は歩こうとしたが、歩いたら頭痛も余計に激しくなっていった。そんな中、ハゼルドがゆっくりっと降りてくるのが見えた。

「フ・・・やはり、俺の目は正しかったみたいだな。 ふつうの人間なら体がバラバラになり、大量の血が出てくるからな・・・フフフ・・・。」

そう言ったら左腕を上げ、腕から一匹のカラスが出てきて、空を飛んだ。 僕はすぐに危機感を覚えた。 このままじゃあ父さんが死んでしまう。 咄嗟にそう思い無理やり足を動かした。

「や・・・やめろ・・・。」

激しい頭痛と意識が薄れていく中、僕はハゼルドに言った。しかし、彼の耳には僕の声は聞こえなかった。

「ゆけ。」

そう言ってら、カラスは父さんに目掛けて突っ込んでいった。そんな事はさせないと、僕は心の底からそう思って、

「やめろーーーーーーーーーーーーー!!!」

周りが響くほど大きな声で僕はさけんだ。 そして、なぜか分からないけど目の前が真っ暗になって僕の意識が突然失った・・・。
 

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2009/09/01
02:04

―陸南中等学園 屋上―

「ハァ・・・ハァ・・・今ので最後か・・・。」

森本は息をきらせながら、顔の汗を拭いた。 屋上はすでに闇の死者―ダークデッド―は全滅したが、フェンスは一部壊され、地面や壁にはヒビが入っていたり、デコボコだらけだった。

「おーおー・・・派手にやったものだな。」

突然、後ろから声がして森本はゆっくりと後ろをみた。そこに居たのは、白衣を着て、右手には缶コーヒーを持っている女性、多木だった。

「アンタ、あんまりやりすぎるなよ。 この場を見た教師がみたら、即退学だぞ? 今のアンタの状況だったらかなり立場がやばくなるよ。」

そう言って歩きながら持っていた缶コーヒーを飲んだ。

「・・・そんなの分かっているよ、瑤子。 いや、瑤子先生。」

森本はからかうかの様に言った。

「二人の時に、そんな呼び方やめて。 アンタに先生って呼ばれると寒気がして気持ち悪いわ。」

と、嫌な顔でばっさりと言った。

「酷い言われようだな。 俺達は仲間なのに・・・。」

「そんなの昔の話でしょ。 今の私たちは戌族ではないのよ。」 

「これはまた酷い言われようだな・・・ところで犬神さまと銀堂はまだ見つかっていないのか?」

森本は表情を険しくして言ったが、多木は黙って首を振った。

「見つかっていないわ。 今も、あたしの霊鳥達が探しているわよ。」

「そうか・・・。なあ、少し話でもするか・・・。」

そう言って、森本はその場で座った。 多木は近くにあった、岩の上に座った。

「俺達は・・・どうして年も取らず、ここにいるのか?」

「は? 熱でもあるの、アンタ?」

多木は本気で大丈夫かみたいな顔をしながら言ったら、

「いや、普通気づかないか? 今は西暦45XX年。 俺たちがまだ十二族にいたときは西暦何年?」

「たしか・・・西暦44XZ年・・・あ。」

多木は気づいたかのように目を大きく開いた。

「そう、俺達・・・戌族全員かはどうかは知らないが、十四年と半年の時をさかのぼった・・・。」

「ちょっと待ってよ。 時をさかのぼるって、そんなこと不可能じゃ!?」

「・・・ではそこで、瑤子先生に問題です。 なぜ不可能だとわかる?」

森本は冷静に多木に問おうとした。

「なぜって・・・当然でしょ!? 時間をさかのぼるってそんなの機械も無しで単体で飛べるはずないでしょう!?」

「そう・・・機械無しで単体で時間をさかのぼる・・・下手にしたら、何もない空間で体がバラバラになるだろうな。 それは空間を飛ぶ時と同じだ。」

「では、本題。 なぜ、俺たちは時を単体で十四年の時をさかのぼったのでしょうか?」

「それは・・・あの時・・・あれ?」

多木は急に黙ってしまった。

「あれ・・・? あの時・・・何があったの? なんで・・・思い出せないの?」

「やっぱりか・・・。」

森本はそう呟いた。

「やっぱりかって、アンタは何か知っているの?」

「いや・・・ただ分かっているのは・・・自分の正体。 仲間。 十二族。あと・・・俺達が時をさかのぼった記憶がないって事だ・・・。」

「俺がここに飛ばされた時ずっと不思議だと思っていた。「俺はいつの間に、こんな世界にいるのだ?」っと。」

「それは、あたしもあったわ。」

「で、俺は思い出そうとしたが、俺があの時の最後の記憶は戌族全員がどこかに向かった・・・それ以降は何も覚えてない。気が付いてみれば、俺は山の中に倒れてた、ってここは話しているな・・・」

そう言って森本は急に立ち上がって、上空に浮いた。

「そろそろ、俺は行くぜ。 もし、あの二人にあったなら、すぐ連絡をくれよ!」

そう言ったら、どこかに飛んでいった。

「ちょ! ふう・・・まったくアイツは・・・。 昔から変わらないな・・・鉄。」

そう言って苦笑いをするかのように笑い、缶コーヒーを飲み干して後ろに振り向き、屋上から出た・・・。 
 
 

2009/08/27
01:34
孤狼

―住宅街―

「・・・ねぇ、涼ちゃん。」

誰もいない中、洋は歩きながら涼に話しかけた。

「なに、洋?」

「・・・私達がやっていることって、正しいのかな・・・?」

「・・・。」

洋がそういったら、涼は急に止まって洋も止まった。

「私達が知らない所で、父さんや母さんやにいにい達が戦っているのに・・・私達は、何も知らなかった・・・でも、こんな事をやっても、なにも意味はないって・・・。」

「・・・そうよね・・・あたし達、戦ったこともないのに・・・武器も持っていないのに・・・何やっていたのかな、あたし達は・・・。気づいた時には、体が勝手に動いて・・・勝手に外に出ちゃったしね・・・。」

洋は悲しいそうに手を胸にあていて、涼の方は悔しそうに両手を握り締めた。 この二人には戦う力はない。 武器すら持っても無く、家族が戦っているのに自分達は何もできない事が二人は何よりも嫌だった。 だから、勝手に家を飛び出した。

「・・・戻ろう、涼ちゃん。」

「・・・うん。」

と、二人は振り替えようとした、瞬間。

「!」 「!」

突然、空間に亀裂が現れて、その中から青黒コートで体が黒くて顔が白い肌をした男が出てきた。

「む? 今まで以上のない人間の香ばしい血の香りがしてここに来たのだが・・・二人の女だったか・・・。」

「あ・・・あなた、誰? 普通の人じゃない・・・ って言っても名乗ってくれない?」

とやや脅えながら涼は言った。

「いや・・・。 最初は名を名乗るのが、俺の礼儀だ。 俺の名はハゼルド。「孤狼(ころう)」のハゼルド・バルカだ。」

「で・・・あたし達に何か用で?」

涼たちは少し下がって男に言った。

「・・・いや用はない。 もし、お前達が男だったら、さっさと喰らっていただろう。」

「!」

一瞬、涼の表情が強張り、洋の表情が脅えた。

「安心しろ。 俺は女の血と肉は口には合わない。 喰らっていても、不味いだけだ。 しかし・・・こいつ等は、誰でも喰らう。 男も女の血が好物なんでね。」

そう言ったら、空から小さい亀裂が無数に現れ、中からカラスが出てきた。

「この二人はお前らに任せた。 髪の毛一本、血一滴も残さずに喰らうんだぞ?」

そうハゼルドが言ったら、無数のカラス達は涼たちの上空をグルグルまわりはじめた。

「りょ・・・涼ちゃん・・・逃げよう!」

「だ・・・駄目・・・足が・・・。」

急いで逃げようとする洋は、涼の腕を引っ張った。しかし涼の足は震えているせいか、動けなかった。

「ふん・・・所詮、人間は弱いな・・・。」

そう言った瞬間、二匹のカラスが涼たちに目掛けて急降下していく。

「「いやああああ!!!」」

二人は抱き合って叫びを上げたら。

「スパイラル・シュート!」

突然、後ろから螺旋の風が二匹のカラスに当たり、黒い塵となり消えていった。

「涼! 洋! 大丈夫!?」

カラスが消滅してすぐに、淳が涼たちに駆け寄ってきた。その後に瞬と龍が寄ってきた。

「か、母さん・・・。」

二人は泣きそうな顔で淳を見てたら、淳は安心したのかふと、ため息をした。

「まったく、本当に馬鹿な子ね。 母さん達を心配させて。」

「ごめん・・・。」 「ごめんなさい・・・。」

二人はしょんぼりとしながら言った。

「さ、早く家に帰りなさい。 家には三多朗たちがいるから」

二人は頷いて、立ち上がり走って家の方に向かった。

「ほう・・・こんな世界にも戦う戦士がいたとはな・・・驚いたものだ。」

「お前・・・闇の死者(ダーク・デット)側の人間か・・・?」

「闇の死者・・・我々の名を知っていることは、光の裁判官(ライト・ジャッジ)の協力者か・・・ふむ・・・見たところ、お前らはただの人間ではなさそうだな・・・。なるほど、相手にする前に少しこいつらで腕を見せてもらおうか・・・。」

「望む所だ。 何処からでも来い。」

そう言って、龍が雷槍を握り締めた。

「フッ・・・その心構え、気に入ったぞ人間・・・ゆけ!」

そう言ったら、数匹のカラスが瞬たちに目掛けて急降下してきた・・・。 
 

2009/08/17
20:12
帰宅

―桜咲宅―

それから数分間歩いて、家に無事についた。

「ふう・・・何事も無く、無事に家に帰れた・・・。」

そう一息ついた。 負ぶっている彼女達は、安心したのかぐっすり寝ていた。 リビングに行ったら、母さんがいて、こっちに来た。

「あなた、瞬。 二人ともは大丈夫だった?」

「ああ、なんとかな。 そっちの方は?」

「私は大丈夫よ。 さっき、神野くん達から連絡が入ってきてもうそろそろ、戻ってくると思うわ。」

「そうか。 ところでクレトアと三多朗たちは? 姿が見えないが・・・。」

「クレトアさんは本部から呼び出しが来たから一旦戻ります、って言って・・・三多朗は足に怪我していて、今、別の部屋で京香が治しているわ。」

と言ったら、後ろからドアが開いた音がした。

「あ、龍。 戻っていたの?」

そこには、三多朗さんと佐波さんがいて、三多朗さんの左足に包帯がまかれていた。

「足の方は大丈夫か?」

「ええ、幸い傷はそんなにたいした事じゃあ無かったみたい。 ただ、しばらくは安静をしたほうがいいから、しばらく戦うのは無理ね。」

と佐波さんが言った。

「ところで、その子達はもしかして?」

母さんが指を指しながら言ってきた。

「うん、闇の死者(ダーク・デット)に襲われそうになった。」

そう言って、僕は寝ている彼をソファーにおろした。

「そう・・・これで、四人目、か・・・。」

母さんが暗い顔で言った。

「四人目? どういうこと、母さん?」

「・・・闇の死者に襲われそうだった人がいてね。 なんとか私達が助けたけど、気絶していたから、家に運んだのよ。 今、和室で寝かせているわ。」

「そう・・・そういえば、涼たちは?」

「部屋にいるわ。」

「そう。」

そう言って、僕はリビングを出て、涼たちの部屋に行った。


「涼、洋、いる?」

僕は涼たちの部屋の前でドアをノックした。 しかし、ノックしても返事が無いし、やけに静かだった。

「・・・? 入るよ。」

そう言って、僕はドアを開けた。

「なっ!?」

部屋に入ったら、部屋には二人の姿がなかった。窓は開いていて、窓の外をみたらロープがたれていた。

「た、大変だ!!」

僕は慌てて、部屋を出てリビングに向かった。

「母さん! 父さん! 大変だ!」

「どうしたの? そんなに慌てて?」

「涼たちが・・・涼たちが、どこにもいないんだ!」

「なッ!」

全員が驚いた瞬間、どこからかピー!と言う音が複数聞こえた。 そしたら、父さん達は腰にかけていた何かを見た。

「くそ! こんなタイミングで!」

「どうしたの、父さん?」

「今・・・闇の死者がこの世界に来たらしい・・・!」

「なっ! それじゃあ、涼たちの身が危ないよ!?」

闇の死者は相当な数・・・あの二人は戦闘経験もないから、かなりまずい。

「そんなの分かっている!! 三多朗たちはここに残って、その子達の面倒を見ていろ! 俺たちは、涼たちを探しに行く!」

「わ、わかった!」

「急いでいくぞ! 淳! 瞬!」

僕と父さんと母さんはいそいで走って外に出て、涼たちを探しに行った・・・。

 

2009/08/13
15:16
来襲

―屋上―

「あれは・・・いけない! 二人とも、こっちに来て!」

僕は慌てて、彼女達を呼んだ。僕はあの亀裂を知っている。クレトアさんが言っていた、闇の死者(ダーク・デット)だ。 亀裂の中から黒い狼の手足が見え、徐々に出てき始めた

「ど、どうしたの? 急に大きな声を上げて・・・。」

音河さんは、びっくりした声で聞いてきた。霧咲は頭に?マークが浮んでいて首を傾げていた 二人は後ろの亀裂に全く気づいては無かった。 そして亀裂のほうは、すでに体が出始めていた。

「くっ! まずい!」

僕は咄嗟に彼女たちに向かって走り始めた。 幸い、そんなに距離は離れてはいなかった。

しかし、亀裂から完全に出てきた黒い獣はすごい速さで彼女たちに向かって走った。 

(早い! 間に合え!)

そう思いながら走っている途中、足が躓き転んでしまった、瞬間。

「キャアアアアーーーーーー!!!」

二人の悲鳴が同時に聞こえた。 転んだ僕は慌てて顔を上げた。

「・・・間に合ってよかった・・・大丈夫か?」

そこにいたのは、彼女達を庇って黒い獣に左腕を噛まれた白いマントと薄水色の服を来た・・・父さんがいた。

「と、父さん!」

「くっ! いつまで、噛むなよ!」

父さんは右手に槍が現れ、その槍で黒い獣の腹を刺した。そしたら、黒い狼は黒い塵となっていき、消えていった。

僕はすぐに起き上がって、父さんのもとにいった。

「父さん、大丈夫!?」

「ああ・・・このぐらいの痛みはなんとも無い。 それに瞬、お前も武器を持て。 次が来るぞ・・・!」

父さんは険しい顔でい言った。 そしたら、急に無数の亀裂が現れ、黒い狼が次々出てきた。 僕はすぐさま、フィードを呼び出した。

「とりあえず、急いで一般人を避難させるぞ・・・いいな、瞬?」

「分かっているよ、父さん。」

僕はうなずいたら、フィードを逆さまにし切先を地面につけた同時に、父さんは持っている槍を上にあげた。

「「召喚(カオス)!!」」

僕と父さんは同時に召喚獣を呼んで、僕たちの後ろに二つの魔法陣が現れ、緑色の魔法陣からカゲロウ、黄色の魔法陣から竜が出てきた。

「カゲロウ、一体化!」 「ドラン、一体化!」

カゲロウは僕の剣と一体化して、フィードの形が変わった。

「まずは後ろに二人の避難が先だ! インパ・ショット!」

そう言って、父さんの槍の切先が黄色に光り、そして、黒い狼たちに目掛けて放ったら、その光が拡散して半分は当たって、もう半分が交わして、こっちに向かった。

「スパイラル・シュート!」

僕はその隙を逃さ無かった。刃に周りに風が集まり、それを黒い狼たちに目掛けて放った。しかし、黒い狼達はかわした。

「くっ!」

僕はかわそうとした瞬間。

「ヘビー・ブレイド!」

突然、上から人の声はして岩の杭が降って来て、黒い狼を貫通した。そして、その岩の杭は消え、上から人が降って来た。

「も、森本! お前、今まで何処に行って・・・!」

「話は後だ! そんなことよりも、ここは俺に任せろ! 桜咲は後ろの二人を早く連れて行け!」

「・・・わかった! 二人ともこっちだ! いそいで!」

「は、はい!」

森本に任せて僕たちは急いで屋上から出た。


―校庭―

「ハァ、ハァ・・・。」

「・・・どうやらそう簡単には逃げれないみたいだな・・・。」

僕たちは急いで階段を降り校庭まで来たが、すでに周りは、数十匹の黒い狼がいた。 その中には二匹の黒いケルベロスがいた。

「グオオオオーー!!」

ケルベロスが咆哮したら、狼が一斉に動き始めた。

「じゃあ、こっちも本気でいくぞ・・・!」

父さんは左手を上げた。

「怒れ、雷よ!」

左手を振り下ろしたら、空間から大きな雷が降って数十匹の黒い狼が消えていった。

「グルル・・・。」

「ほとんどは消滅したが・・・やはり数が多いな・・・。」

「どうする、父さん?」

僕は父さんの方を向いて言った。

「・・・しかたない、ここはあれでいくか・・・瞬は下がっていろ。」

「う、うん・・・。」

僕は二・三歩下がった。そしたら、父さんは槍を地面に刺して大きく深呼吸をして、手を握り締めた。

「いくぞ・・・ハアアァァァァーーーー!」

突然、父さんの周りの地面がヒビが入り、地面が両手に丸い電撃がバチバチと音を出しながら現れた。 そしたら黒い狼たちは、一斉に走り出した。

「いくぞ! ドラン!」

―任せろ、龍!―

「くらえ、双・豪・雷・竜!!」

父さんの右手から大きな黄色い竜が出てきて、黒い狼たちに突っ込んだ。狼とケルベロスは急いでかわしたが間に合わず、狼たちは飲み込まれるように大量に消えて、一頭のケルベロスは体半分が飲み込まれ、その場で倒れ黒い塵となっていった。

「もう一発だ!受け取れ!」

父さんはそう言って、今度は空いていた左手から大きな竜が出てきて残った黒い狼達ともう一頭のケルベロス当たった。そして、黒い狼達とケルベロスは完全に消えていった。

「ハァ・・・ハァ・・・。」

「父さん、大丈夫?」

「ああ・・・なんとかな・・・それよりも、急いでここを離れよう。」

「でも、何処行くの? ここからだと避難所まではかなり時間がかかるよ?」

と言ったら「いや、家だ。」 と簡潔に答えた。

「家って、あいつらは空間からくるし、家にいたって意味が無いじゃあ?」

「それぐらいわかっている。 だからクレトアにある事を頼んでいる。」

「?」

僕は頭に?マークを浮ばせながら首を傾げた。

「ともかく、今はこの二人を家に運ぼう。」

と、父さんは二人のほうに歩いた。二人は腰が抜けたのか座っている。

「瞬、お前はそっちの緑の髪のした女の子の方を運べ。」

そう言って、父さんは音河さんを負ぶって、歩き始めた。いや、彼は男だから。 とは言っても今はそんなこと言っている暇でもないか。 僕は父さんにばれないようにため息をしていやいやな思いで、彼を負ぶって父さんの後を追った。 

途中、背中からへんな荒い鼻息をしたような気がしたが、気にせず家に向かった・・・。