2025/04/20 14:56 |
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2009/07/15 14:44 |
新たな・懐かしき仲間 |
―桜咲宅―
「いやー驚きましたよ、オージさん。 まさか、あなたがこの世界にいた
なんて・・・。」
「いや、オージさんに子供がいたって所が一番の驚きだろ?」
「あたしは、どっちも驚いたわよ。」
「ははは、こっちも驚いたよ。 まさか、君達が光の裁判官の協力者だったなんて思ってもいなかったしね。 それに君達も変わってないね。 昔のまんまだ。」
「はい、お茶です。」
話している途中に、母さんがお茶を運んできた。
「あ、どうもすみません。」
右に座っている男の人が母さんにぺこりと礼を言った。
「所で父さん、この人たちって?」
「ああ、紹介するの遅かったな。」
そう言ったのはさっき母さんに礼をした人だ。
「俺は、神野 ソウタで、こっちの幽霊が俺のご先祖、神野 龍木だ。」
―よろしくな。―
「あたしは水里 智美。 こっちが私の・・・水里家のご先祖、水里 香菜芽。
―香菜芽です。―
「俺は、夜野 鏡介。 これが、俺のご先祖の夜野 昌二だ」
―・・・よろしく。―
「へぇ~・・・これが幽霊・・・実際で見るの始めてだな・・・。」
―お、珍しい子だな。 俺たちを見ても驚かないなんて・・・。―
「こらこら、涼。 あまり、ジロジロ見ないの。 迷惑でしょ。」
―いえ、迷惑ではありません。 人は私達は見られただけですぐ逃げてしまいますけど・・・この子はビビりマンで根性無しの人達とは全然違うので、全く迷惑ではありません。―
とにこやかな顔をして、悪口みたいな事を言った。
「は、はあ・・・。」
「こ、こら、香菜芽! あなたまた言っているわよ!」
―あら、そうだったのかしら?―
「あの・・・龍木さん達、ちょっと席はずしてもらえませんか?」
―なぜ?―
そう言ったらソウタさんがあっ、声をあげた。 僕の隣にはさっきから洋が僕の腕を掴んで物凄くガタガタ震えていて、僕の腕もガタガタ震えていた。
「僕のもう一人の妹が、幽霊とか嫌いですからさっきからガタガタ震えているので・・・・。」
そう言いながら僕は洋を見たら、すでに泣き叫びそうな顔だった。
―しょうがないか・・・鏡・・・あとで報告たのむ・・・行くぞ、龍木。―
そう言って、昌二さんは消えた。
―言われなくても分かっているよ。―
龍木さん達もその後に続いて消えた。 そしたら、いなくなったのか洋の震えが収まった。
「・・・あの、話を進めたいのですが・・・。」
クレトアさんが困った顔で言ってきた。 そう言えばこの人の事をすっかり忘れていた。
「ああ、すまなかった。 で、協力の話だっけ?」
「ええ、あなた方が協力をすれば、光の裁判官はだいぶ力が入りまし、我々は全力であなた方の命をお守りします。」
そう言ったら、父さんは腕を組んで目を瞑り、考え込んだ。そして、一分ぐらいしたら目をゆっくりと開けた。
「・・・わかった、協力しよう。 闇の死者がこの世界に来たら、かなりまずいからな。」
「ありがとうございます。」
そう言ったら、クレトアさんは立ち上がって、父さんの方に手を差し出した。
「契約成立の握手です。 これからは、お互い仲間です。助け合っていきましょう。」
「ああ、宜しく頼むなクレトア・・・さん。」
「さん付けはいいです。 仲間なんですから、クレトアと呼んでください。」
「じゃあクレトア、改まって宜しくな。」
そう言って父さんは、立ち上がり手を出してクレトアさんと握手した。その光景を見てどこか安心した僕はちょっと微笑んでいた、瞬間。
ドクン!
「!」
また起きた妙な感覚。 しかし今回のは違っていて、急に目眩がして少し、頭痛を感じた。
「どうしたの、にいにい? 顔色が悪いよ? 気分でも悪いの?」
僕の異変に気づいた洋が心配しながら話してきた。
「ああ・・・大丈夫だよ、洋。 ちょっと、トイレに行って来るね。」
そう言って、僕はリビングを出たら、胸元をおさえてフラフラと歩きながらトイレに入っていった。
「ハァ・・・ハァ・・・何だったんだ、今回の妙な感覚は・・・やけに強い感覚だ・・・。」
僕は胸元を押さえながら言った。 今は目眩はないが、頭痛がまだ収まらなかった。
「一体どうなっているのだ、僕の体は・・・。」
と思った時、ある言葉が僕の頭の中に浮んで来た。
―汝の力が目覚めない限り、我ら、永遠に目覚めない。―
「・・・まさか、彼が言っていた力って・・・まさかね・・・。」
今は確信が付かない。 でもたぶん、その内に彼が言っていた力が分かるかもしれない、と心の中でそう思った・・・。
2009/07/11 17:07 |
協力者 |
―8分前―
「・・・。」
「どうしたの、あなた? そんな深刻な顔をして。」
台所で昼ごはんを作っていた淳が聞いてきた。
「ん? ああ、ちょっとな。」
「もしかして、昨日のあれ? あなたが話してした事。」
「ああ・・・まあ、それだな。」
「べつにそんなに深く考えなくってもいいと思うよ、私にとっては。」
「それはそうなんだが・・・。」
ピーンポーン・・・。
「あら、お客さんかしら?」
「俺が出るよ。 淳はそのままで。」
「お願いね。」
そう言って、俺はソファーから立ち上がって、玄関に向かった。 その途中、洗面所から瞬と会った。
「おはよう、瞬。」
「おはよう、父さん。」
お互い挨拶して、瞬はリビングに入って、俺は玄関の方に行った。
「はいはい、どちらさんで。」
俺は玄関の扉を開けた。 そこにいたのは、全身真っ白のコートをきた男がいた。 そう、クレトア・レードだ。
「おはようございます。」
と、彼は頭を下げ、挨拶をしてきた。
「なんだ、あなたでしたか・・・。 まだ、昼前だが?」
「少々早すぎて、申し訳ございません。 ちょっと、この場所に用事がありまして・・・。」
「用事? なんの?」
俺は腕を組んで言った。
「この前話した三人の協力者があと、15秒ほどここに空間転移に送られくるのです。」
「空間転移って、そんなことが出来るのか?」
「ええ。 我々、光の裁判官(ライト・ジャッジ)の総統ならできるのです。・・・そろそろですね。」
と、言ったら次の瞬間、突然、玄関先の空間に円が出てきた。そして、その中から人が出てきた。
「ここが・・・俺たちが守る世界か・・・俺たちの世界とほぼ同じだな。」
最初に出てきたのは、紅いジャケットと黒い服を着ていた青年で腰には、刀二本と銃があった。
「たしかに・・・あの時、いろんな異世界に行ったけど、ここは普通だな。」
次に出てきたのは、薄い青髪をした青年で、背中に一本の長い刀があった。
「あたしは、普通の世界がいいわ・・・暗い所とか、高い所はいやよ・・・。」
最後に出てきたのは、茶色の短いツインテールをした女性。
三人が出てきたら、円は消えてた。そしたら、クレトアは彼らのほうに歩いた。
「あなたが、新しく入ってきた協力者ですね。」
「え? ああ、あなたがここの?」
「ええ、私の名はクレトア・レードと言いま」
クレトアが自己紹介をしようとした瞬間、俺は慌てて止めた。
「ちょ、ちょっと待って!」
「な、なんですか、あなたは?」
「や、やっぱり・・・君だったのか・・・。」
俺は驚きながら言った。 そう、俺は彼らを知っている。
「? 俺を知っているのですか? そういうあなたは誰ですか?どっかで会った気がするんですけど・・・。」
「あ、あたしも。」 「俺も。」
三人は同時に言った。
「あ、そっか・・・。髪の色変えたから、わかんないよね。じゃあ、これみたら、分かるかな?」
俺は、雷槍を出して三人に見せた。 三人はじいーっと雷槍を見た。
「・・・。」
三人は考え込んだ。 そして、
「あああぁぁぁーーー!!」
思い出したのか、俺の顔に指をさして叫んだ。
「え!? もしかして・・・オージさん!?」
「うん・・・久しぶりだね・・・神野 ソウタ君、水林 智美君、夜野 鏡介君。そして・・・君達の後ろにいる、幽霊さんたち。」
俺は彼らのちょっと上に言ったら、彼らの背後から、幽霊が現れた。
―ばれたか。流石だな、オージさん。 いや、今は桜咲 なんたらだったか?―
―桜咲 龍だろう・・・龍木。―
―お久しぶりです、桜咲さん。―
「久しぶりだね神野 龍木、水林 香菜芽、夜野 昌二も元気そうだね。」
「それにしても、どうしてオージさんがここにいるの!?」
「その・・・。」
俺が言いかけたとき、
「どうしたの、父さん!?」 「何があったの?」
叫び声が聞こえたのか、瞬たちが慌てて来た。
「う~ん・・・今の何の声?」 「ふあ~あ・・・。」
そこに、涼と洋が眠たそうに階段から降りてきた。
「・・・オージさん、この人たちって?」
「ああ、紹介するよ、俺の妻と・・・息子と娘達だ。」
「・・・。」
三人はしばらく黙って顔を見合わせた。 そして、
「「「えええええぇぇぇぇーーーーーーー!!!!!」」」
三人は近所迷惑ぐらいの叫び声をした・・・。
2009/07/09 21:11 |
黒い霧 |
「それが、お前が選んだ答えか・・・お前らしいな。」
(誰・・・君は? それに・・・ここ、どこ?)
僕は今、どこかの遺跡の中にいた。 周りには黒い霧みたいなもので包まれていて、不気味な場所だった。
「しかし、本当にこれでよかったのか、お前としては?」
(何が・・・? これって・・・夢、かな?)
「この門の先には、破壊の魔人がいる。 いくらお前が強いからって、奴の能力にかなうはずがない。」
(門・・・?破壊の魔人・・・?)
僕は前を見た。 少し見えずらいけど、巨大な門があった。全長はおよそ5メートルぐらいはあるとても大きな漆黒の門であった。
「なあ・・・考え直すことは出来ないのか? 俺は・・・大親友であるお前を、失うのはとてもつらい・・・。」
男は悲しそうな顔をして言った。 しかし、僕は首を振った。 いや・・・正確には僕がやったわけではない。 無意識に首を振ったみたいだ。
「・・・やっぱりか。 お前は昔から、一度やるって言ったらやる男だからな。」
(何が・・・どうなっているのだ? 夢なら早く覚めてくれ・・・。)
「そうか・・・なあ、生きて帰ってこれたら、また・・・楽しく話し合おうぜ。」
男は僕たちから離れていき、やがて姿も見なくなっていった。
僕は、巨大な門の前まで行った。 門の隅に黒い霧がもれていた。そして門を開こうとしたら、門が勝手に開いた。門の先の光景は、闇が無限に広がっていた。 そして、その闇の中に、無数の歯車の軋む音がして、何かが動いた。
(これが・・・魔人・・・。)
魔人の全長は3メートル半ぐらいはあった。魔人の体は鮮やかな漆黒色と、目は緑色と輝いていた。 そして魔人は、手を握り締めて上げて僕に向かって、拳を急落下で落として僕は潰された・・・。
「はっ! ハァ・・・ハァ・・・!」
僕は慌てて夢から覚めた。 外はずいぶん明るくなっていて、太陽の光が射し込んで来た。
「夢・・・か・・・。やな夢だったな・・・体中、いやな汗が一杯だ・・・。」
僕は体の汗を拭こうとして、体を起こそうとした。が、
「・・・。」
起き上がらなかった。 無理に起こそうとしたがやっぱり起き上がらなかった。 なぜなら、僕の体をがっしりとつかまれていたからだ。
この二人のせいで。
「う~ん・・・。」 「すう・・・すう・・・。」
「またか・・・困ったブラコン妹だ。 これじゃあ、動けないよ・・・。」
僕はため息をした。 しかも、涼と洋の体がかなり密着している。いや、実際は密着しすぎている。 胸とかも当たっているし。 正直な所、本気でやめて欲しい。 恥ずかしいから。 というか毎回毎回思うけど、何でこんなことするのかなこの二人は。
僕は、彼女達の手をどかそうとするが、なかなか離してくれなかった。そして、ようやく手をどかせることが出来た。手をどかすのに、かれこれ十分ぐらいはかかった。
「つ・・・疲れた・・・。 抵抗しすぎだよ・・・。」
僕はどんよりとした顔で言って、服に着替えて部屋を出て洗面所まで行った。
そして洗面所に着いて、顔を洗い、水でタオルを濡らし体を拭いた。そのついで、頭も洗いずいぶんサッパリした気分だった。
ピーンポーン・・・。
「あれ? こんな時間にお客さん? っとそういえばまだ時計を見ていなかった。」
僕は、時計の方を見た。 時計の針は11時26分だった。
「ずいぶん寝ているじゃん・・・僕・・・。 いつも、休みの日なら8時に起きているのに・・・。」
とポツリと呟いて、洗面所から出たらちょうど父さんが、リビングから出てきた。
「おはよう、瞬。」
「おはよう、父さん。」
とお互い、朝の挨拶をした。 まあ、今昼前だけど。
挨拶したら、父さんはすぐに玄関に向かって、僕はリビングに入って、そこに母さんが料理を作っていた。
「おはよう、母さん。」
「おはよう、瞬。 よく眠れた?」
「うん。 まあ・・・ちょっと寝すぎたけど。」
「そう。 あ、瞬。 ラーシュのえさをやってきてくれない?今、手が離せないの。」
「うん、いいの。」
そう言って僕は、庭に出たら、ラーシュが駆け寄ってきた。
「ワン!ワン!」
「おはよう、ラーシュ。 ちょっと待ってね、今えさをやるから。」
僕はラーシュを撫でて、物置の方に歩いて扉を開け、餌の袋を出してその中にある餌を小さい植木鉢で掬い、餌入れに入れた。 そしたら、ラーシュは餌を食べ始めた。
「なんか、和むな・・・。」
眺めながらそう思った、数秒後、
「あああぁぁぁーーー!!」
突然、玄関の方から、叫び声が聞こえた・・・。
2009/07/07 23:56 |
決意 |
―桜咲宅―
「ふう・・・今日は色々と疲れたな・・・。」
僕はベットに寝転んで手をおでこをあて、そう呟いた。
あれから美奈と別れて、半日がたった。僕は帰ってきて自分の部屋に戻って、ベットにそのまま寝転んだ。 安心したのか、すぐに寝てしまって起きたのは、昼の1時頃だった。 ちなみに、現在の時刻は23時40分。
「ふう・・・疲れ、取れてないのかな・・・寝ようかな。」
僕はベットのそばにあったモノクロのランプの電気を消そうとしたら、コンコンと、ノックの音がして、ドアが開いた。
「お兄ちゃん・・・起きてる?」
涼の声だ。しかし、いつもは元気一杯で活発のなのになぜか声が暗いような感じがした。僕は、ドアの方に向いたら、涼と洋がいた。
「涼、それに洋も。 どうしたんだ、こんな時間に?」
僕は体を起こして、二人を見たら表情はずいぶんと暗かった。
「話したことがあるけど・・・いい?」
「? 別にいいけど・・・どうしたんだ、こんな夜中に?」
そう言ったら、二人は何も言わず暗い顔をしていた。 僕は?マークを浮ばせながら首をかしげた。
「お兄ちゃん達が・・・戦っているのって本当?」
僕は涼が口から言った言葉にドキッと動揺した。
「・・・どうして、それを?」
「昨日の夜、私達がトイレに向っている途中にいにいとお父さん達が、誰かと話している所を・・・私と涼ちゃんは偶然、見てしまったの。」
「ねえ・・・本当なの、お兄ちゃん?」
二人はさっきの暗い顔から真剣な目をしながら言った。 見られてしまったなら仕方が無い。
「・・・ああ、本当さ。」
僕は正直に言った。
「・・・どうして?」
涼は顔を下に向いたまま言った。 そしたら、急にポタ、ポタと音がした。
「え?」
「どうして・・・あたし達には・・・教えてくれなかったの・・・?」
突然、涼が大粒の涙を流しながら言った。
「小さい頃、お兄ちゃんは約束したよね?「僕たちは兄妹だから隠し事はなし。」って約束したよね?」
「・・・。」
僕は無言のままだった。 確かに僕はその約束を覚えている。 だけど今回のは別だった。 十二族が来た初日、父さんが「涼たちにはまだ早いから言うな。」って言われたから
「どうして・・・ひくっ、あたし達には・・・教えてくれなかったの・・・?約束・・・ひくっ、違うよ・・・お兄ちゃん・・・。」
「ごめん・・・父さんに言われたんだ。 「涼と洋にはまだ早い。」って。それに、僕は・・・妹が傷つく姿を・・・見たくなかった。想像しただけでも、恐かった・・・だから、言えなかった。」
僕がそう言ったら洋が口が開いた。
「にいにい・・・それは、私達も同じこと・・・。私達だって、お父さんやお母さん、にいにいが戦っていて、私たちはただ、それを見ることは・・・つらいの・・・私達は何も出来ずただ見るのさせつらい・・・傷つく姿もつらいの!」
洋のいつもの優しい顔はどこにもなく、怒っている顔だった。 洋がそこまで怒っていたことを、僕は実感した。
「だから・・・私達は決めたの。 にいにい達が戦うのなら・・・私達も、戦うって。」
「・・・。」
「・・・。」
しばらくの静寂。 僕たちは見詰め合っていて、洋の表情は全く変わらなかった。
「そっか・・・うん、わかった。」
「え?」
「僕は止めないよ、無理言っても無駄だとう思うし、そうだろう、涼、洋?」
元々この二人は言ったことには絶対に曲げないから何をどう説得をしても無駄なのは昔からわかっている。
「うん・・・私と涼ちゃんは決めたの。」
「ぐすっ・・・ぜ、絶対に・・・戦うもん・・・。」
「分かったから、もう泣くな涼。 涼は長女だろ? 妹の前で泣くなって。」
僕は立ち上がって、二人のほうによって涼の頭をなでて、慰めた。そしたら、涼は涙を拭きいつもの、元気の顔に戻った。
「うん・・・!」
「さ、もう遅いから、子供は早く寝なさい。」
「お兄ちゃんだって、子供じゃん。」
「僕は今から寝るの。 さ、早く自分の部屋に戻りなさい。」
「は~い・・・。」 「おやすみ、にいにい。」
二人は同時に言って、部屋から出た。
「ふう・・・さてっと、僕も寝るか・・・。」
僕はベットの方に戻り、ランプの電気を消そうとした、瞬間。
ドクン。
「!」
突然、体からまた妙な違和感を感じた。
(また、か・・・何なんだ・・・この妙な違和感・・・。)
僕が感じた違和感は、あの時クレトアさんが話していてる時のと全く同じの違和感だった。
「やっぱ、疲れているのかな・・・。」
僕は、そう思いながらランプの電気を消し、布団に入って眠りに付いた・・・。
2009/07/05 17:19 |
死亡(後編) |
―???―
数分後、俺達は津輪葺の研究室に着いた。 中に入ると当然のように奴の血だと思われるものとご対面だ。 それも壁や天井にも飛び散っていた。
「うわー・・・あっちこっち、すんごい血だらけだね・・・。」
「当たり前だろう、死体を切断したんだ。 これだけ血が出てもおかしくないだろう。」
「・・・誰も居ないな・・・。」
そう言いながら俺はは、周りを見回したが、周りには誰もいなかった。
「みんなトイレでも行ったんじゃないの?」
チャラ助はニヤニヤと笑いながら言った。 いいから、お前は黙っていろ。
「・・・お前じゃああるまいし、そんな事はないだろう・・・。」
真道は呆れるかのようにチャラ助に言った。
「ところでさあ、あの棺桶みたいのって何?」
チャラ助が指を指した先は、ガラスの向こうに、棺桶みたいなものがあった。それも一つだけではなかった。数は30~40ぐらいあった。
「たぶんあれだろう、奴が作ったアンドロイドの入れ物だろう。」
俺ははあっさりと言った。 俺は小さいころ、記憶は曖昧だがここに入ったことは覚えていて、そのアンドロイドを見たことはあった。
「・・・この部屋に何用だ、亥族の者達よ。」
すると、突然後ろから男の声がして三人は振り返った。 そこいたのは、和風の服を着た男と男と同じく和風の服を着た小柄の男がいた。
「何だ、お前らか・・・。」
俺はため息ともに言ったら、小柄の男が急に腰にある二つの小刀を抜いた。
「貴様、夜紗宗兄者に向ってお前と呼ぶとは!」
小柄の男は威嚇しながら言った。 すると、夜紗宗は小柄の男の前に手を出した。
「お前は下がっていろ、正宗。」
「あ、兄者!」
「いいから、兄者の命令だ。」
男は小柄の男の方を睨んだ。 そしたら、大人しくなったか、小刀をしまった。
「・・・兄者がそういうなら、仕方あるまい。」
「・・・して、何用だ、亥族の者達よ。 ここは卯族の場所・・・貴殿らとは無関係・・・もし、おもしろ半分でここに来たのならば、即立ち去ってもらおうか。」
夜紗宗は俺達を睨んだ。 確かに遊びできたら追い返されるのはわかっているが、ここで下がったら面白くもない。
「どうする、洞豪?」
と真道がひっそりと話しかけてきた。 俺は黙ったまま考えていら、ひらめいた。
「話だけ・・・ならどうだ?」
「話か、ふむ・・・。」
夜紗宗は手を口に当てて、考え始めた。 離すだけなら
「いいのではないのではないですか、夜紗宗さん?」
夜紗宗達の後ろから女性の声がして、そっちの方に向いた。 いたのは、水色のロングヘアーをした女性が優しく微笑んでいた。 だが俺はこんな奴は知らない。 卯族にいたか?
「む、楓殿・・・。」
「か、楓さん。 しかし、この者達は、亥族ですよ? 我々には関係は無いのでは?」
「たとえ無関係でも、彼らは私達の味方は事実です。 話だけでもいいでは?」
「うむ・・・楓殿がそういうのなら、いたしかあるまい。で、話は?」
「そうだな・・・津輪葺を殺した犯人と妙な所を話てもらいたい。」
「うむ、我が棟梁を殺した犯人はいまだ分からんままだ。」
「この研究所を出た痕跡は?」
そう言ったら、夜紗宗は首を振った。
「ないとしか言い切れんな。 ここの部屋から出入りした痕跡は一切無い。 我々さえ、この部屋に入るのは禁じられている。」
「なるほどな・・・ハァ、あの人形師が・・・自分の幹部ぐらい出入りさせろってんだ。」
桐野はため息と同時に文句を言った。 俺も小さい頃入った時、ここに入るなって
「・・・で、妙な所は?」
「うむ、ちょっとこっちに来てもらいたい。」
そう言って、夜紗宗は歩き桐野たちは、その後に続いた。
「・・・これは。」
「割れて・・・いや、切られているな、綺麗に。」
言ったのはチャラ助だった。 俺たちが見たのは―HM 001―と書かれたタグの所だけのガラスが綺麗に四角形に切られていた。
「他の場所はまったく問題は無いが、なぜかここだけが切られていたのだ。」
「なるほど・・・。」
「・・・それで、話は終わりか?」
「ああ、邪魔して悪いな。 真道、チャラ助、戻るぞ。」
そう言って、桐野は先に部屋を出た。
「待てよ、洞豪!」
「俺たちを置いていくなよ!」
野乃木と久須磨は慌てて、桐野を追いかけ部屋を出た・・・。